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自宅で過ごす時間が長くなると暑熱順化に遅れが生じて熱中症リスクが高まる恐れ

2020.08.16

夏になってもコロナが終息する気配は微塵もない。そのため、うだるような暑さの中、マスクをつけて外出する人がほとんどだろう。

そんなコロナ禍の夏の過ごし方や熱中症への危機意識などを尋ねる意識調査をこのほど、健康総合企業のタニタが行ったので、その結果を紹介していきたい。

外出自粛の影響か? 屋外での活動中に熱中症を意識する人は昨年より減少傾向

全国の15歳-69歳の男女1,000名(全回答者)に、熱中症を意識するのはどのようなときか聞いたところ、「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(38.2%)が最も高く、次いで、「屋外のイベント(フェスなど)に参加しているとき」(28.0%)、「スポーツ観戦をしているとき」(22.6%)、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」(22.2%)、「屋内でスポーツ・運動をしているとき」(20.2%)となった。

昨年(2019年)の調査結果と比較すると、「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(2019年46.5%、2020年38.2%)は8.3ポイントの下降、「屋外のイベント(フェスなど)に参加しているとき」(2019年35.1%、2020年28.0%)は7.1ポイントの下降、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」(2019年32.9%、2020年22.2%)は10.7ポイントの下降となった。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請の影響で、自宅で過ごす機会が増えたことから、屋外での活動中に熱中症を意識する人が減ったのではないだろうか。

熱中症を意識することがある人(805名)に、熱中症を意識するようになったきっかけを聞いたところ、「昨年の夏が酷暑だった」(41.5%)と「熱中症に関するニュースを見た」(40.7%)が高くなった。酷暑を過ごした経験や、熱中症関連のニュースを見聞きした経験から、熱中症を意識するようになった人が多いようだ。

続いて、「熱中症に関する注意を呼びかけられた」(25.8%)、「新しい生活様式での熱中症が話題になっていた」(23.7%)となっている。

暑さ指数(WBGT)の認知率は45.8%と、昨年から3.8ポイント上昇

今年7月1日から、環境省と気象庁では関東甲信地方の1都8県を対象に、暑さ指数(WBGT)を基準とした「熱中症警戒アラート(試行)」を先行実施し、来年夏から全国で本格展開するとしている。この暑さ指数(WBGT)について、どのくらいの人が知っているのだろうか。

全回答者(1,000名)に、暑さ指数(WBGT)を知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は54.2%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は33.6%、「どのような指標か知っていた」は12.2%で、認知率は45.8%と、昨年(2019年)の調査結果(42.0%)から3.8ポイント上昇した。

次に、熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)ものを聞いたところ、≪屋内にいるとき≫では「気温」(63.0%)が最も高く、次いで、「湿度」(41.1%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(37.4%)、≪屋外にいるとき≫では「気温」(65.3%)が最も高く、次いで、「日差し」(51.8%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(50.1%)となった。

屋内・屋外ともに、気温に注意を払っている人が多いようだ。そのほか、「暑さ指数(WBGT)」(屋内7.3%、屋外8.0%)は1割未満となった。

暑さ指数(WBGT)が28℃以上になると、熱中症による救急搬送者数や重傷者数が増加するといわれている。暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防する目的で考案された、暑さの要因となる気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標で、順番に1:7:2の割合で反映されている。

この割合をみると気温以外に湿度や直射日光を含む輻射熱にも注意する必要性がわかる。熱中症にならないために、気温だけに意識を向けるのではなく、それよりも熱中症の発生と関係性が高い指標である暑さ指数(WBGT)やその他の暑さの要因にも意識を向けることが必要ではないだろうか。

熱中症の危険度を判断するための情報源 「テレビの天気予報」7割、「身の回りの計測器」1割

今年7月1日から関東甲信地方1都8県で先行実施される「熱中症警戒アラート」は、これまで発表されている「高温注意情報」に代わって運用されることとなっており、この情報は気象庁がもつ自治体や報道機関向けの連絡網を利用して発信される。それでは、どのような情報から熱中症の危険度を判断しているのだろうか。

全回答者(1,000名)に、どのような情報から熱中症の危険度(その日の熱中症のなりやすさ)を判断しているか聞いたところ、「テレビの天気予報」(70.4%)が突出して高く、次いで、「天気予報サイト(アプリ含む)」(22.4%)、「ポータルサイトの天気情報(アプリ含む)」(18.5%)、「新聞の天気予報」(11.4%)、「身の回りの計測器(温度計、温湿度計、熱中症計など)」(9.4%)となった。

昨年と同様に、「テレビの天気予報」を情報源としている人が多数を占めたが、その割合は2019年に比べ8.6ポイント減少している。また、「特になし」と答えた人の割合は、2019年が10.3%、2020年が14.5%と、熱中症に関する危険度を判断する情報を特に入手していない人の割合がわずかに増加した。

「熱中症警戒アラート」では、熱中症への注意を促す呼びかけとともに、対象都県内の観測地点毎の最高暑さ指数(WBGT)や熱中症予防におけるポイントが併せて発表される。これらの情報を積極的に入手して、一人ひとりが熱中症対策を行うことが重要だ。

「新しい生活様式では“適宜マスクをはずすこと”が熱中症予防のポイントになっていること」を約半数が知らない

全回答者(1,000名)に、熱中症予防や熱中症のなりやすさについて、認知状況を聞いた。

熱中症予防に関して聞いたところ、≪新しい生活様式では“適宜マスクをはずすこと”が熱中症予防のポイントのひとつになっていること≫では「知っていた」(以下、認知率)は54.2%、「知らなかった」は45.8%となった。“新しい生活様式”では、基本的な感染症対策としてマスクの着用が挙げられている。

しかし、高温や多湿の環境でマスクを着用すると、呼吸数や体感温度の上昇などの負担がからだにかかり、熱中症のリスクが高まる。そのため、屋外にいる場合や、フィジカル・ディスタンスが保たれている場合は適宜マスクをはずすことが推奨されているが、約半数の人がこのことを知らないようだ。

年代別にみると、「知らなかった」と回答した人の割合は若い年代ほど高くなる傾向がみられ、10代では58.4%、20代では59.6%だった。

熱中症のなりやすさに関して聞いたところ、≪暑さに慣れていないと熱中症になりやすいこと≫についての認知率は70.2%となった。徐々に暑さに慣れることを“暑熱順化”といい、この暑熱順化がうまくできていないと、熱中症のリスクが高まる。この関係性については、全体の7割が認知している結果となった。

≪肥満だと熱中症になりやすいこと≫の認知率は36.4%、≪乳幼児は熱中症になりやすいこと≫は50.4%、≪高齢者は熱中症になりやすいこと≫は73.4%となった。

「熱中症になったという自覚がある」は約2割の一方、「暑さによって何らかの不調を経験した」は7割半

熱中症の経験について質問した。

全回答者(1,000名)に、自身が熱中症になったことがあるか聞いたところ、「ある」は23.2%、「ない」は76.8%となった。“熱中症になった”という自覚がある人は約2割にとどまった。性年代別にみると、熱中症になったという自覚がある人の割合は、10代男性(36.1%)と20代女性(34.9%)が高くなった。

では、暑さによって何らかの不調を経験したことがある人はどのくらいいるのだろうか。

“暑さによって引き起こされたからだの不調”を自覚したことがあるか聞いたところ、「ある」は74.8%となった。“熱中症になった”という自覚がある人は少数派だった一方で、多くの人が暑さで不調を感じている実態が明らかとなった。

性年代別にみると、「ある」と回答した人の割合は男女とも10代が最も高く、10代男性は86.7%、10代女性は85.5%だった。

熱中症になったことがないと回答した人(768名)に、“暑さによって引き起こされた不調”で自覚したことがあるものを聞いたところ、「めまい・立ちくらみ」(36.3%)が最も高く、次いで、「からだのだるさ」(27.6%)、「顔のほてり」(26.6%)、「喉の異常な渇き」(22.3%)、「頭痛」(15.6%)となり、熱中症の症状にあてはまる何らかの不調を自覚したことがある人の割合は68.5%だった。

“熱中症になった”という自覚がなくても、実際は熱中症が疑われる症状を経験していた人は多いようだ。重度の熱中症を防ぐには、熱中症により引き起こされる症状を把握し、初期症状を自覚したらすぐに対処することが大切だ。

自分は大丈夫という過信は禁物! 「熱中症にならない自信がある」5人に1人、10代男性では3人に1人

全回答者(1,000名)に、“熱中症にならない”という自信があるか聞いたところ、「ある」は20.9%、「ない」は79.1%となった。“熱中症にならない”と過信して熱中症対策を十分に行っていない場合、熱中症になるリスクが高まる。
性年代別にみると、「ある」と回答した人の割合は男女とも10代が最も高く、10代男性は32.5%、10代女性は21.7%だった。

「暑い時期に熱中症対策を行っていない」3割

続いて、熱中症の対策について質問した。

全回答者(1,000名)に、暑い時期に熱中症対策を行っているか聞いたところ、「行っている」は69.5%、「行っていない」は30.5%となった。

では、どのような熱中症対策を行っている人が多いのだろうか。暑い時期に熱中症対策を行っている人(695名)に、どのような対策を実施しているか聞いたところ、「水分をこまめにとる」(79.1%)が最も高く、次いで、「扇風機・エアコンを使用」(54.5%)、「涼しい服装をこころがける」(54.0%)、「塩分補給をする」(38.3%)、「帽子を着用」(38.0%)となった。

熱中症対策として、水分・塩分の補給のほか、からだの中に熱をためないように注意をしている人が多いようだ。そのほか、「温湿度計の使用」は16.5%と、6人に1人が実践している熱中症対策として挙げた。温度や湿度を確認しながら生活することで、熱中症になるリスクを下げることができるが、実践している人は少数派であることがわかった。

熱中症に対する知識 「熱中症になったときの対応・処置を知らない」5割、「熱中症について学んだことはない」6割

全回答者(1,000名)に、熱中症になったときの対応・処置を知っているか聞いたところ、「知っている」は49.7%、「知らない」は50.3%と、双方が拮抗する結果となった。

年代別にみると、「知らない」と回答した人の割合は30代(57.1%)と40代(56.5%)が高く、6割近くになった。

また、熱中症について(症状や対応・処置などを)学んだことがあるか聞いたところ、「ある」は39.5%、「ない」は60.5%となった。
年代別にみると、「ない」と回答した人の割合は、年代が上がるにつれ高くなる傾向がみられ、40代以上(40代73.2%、50代72.3%、60代72.3%)では7割以上となった。

「新型コロナウイルス感染症拡大で、自宅で過ごす時間が増えた」7割強、暑熱順化の不足が懸念される結果に

新型コロナウイルス感染症拡大による生活の変化について質問した。

全回答者(1,000名)に、新型コロナウイルス感染症拡大によって、≪自宅で過ごす時間≫にどのくらい変化があったか聞いたところ、「非常に増えた」は39.9%、「やや増えた」は31.8%で、合計した『増えた(計)』は71.7%となった。

自宅で過ごす時間が長くなると、暑熱順化に遅れが生じて急な暑さにからだがついていかず、熱中症のリスクが高まってしまうおそれがある。年代別にみると、『増えた(計)』と回答した人の割合は、10代(84.4%)が最も高くなった。

また、≪自宅で運動(ヨガや筋トレなど)をする時間≫にどのくらい変化があったか聞いたところ、『増えた(計)』は26.8%となった。外出自粛が要請されるようになってから、自宅での運動を習慣にするようになった人は少なくないようだ。ただ、運動をすると体感温度が上がりやすいため、屋内で運動をする際は、十分に熱中症対策をしたうえで取り組むことが必要だ。

年代別にみると、『増えた(計)』と回答した人の割合は若い年代ほど高い傾向がみられ、10代では40.9%となった。

「屋外で十分な距離が確保できる場合もマスクを着用しようと思う」約6割

全回答者(1,000名)に、今年の夏のマスク着用意向について質問した。

夏になってもマスクの着用を続けようと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」は26.8%、「ややそう思う」は48.2%で、合計した『そう思う(計)』は75.0%となった。猛暑日でもマスクを着用しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は60.7%となった。

また、屋外でのマスク着用について、屋外で十分な距離が確保できる場合もマスクを着用しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は56.8%となった。夏に外で運動(ウオーキング・ジョギングなど)をする際もマスクを着用しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は42.4%となった。高温・多湿の環境下、直射日光を浴びる屋外で、体温が上昇する運動の最中もマスク着用を継続しようとすることは、熱中症リスクの増大に繋がる。

「夏にエアコンをつけていてもこまめに換気しようと思う」7割、換気時には熱中症対策にも意識を向ける必要あり

続いて、全回答者(1,000名)に、今年の夏のエアコン利用について質問した。

まず、夏になっても極力自宅で過ごすようにしようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は74.0%となった。

屋内の換気について、夏にエアコンをつけていてもこまめに換気しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は70.8%となった。換気を繰り返すことで室内温度が上がりやすくなってしまい、エアコンをつけていても熱中症のリスクが高まるおそれがある。そのため、エアコンがついている場合でも、室内の温度や湿度に気をつけるなど、熱中症対策を意識した過ごし方が大切になる。

また、夏は室内温度を28℃以下に保つようにしようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は67.4%となった。

ここで、今年の夏は室内温度を28℃以下に保つようにしようと思っている人(674名)に、エアコンをつけるときは設定温度を28℃にしようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は56.5%となった。クールビズで目安とされている“室温28℃”を、“エアコンの設定温度28℃”と理解してしまっている人が多いのではないだろうか。

「自宅より職場のほうが快適」在宅勤務予定者の6割強

最後に、今年の6月以降に在宅勤務をすることがある人(333名)に、在宅勤務中の過ごし方について質問した。

自宅より職場のほうが快適な環境(温度や湿度など)だと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は61.8%となった。

また、在宅勤務中は水分補給を忘れがちになっていると思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は52.8%となった。さらに、在宅勤務の際は、電気代の節約のためエアコンの利用を極力控えたいと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は54.3%となった。

水分補給を忘れてしまったり、エアコンを使わないことで室内温度が高くなってしまったりすると、熱中症のリスクが高まる。在宅勤務中も、適時水分補給を行うことや、室内温度を28℃以下に保つよう適切なエアコン利用をこころがけることが、熱中症予防には有効だ。

今夏は、新型コロナウイルス感染症予防のための“新しい生活様式”における熱中症対策を確認し、適切なマスクの着用やエアコンの利用などを意識的に行って、十分に注意していく必要があるのではないだろうか。

注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、単一回答形式の質問の場合、内訳の計と合計が一致しない場合や、全ての内訳を合計しても100%とならない場合がある。

※タニタ調べ

<調査概要>
調査タイトル :熱中症に関する意識・実態調査2020
調査対象 :ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする
全国の15歳-69歳の男女
調査期間 :2020年6月5日-6月8日
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
有効回答数 :1,000サンプル
実施機関 :ネットエイジア株式会社

出典元:株式会社タニタ

構成/こじへい

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