SNSの普及や動画投稿サイトの流行、そしてパソコン/スマートフォンの性能向上に伴い、音楽を手軽に制作・編集できる時代になりました。そんな現代において、音声データの切り貼りや結合、エフェクトの挿入などが可能な音楽編集ソフトの需要はますます高まっています。さらに、これらの作業をスマートフォンで手軽にできるアプリも多数登場。そこで今回は、音楽編集ソフト/アプリの選び方やおすすめを紹介しましょう。
音楽編集ソフト/アプリの選び方
パソコン向けの音楽編集ソフトでも、スマホ/タブレット用アプリでも、何をやりたいかを明確にしておくことで自分に適したものを見つけやすくなります。使用目的に応じて必要な機能は異なるため、用途が定まればおのずと選択肢が絞られるからです。
自分で演奏した音源を編集したい場合は録音機能つきのソフト/アプリがおすすめ
自分で演奏した音楽や音声を編集したい方は、録音機能があるものを選びましょう。中には楽器がなくとも楽曲制作ができる音楽編集ソフト/アプリもあります。
【音楽編集ソフト/アプリの選び方】WAVやMP3などのファイル形式/対応OSとバージョン/カットやエフェクトなど搭載機能も要チェック
音楽編集ソフトとアプリは製品ごとに、機能/対応フォーマット/OS・バージョンなどが異なります。まず、ソフトの対応OS(Windows、Macなど)や、Android版かiPhone版か、そして対応するバージョンをチェックしましょう。
また、対応している音声ファイル形式(フォーマット)も確認したいところ。音声データにはWAV/MP3/AACなど様々なフォーマットが存在し、それぞれ音質やデータ容量に違いがあります。編集した音源を複数人で共有したり、どこかで音源を流したい時などは、ファイル形式の確認は必須です。
前述したように、ソフト/アプリごとに搭載している機能も異なります。音源の一部を切り取る「トリミング」、音源を2つ以上に切り分ける「カット」、音源の音量を徐々に変える「フェードアウト/フェードイン」、リバーブなどの「エフェクト」など、自分が必要な機能をきちんと備えているか確認しましょう。
著作権についても要チェック!
既存の楽曲を編集し公開したい場合、目的や利用方法によっては権利者(または管理団体)に許諾を取らなければいけない場合もあります。
例えばJASRAC管理楽曲の場合、YouTubeやInstagramなどはサイトの運営側で許諾手続きを行っていますが(2020年7月時点)、追加で許諾が必要なことも。著作権管理団体のサイトを確認し、自分の用途は申請が必要かどうかを確認しましょう。
パソコン向け音楽編集ソフトのおすすめ
まずは、パソコン向けの音楽編集ソフトを紹介。手軽に音楽編集を楽しめるフリーソフトと、機能豊富な有料版をそれぞれ紹介します。将来的に本格的な音楽制作/楽曲編集を行いたい方は、有料版を検討しても良いでしょう。
まずはフリーソフトでお手軽に! 無料で使える音楽編集ソフト
無料版の音楽編集ソフトでも、機能性が充実しているものは多数あります。また、有料版ソフトの体験版や無料版もおすすめです。
録音機能も備えたフリーソフト「Audacity」
「Audacity」は、編集だけでなく録音もできるソフト。切り取り/コピー/貼り付けといった基本的な機能はもちろん、ノイズ除去機能なども利用可能。波形を見ながら直感的な操作が可能です。
対応しているファイル形式は、MP3/WAV/AIFF/AU/FLAC/Ogg。FFmepgというソフトウェアを併用すると、M4A/AC3/Opus/WMAも利用できます。
【参考】Audacity
シンプルで使い方が簡単な「mp3DirectCut」
MP3ファイルに対応した編集ソフト「mp3DirectCut」も、人気のフリーソフト。シンプルな機能だけあれば十分という方におすすめです。音声データの分割と結合に特化しているため、初めて使う方でも使いやすいでしょう。また、フェードイン/フェードアウトなども備わっています。データが劣化しない点も特長です。
Macユーザー必見の音楽編集ソフト「GarageBand」「Logic Pro X」
Macユーザーには、Appleが提供している「GarageBand」「Logic Pro X」をおすすめします。
ビギナーにもおすすめの標準搭載ソフト「GarageBand」
Appleデバイスに標準搭載されている音楽編集ソフトの「GarageBand」(ガレージバンド)は、無料ソフトでいて編集だけでなく作曲・アレンジもできます。機能が充実しているため、プロミュージシャンで愛用している方も多いですが、機材に関する専門的な知識がないビギナーの方でも作曲・音楽編集の楽しさを堪能できるソフトです。
コスパ抜群! 有料の音楽編集ソフト「Logic Pro X」
「Logic Pro X」は有料ソフトですが、フルバージョンでも2万4000円(税込み)で入手できるコスパの高いソフト。Mac上のLogic Pro XをiPhoneやiPadでリモート操作できる「Logic Remote」機能など、直感的な操作が可能で、プロ/アマともに人気があります。また90日間のフリートライアル版もあり、機能無制限で利用できます。
Logic Pro Xフリートライアル版(ダウンロードページ/Apple)
機能充実! 有料版の音楽編集ソフトの定番「Cubase」
世界中で愛用されている「Cubase」は、オーディオ編集/作曲/シーケンス/ビートメイキング/録音/ミキシングなど幅広い作業が可能で、機能豊富な音楽編集ソフトです。操作のしやすさにも定評があり、プロだけでなく初めて音楽制作に挑戦する方にもおすすめです。グレードはElements(1万3200円)/Artist(3万5200円)/Pro(6万2700円)の3種類。
また、iPhone/iPad/Androidに対応しているスマートフォン/タブレット用アプリ「Cubasis」もあります。
スマホやタブレットにおすすめの音楽編集アプリ
続いて、手軽に利用できるスマホ/タブレット向けの音楽編集アプリを紹介します。
iPhone/iPadユーザーにおすすめの音楽編集アプリ「GrageBand」
パソコン向け音楽編集ソフトでもご紹介した「GrageBand」は、アプリ版もあります。出先でふといいアイデアが思いついた時も、さっと作曲・編集がおこなえてとても便利。使いやすさと充実した機能性が魅力です。
無料かつ機能がシンプル! Android向け音楽編集アプリ「MP3カッター」
音源の分割など、機能がシンプルなものが良いという方には「MP3カッター」がおすすめ。MP3音源の分割やトリミングができる無料アプリで、波形を見ながら直感的に操作できます。フェードアウト/フェードイン機能や、SDカードへの保存機能も備えています。
パソコン用もスマホ用も! 使いやすく機能豊富な音楽編集ソフト/アプリ「WavePad」
「WavePad」はパソコン向けの音楽編集ソフトとしてお馴染みですが、スマホ向けのアプリ版も無料で提供されています。音声の録音・編集・エフェクトの挿入・ノイズ除去など、無料ながら豊富な機能を備えています。MP3/WAV/AIFFなど幅広いフォーマットに対応し、メールやSNSでのデータ共有も可能です。
Windows10やMacなど……パソコン向けの音楽編集ソフト「WavePad」の特長
パソコン用ソフトはプロ級の本格的な編集が可能です。基本的な編集作業だけでなく、ノイズ除去やボイスチェンジなども可能で、エフェクトも多彩。また、自主規制音(ピー音)を挿入できます。対応フォーマットはMP3/WAV/VOX/GSM/WMA/AU/AIF/FLAC/real audio/OGG/AAC/M4A/MID/AMRなど。有料ソフトですが、体験版は無料で利用できます。
【参考】WavePad
※データは2020年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/bommiy