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社名や作品名などに使われている『ユリイカ』という言葉には、どのような意味があるのでしょうか?ユリイカの意味や語源・使い方などを紹介します。また、実際にユリイカが使われている身近な作品や番組についても紹介するので、チェックしてみましょう。
ユリイカの語源と意味
ユリイカは、どの国の言葉なのでしょうか?ユリイカの語源や意味について紹介します。
古代ギリシャ語で「分かった」の意
ユリイカの語源は古代ギリシャ語で、『分かった』という意味です。また、ユリイカには、『見つけた』『発見した』という意味もあります。
具体的には、何かが分かったときや見つけたときの歓喜を表現する『感嘆符』として使われることが多いです。例えば、仕事で斬新なアイデアが浮かんだとき、答えが分からず苦戦していた数学の問題が解けたときなどに「ユリイカ!」が使えます。
エウレカやユーレカと書く場合も
ユリイカは、『エウレカ』や『ユーレカ』と表記されることも珍しくありません。これは、ユリイカの語源と深く関係しています。
ユリイカは古代ギリシャ語で『εὕρηκα』と表記します。これは『見つける』『発見する』という意味を持つ動詞『εὑρίσκω』の変化形です。また、英語では『eureka』と表記されます。
そのため、言語によって英語表記の『eureka』を基にしたユーレカや、古代ギリシャ語の『εὕρηκα』を基にしたエウレカなど、複数の読み方や表記があるのです。
アルキメデスのエピソードでも知られる
ユリイカという言葉が広く知られている理由の一つが、アルキメデスのエピソードです。どのようなエピソードだったのでしょうか?
アルキメデスは古代の数学者
アルキメデスはシチリア島のシラクサ出身で、古代ギリシャを代表する数学者です。物理学者や天文学者・発明家としても活躍していました。『てこの原理』を発見したアルキメデスが、「地球以外の支点があれば、地球でも動かせる」といった逸話も有名です。
また、留学先のエジプトでは、水をくみ上げる『アルキメデスの水車』も発明しています。ローマ軍がシラクサに攻め込んできたときには、アルキメデスが発明した『投石器』や『凸面鏡』など、さまざまな武器が防戦に役立ったとされています。
しかしながら、シラクサはローマ軍との戦いに破れてしまいました。アルキメデスは浜辺に図形を描いて考え込んでいる最中に、ローマ軍の兵士に刺し殺されてしまったのです。
浮力を発見したときに叫んだとされる
アルキメデスの有名な発見の一つが、浮力に関する物理学の法則です。これは、『アルキメデスの原理』と呼ばれています。
アルキメデスは、王様から金の王冠が純金かどうかを調べるように命じられました。王冠を壊さずに調べる方法を考えていたアルキメデスは、入浴中に解決策がひらめき、あまりのうれしさに『ユリイカ!』と叫びながら裸で町中を駆け回ったといわれています。
アルキメデスがひらめいた解決策は、王冠と同じ重量の純金のかたまりと王冠を水に沈め、王冠が純金でない場合はこぼれる水の量が多くなるというものでした。
身近な作品やタイトルなどにも利用
日ごろ目にする身近な物にも、ユリイカという言葉が使われています。ユリイカが利用されている作品や番組を紹介します。
現代詩・文学の専門誌「ユリイカ」
老舗の現代詩と文学の専門誌である『ユリイカ』は、昭和23年に設立された出版社『書肆(しょし)ユリイカ』によって発行されていました。現在は、『青土社』によって発行されています。
書肆ユリイカでは、戦後に生きる若い詩人たちに着目し、詩集を出版していました。創立者は多くの若い詩人たちと会い、励ましていたといわれています。見つけるという意味があるユリイカの言葉通り、才能ある若い詩人たちを数多く発掘し、世に送り出していたのです。
現在は、現代詩や文学だけでなくサブカルチャーなど新たな領域にも意欲的に取り組み、常に『新しい発見』を提供し続けていると定評があります。
サカナクション「ユリイカ」
2014年にリリースされた、アーティスト・サカナクションのシングルのタイトルが、『ユリイカ』です。映画のエンディング曲にも起用され、オリコンチャートでも上位を獲得した曲なので、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
ユリイカは独特なゆるふわ感のあるエレクトロニックなサウンドが特徴で、インパクトのあるプロモーションビデオも話題になりました。
東京を歌った曲ですが、歌詞にはユリイカという言葉は出てきません。しかし、歌詞やプロモーションビデオからは、大都会の生活で揺れ動く心情や気付きを感じ取ることができるでしょう。
NHK Eテレ「又吉直樹のヘウレーカ!」
『又吉直樹のヘウレーカ!』は、お笑い芸人でもあり文学作家としても活躍している又吉直樹が進行を努める教養バラエティ番組です。日々の暮らしの中に潜む「どうして?」という疑問を解決するのがコンセプトです。
テーマは、自然科学・社会科学・物理学・天文学・心理学など多岐に渡ります。例えば、心が疲れると夜空を見上げてしまう理由など、日常生活で誰もが感じる疑問に迫ります。
毎回、「なるほど!」「そういうことか!」という発見があるのが番組の魅力です。2021年3月24日で終了。
構成/編集部