2020年8月20日に発売することが発表された「Google Pixel 4a」。昨年10月に発売されたPixel 4の廉価版という位置づけとなっており、Google Storeか、ソフトバンクにて4万2900円(税込)と比較的安価に購入可能。大画面ディスプレイが流行ともいえる中、わずか約5.81インチとコンパクトなサイズ感となっている。iPhone 7やiPhone 8を使用しているが、画面サイズや価格の関係から最新のiPhoneに買い替えられていないという人の、乗り換え候補にもなり得る端末だ。一足先に、実機を試す機会を頂いたので、その使用感なども詳しく紹介していこう。
試してわかったPixel 4aのシンプルな扱いやすさ!
早速、Pixel 4aを実際に試してわかった使用感や操作性について紹介していこう。ソフトウエア・ハードウエアともにGoogleが開発しているということもあり、シンプルながら使いやすい印象の端末だ。
コンパクトで持ちやすい本体サイズ
まずは本体デザインやディスプレイ性能について。Pixel 4aは144.0㎜×69.4㎜×8.2㎜、ディスプレイは約5.81インチと、大画面のスマホが流行となっている昨今としては、比較的小さなボディとなっている。本体のサイズに加え、質量は約143gと軽量であることから、片手での操作もしやすく、持ち運びも快適だった。iPhone 7やiPhone 8を使用しているものの、大画面のスマホに抵抗があり、なかなか機種変更できないという人にもピッタリなのではないだろうか。
ディスプレイ解像度は1080×2340のFHD+で、発色の良い有機ELディスプレイが採用された。Pixel 4と比較すると、インカメラがパンチホール型になったこともあり、本体サイズに対する画面占有率も向上したことがわかる。なお、カラーバリエーションは「Just Black」のみ。Pixel 4にはあった「XL」サイズもなく、1モデルのみ、単一カラーの販売となっている。
※左がPixel 4a、右がPixel 4。ボディサイズはPixel 4aのほうが小さいが、ベゼルを細くすることでディスプレイサイズは大きくなっている。
12.2MPのシングルレンズカメラ
背面カメラには、12.2MPのシングルレンズが搭載。Pixel 4から望遠カメラを省いた形になっている。しかし、Google曰く、「カメラの性能は上位モデルとほぼ同じ程度」とのこと。実際に撮影してみると、確かに基本的な映りの良さに加え、デュアル露出補正機能で明るさを好みに調節したり、ポートレート撮影やパノラマ撮影、タイムラプスにも対応している優れたものだった。
特に紹介したいのが夜景モードで、明かりの少ない場所でもしっかりと光を取り込み、暗い部分と明るい部分のどちらもしっかりと映し出せている印象。Pixel 4でもその高性能が話題となった夜景モードだが、ミドルレンジクラスになってもしっかりと踏襲されているようだ。
※かなり小さいフィギュアも、自動で焦点を合わせてくれるので、鮮明に撮影できた
シンプルで使いやすいGoogle純正スマホ
多くのAndroidスマホには、Androidの標準アプリとともに、各メーカーのアプリがプリインストールされており、ホーム画面がごちゃごちゃしている場合もある。Pixelシリーズは、ハードウェア・ソフトウェアともにGoogleが開発している端末となっているため、そのような心配はなく、Pixel 4aにも当然このシンプルさは踏襲されている。
また、Pixelシリーズを初めて使用するという人にもありがたいのが「Pixelガイド」というアプリがプリインストールされている点。操作方法や設定方法がわからないという人も、このアプリを確認すればPixelを簡単に使いこなせるだろう。
ソフト・ハードともにGoogleが開発しているメリットとして挙げられるもう1つのポイントは、ソフトウエアのアップデートに最低3年対応している点。新しい機能を使うためにスマホを買い替える必要はなく、同じ端末を長く利用したいという人にもおすすめだ。
3140mAhのアダプティブバッテリーを搭載
バッテリー容量は3140mAhと、決して大容量とはいえないサイズとなっている。しかし、このバッテリーは「アダプティブバッテリー」というもので、ユーザーのスマホの使用状況を学習していき、使用しないアプリに割くバッテリーを削減し、電池持ちを長くするというもの。これにより、バッテリーは最大24時間持続するという。
Snapdragon 730搭載の高い処理性能
スマホの処理性能に関わるチップであるCPUは、「Snapdragon 730」というものを搭載。ミドルレンジスマホとしてはかなりの高性能で、実際に重い負荷のかかる、3Dアニメーションを伴ったゲームをいくつかプレイしてみたが、問題なく動いた。複数の重いアプリを同時に起動するといった使い方をしなければ、ストレスなく利用できるだろう。
本体上下のスピーカーが立体的な音を生み出す
※本体下部には、USB Type-Cコネクタを挟むようにスピーカーから出る音の出口が2つ内蔵されている
動画や音楽を楽しむために重要なスピーカーは、本体の上下に設置されている。そのため、スマホを横画面表示にすると左右から音が聞こえ、立体的なサウンドを感じられた。映画をスピーカーモードで視聴してみたが、奥行きがしっかりと感じられる、スマホとしてはかなりの高音質が楽しめた。
イヤホンジャックが復活! おサイフケータイや指紋認証に対応
Pixel 4では廃止されていたイヤホンジャックだが、Pixel 4aでは本体上部に採用された。有線イヤホンを使用しているユーザーにも嬉しい配慮だろう。加えて、交通系ICやWAON、iDといったおサイフケータイにも対応している。
また、Pixel 4からの変更点として、ディスプレイ上部に搭載されたセンサーによる顔認証のみであったのに対し、Pixel 4aは、パンチホール型のインカメラを搭載し、上部のセンサーを廃止したこともあり、生体認証は本体背面の指紋センサーで行う。コロナ禍の影響でマスクを着用する機会が増えた昨今、マスクを外さなくとも、指紋でロック解除ができるのは使い勝手が良い印象だ。
4万2900円で購入可能なGoogle純正ミドルレンジスマホ
シンプルな操作で使いやすいPixel 4a。高いカメラ性能や処理能力を搭載しながら、4万2900円で購入可能と、コスパに優れた端末となっている。カラーバリエーションはJust Blackのみ、サイズも1サイズにしたり、センサーや望遠レンズを非搭載とすることで、これだけの低価格を実現できたのではないだろうか。
冒頭でも触れた通り、iPhone 7やiPhone 8からの乗り換え端末を探しているユーザーにとって、価格や性能で見ても有力候補になり得るPixel 4a。8月14日から予約開始となっているので、ぜひ多くの人に手にしてほしい1台だ。
Pixel 4aの詳細スペック
ディスプレイ:フルスクリーン 147.6 mm (5.81 インチ) パンチホール付きディスプレイ
FHD+(1080×2340)OLED、443 ppi、アスペクト比 19.5:9
サイズ・質量: 高さ144mm×幅69.4mm×奥行き8.2 mm・143g
バッテリー容量: 3140 mAh 18W急速充電対応
メモリ/ストレージ:6GB/128GB
プロセッサ: Qualcomm Snapdragon 730G 2.2 GHz + 1.8 GHz、64 ビット オクタコア
背面カメラ: 12.2 メガピクセル(デュアル ピクセル)
前面カメラ: 8 メガピクセル
ボタンとポート:USB Type-C 3.1 Gen 1 • 3.5 mm オーディオ ジャック • 電源ボタン • 音量調節
取材・文/佐藤 文彦