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起床後、就寝前の2時間以内に飲む水がもたらす4つの健康増進効果

2020.08.17

サントリーグローバルイノベーションセンター(株)が実施した研究、「水分摂取による健康増進効果の検討」により、習慣的に起床後と就寝前2時間以内に水分摂取することには複数の健康増進への効果があることが認められた。

この研究は4月20日(月)に、栄養学の分野で国際的に権威のある科学雑誌「Nutrients」に採択されている。健常なアジア人(日本人)男女を対象とした、習慣的な水分摂取介入による健康増進効果の可能性を検討した研究は、今回がアジアで初※1となる。

※同社調べ

【研究の背景】水が必要栄養素として定められている欧米。定められていない日本

水はヒトの体内で最も多い成分で、成人では体の約60%を占めており、様々な役割を果たしている。実際、ヒトは水分摂取をしなければ数日間しか生きることができない。

水分摂取と健康に関する研究が欧米では盛んに行われており、水は栄養素のひとつとして捉えられ、公的機関によって適正水分摂取量が定められている。

一方、日本でも水の重要性は理解されているものの、日本人を対象とした水分摂取量の実態調査や水と健康に関する科学的根拠が不足していることを理由に、水は栄養素としては認められておらず、摂取基準も定められていない。

そこで今回、サントリーグローバルイノベーションセンター(株)は、「水と生きる」を理念に掲げる企業として、水分摂取が私たちの体にどのような影響を及ぼすかということを科学的に捉え伝えていくことで、お客様の健康維持・増進に繋げたいという想いのもと、「水分摂取による健康増進効果の検討」に関する研究を実施した。

本研究は習慣的な水分摂取量増加による全身への健康効果を調べることを目的に、アジア人(日本人)を対象として行った初めての報告だ。

<各国で定められている適正水分摂取量>

【研究方法】起床後と就寝前2時間以内にペットボトル入りの水550mlずつを12週間継続して飲用

被験対象となった50歳以上75歳未満の日本人男女60名※2を、ランダムに介入群と対照群に分けた。

介入群には普段の生活に加えてペットボトル入りの水550mlを、朝は起床時から2時間以内に1本、夜は就寝前2時間以内に1本、1日合計2本(1,100ml)を12週間継続摂取してもらった。対照群には普段通りの生活を12週間送ってもらった。

※2 空腹時血糖値がやや高め(90mg/dL以上126mg/dL未満)の方が対象。
ヨーロッパでの9年間にわたる追跡調査によると、水分摂取と高血糖症に負の相関があることが示されている。
以上の情報を参考に、主要評価項目として空腹時血糖値を設定している。
今回の研究では、主要評価項目である、空腹時血糖値には有意な変動は認められなかった。

【結果】起床後と就寝前2時間以内の習慣的な水分摂取により、主に4つの健康増進効果が

起床後と就寝前2時間以内の習慣的な水分摂取により、(1)血圧低下(2)体温上昇もしくは低下抑制(3)腎機能低下抑制(4)血中老廃物希釈への効果が認められた。

本研究で見出された効果は、水分摂取量増加によるものか、朝・晩のタイミングによるものかは現段階ではわからない。しかし、健常人においても、水分摂取習慣を変えることで複数の健康ベネフィットがあることが示された。

以下で、研究結果の詳細と考察を紹介していく。

(1)血圧低下について

〈図1〉血圧の変化

起床後と就寝前2時間以内の習慣的な水分摂取により“上の血圧”と言われる収縮期血圧(SBP)が、研究開始から終了まで、経時的に低下した(図1a)。一方、“下の血圧”と言われる拡張期血圧(DBP)には変化はなかった。(図1b)

血圧低下のメカニズムとして、習慣的な水分摂取による腎機能改善により体内の余分な塩分や水分が排泄されたことや、血圧上昇に関与するホルモン分泌が変化した可能性など、様々な要因が推測されるが、血中成分の濃度が低下していたことから少なくとも血管の抵抗が小さくなったのではないかと考えている。

更なるメカニズムの検討には、尿量や尿中への老廃物排泄濃度、血圧に関与するホルモン分泌についても調べる必要がある。

(2)体温上昇もしくは低下抑制について

〈図2〉体温の変化

対照群が1週目から8週目にかけて0.2℃低下したのに対し、介入群では、0.08℃上昇した(図2)。

本研究は9月から12月にかけて北海道札幌市と江別市で実施し、月ごとの平均気温は18.9℃から-1.0℃に推移した。対照群は季節変動で体温が低下したのに対し、介入群は習慣的な水分摂取によって、その低下を抑制したと考えられる。

一般的には脱水が進むことで体温調節が障害されること、また、加齢にともない皮膚血管の反応性が鈍くなることや、皮膚血流が低下することから、体内から熱を奪われやすくなると考えられている。

介入群は習慣的な水分摂取によって体内水分状態がよい状態になり、体温調節機能低下を改善し、体温低下抑制効果がみられたと推察される。さらに、体温上昇が代謝や免疫機能にも影響することが知られていることから、水分摂取介入によって体温維持または上昇させることで、代謝促進や免疫機能向上にも繋がる可能性があると考えられる。

(3)腎機能低下抑制について

〈図3〉腎機能関連指標

介入群の、血液中老廃物の指標のひとつである「尿素窒素(BUN)」の数値が低下したことから、習慣的な水分摂取によって老廃物が希釈または尿から排泄されたと考えられる(図3a)

また、老廃物を尿として排泄するための腎臓の能力を示すeGFRは、対照群では低下したのに対し、介入群では、低下はなかった(図3b)。
これらの結果から、冬季になるにつれて低下すると言われる腎機能を、介入群では習慣的な水分摂取によって抑制されたと考えられる。

腎機能は加齢に伴って低下することも知られているが、習慣的な水分摂取が腎機能低下抑制に効果があることも期待される。

(4)老廃物希釈効果について

上記“(3)腎機能低下抑制について”でも述べたように、習慣的な水分摂取が腎機能の低下に効果があると考えられる。一般的に腎機能は加齢とともにその機能が低下すると言われており、老廃物を尿として排出する能力が低下してしまう。

若いうちから起床後と就寝前2時間以内の習慣的な水分摂取を継続することで腎機能低下抑制の効果が期待できる。結果として老廃物を効率よく尿として排出していくことにつながり、デトックス効果が期待できる。

【まとめ】今回の研究で、日常生活における水分摂取の習慣を変えることで、健康ベネフィットがあることが判明

今回の研究では、習慣的な水分摂取による全身への健康効果として、血圧低下、体温上昇もしくは低下抑制、腎機能低下抑制、老廃物希釈効果が認められた。これらの効果は、水分摂取量増加によるものか、朝・晩のタイミングによるものかは現段階では分かっていない。

しかし、健常人においても、水分摂取習慣を変えることで更なる健康ベネフィットがあることを示した、アジア人を対象として、また健常人において全身の健康効果を調べた最初の研究。

また、習慣的な水分摂取介入による効果として血圧低下と体温上昇を示唆する最初の研究だ。メカニズムの詳細やサンプルサイズ、設定条件には限界があったため、今後の大規模試験などさらなる検討結果に期待する。

出典元:サントリーグローバルイノベーションセンター

構成/こじへい

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