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「空想の力」で憂鬱を解消!?ショートショート作家・田丸雅智氏に聞く月曜日を楽しむヒント

2020.08.17PR

◆高橋晋平の憂鬱な月曜日を楽しくする研究会

日本には、休日明けの月曜が嫌いな人が多すぎる……。その現状を改善するため、月曜日を楽しくしたい人のコミュニティ「月曜クラブ(通称:月ク)」が立ち上がりました。この連載では、月曜日の憂鬱を減らし、一週間を楽しく過ごす方法を研究、紹介していきます。

※「月曜クラブ(月ク)」にご興味のある方は、Facebookをフォローしてみてください。
Facebook 月曜クラブ(月ク)https://www.facebook.com/getsuyouclub/

今回は、ショートショート作家、田丸雅智さんと、どうすれば月曜日の憂鬱がラクになるかについて語り合ってみました。ショートショートとは、小説の中でも特に短い作品のこと。その世界の中に、どんなヒントがあるのでしょうか。

田丸雅智(たまる まさとも) ※写真左、本文中では敬称略
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。現代ショートショートの旗手として執筆活動に加え、坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務める。また、全国各地で創作講座を開催するなど幅広く活動している。ショートショートの書き方講座の内容は、2020年度から使用される小学4年生の国語教科書(教育出版)に採用。17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。メディア出演に情熱大陸、SWITCHインタビュー達人達など多数。
田丸雅智 公式サイト:http://masatomotamaru.com/

ショートショート作家になった理由

高橋:どういう流れで「ショートショート作家」になったんですか?

田丸:もともと小さい頃は工作とか、何かを生み出すのが好きで、ものづくり系の道に進んで理系の勉強をしていたんですが、例えば科学法則って変えられない縛りが多かったりして、ちょっと向き合うのがしんどくなってきたんですね。一方その頃すでに、何となく趣味でショートショートを書き始めていて、科学法則に比べたら自由だなあ、いいなあ、って思って。重力に縛られるより、空を飛んだりできる空想の世界に行きたいなあと。

高橋:なるほど。そういえば僕も大学で理系の研究に行き詰まって、その頃から落語や漫才とかのお笑いを夢中でやり始めましたしね。田丸さんは、いろいろある中でなぜショートショートを選んだんですか?

田丸:実は小学校の頃から本を読むのがすごく苦手だったんです。小6のときに親にショートショートを薦められて、読んでみたら短いから読めて、こんなに面白い世界があるのか、と。それから、小・中・高と、ショートショートというジャンルを読み漁っていました。

高橋:本って、人に合う長さがあると思うんです。僕は奥田英朗さんの小説が大好きでそればっかり何度も繰り返し読んでいるんですが、奥田英朗さんの小説って、短編が集まったものも多いんです。そもそもハマったきっかけがそれで、僕にはその長さがぴったりだったんですよね。でも、この長さだと物足りないという友人もいますし。

田丸:本って、長さもジャンルも、一人一人の性格に合ったものがあるんですよね。小説の世界だと、長編の方がすごいみたいな風潮がどこかあるんですけど、読書に苦手意識があっても、短いものだったら読める人はたくさんいるんですよね。そんな人たちに読書とか空想の楽しさを知ってもらえるようにアプローチを続けていきたいと思っています。

月曜日をテーマにショートショートを書いてみた

高橋:実は僕、田丸さんがやられている「ショートショートガーデン」に、ついさっき、月曜にまつわるショートショートを2つ書いて投稿してみたんです。

田丸:そうなんですね!

高橋:良かったら、今から読んでみていただけませんか?

田丸:ぜひぜひ。

高橋:これなんです。


月曜スイッチ その1 高橋晋平

僕は休み明けの月曜が大嫌い。会社でも進捗会議があるし、上司にピリつかれるし、本当に行きたくない。月曜なんてなくなればいい。

ある日、ネット通販で、「月曜消滅スイッチ」というものを見つけたので、買ってみた。

押すと、月曜がなくなり、火曜が大嫌いになった。

今度は、「火曜消滅スイッチ」というものを見つけたので、買って押すと、火曜もなくなり、水曜がつらくなった。

新しいスイッチを買って、水曜、木曜、金曜、となくしていったら、土曜と日曜だけになった。

土曜と日曜が繰り返す世界は地獄のようだった。


田丸:面白いじゃないですか!

高橋:本当ですか? その2もあります。


月曜スイッチ その2 高橋晋平

僕は休み明けの月曜が大嫌い。会社で進捗会議があるし、上司もピリついていて、本当に行きたくない。月曜なんてなくなればいい。

ある日、ネット通販で、「他の曜日のツラさを月曜に集中させるスイッチ」というものが売っていた。

これ以上月曜がつらくなるのは怖かったが、買ってみた。

スイッチを押したが、生活が何一つ変わらなかった。しかしなぜか、月曜が少し好きになった。


田丸:なるほど~!

高橋:この連載、もう3年ほど続いていて、その間いろいろな人に月曜を楽にするヒントを聞いてきたんですが、あえて分類してみると、例えば、

好きな食べ物とか楽しみを用意しようという「ごほうび派」
嫌ならやめて別のことをすればいいという「やめちゃえ派」
土日も平日も変わらず過ごせばいいという「境目なくせ派」

とか、いろんな考え方があるんですよね。そんな中、僕が今イチオシの考え方が、「月曜がつらいのは当たり前」っていう考え方なんです。むしろ、救いなんじゃないかっていう。月曜がつらい日として存在してくれているから、他に幸せな日を感じられて、ちょうどいい波になっているんじゃないかと。だから、月曜の憂鬱を何らかの方法で打ち消したら、他の日にしわ寄せが来るのかもしれないなと思ってて。だから、月曜はもうみんな嫌な日として、みんなで「ヤダよね~!」ってグチを言い合う日にして、受け入れたらいいのかなって考えてるんです。

田丸:それがこの2篇に現れてますよね。「その1」では、まさにしわ寄せがくるっている話が皮肉で表現されているし、「その2」はラスト一文が好きですね。「月曜が好きになった」っていう。月曜の見方が変わるかもしれないなっていう希望を感じさせるところがいいなと思いました。

月曜日が嫌な人へ、ヒントはありますか?

高橋:田丸さんは、今までの人生で、休み明けとか月曜日が嫌だった時代はありますか?

田丸:あまりないんです。例えば今だったら、土日も楽しく原稿を書いているし、平日と休日の境目をあまり感じないタイプなんですよね。

高橋:やっぱり「平日と休日の境目を意識しない」のがいいと言うタイプの方はよくいますね。僕は土日完全オフにしていて、月曜が来ると「だるいな~!」と思うタイプなんですが、まあ、これって人それぞれですよね。

田丸:はい。それこそ、自分に合う本の話と一緒で、生活のリズムも一人一人自分に合うものは違うんですよね。その、自分に合う生活のリズムを掘り下げて考えてみるのはいいかもしれませんね。

高橋:全国の、月曜がつらいという社会人の方々に向けて、他にも何かこうすればいいんじゃないかっていうヒントはありますか?

田丸:やっぱり空想の力ってすごいと思うんです。ごまかしでもいいから、人生の中で上手く空想を使っていくべきだなと思います。「もしかしたら次の月曜日にはこんないいことが起こるかもしれない」とか、月曜日を勝手に想像して遊んでみる。それを繰り返していると、本当に月曜日の見方が変わってくると思います。先ほど高橋さんが書いてくださった作品もそうですが、例えば「月曜とは悪の組織なのだ」、みたいな物語を想像すれば、月曜はつらくてもしょうがないよね、っていう捉え方に変わるかもしれないし。それを、想像するだけでもいいんですが、ぜひ文章にして書いてみて欲しいんですよね。

高橋:本当にそうだと思います。書く、って、すごいことですよね。頭で思い浮かべるより、本当にそうなのかもしれない、って、より思えてくる効果があるんじゃないかと。それが、ショートショートだと、誰でも書きやすい。もしかしたら、月曜を素材にして書いた作品にSNSで「いいね」がついたりしたら、月曜が味方になるかもしれないですしね。

田丸:アウトプットって、ストレスなどの解消や発散になると言われるんですが、書くっていう行為には人生を変える力があると思います。例えば日曜日の夜などに、自由な空想の文章を書いてみてはいかがでしょうか。

【聞き手】
高橋晋平(たかはし しんぺい)
株式会社ウサギ代表取締役、おもちゃクリエーター。この世のすべてを「遊び化」することを考え、月曜日を楽しくする方法の研究もしている。次にやりたい企画を作るオンラインセミナー「IDEA of LIFE」主宰。近著に『企画のメモ技』(あさ出版)。Twitter : https://twitter.com/simpeiidea

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