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テレワークやモバイルワークの通信料金が高い!を解消する、"SIMフリー"モバイルWi-Fiルーター「+F FS040W」に注目

2020.08.07

テレワークでの「インターネット回線」という課題

 2020年4月〜5月の緊急事態宣言下では、多くの人が自宅でのテレワークやリモートワークを求められていたが、ここに来て、新しいワーキングスタイルとして、いよいよ本格的にテレワークを中心とした業務を推奨する企業が増えてきている。

 こうしたテレワークで働いていくうえで、ひとつのが課題となるのがインターネット環境だ。すでに、自宅に光回線やケーブルインターネットの回線が敷設されていれば、そのまま利用することになるが、ひとり暮らしのビジネスパーソンなどは、インターネット接続をスマートフォンのテザリングなどで済ませてきたケースが多く、テレワークやリモートワークが増え、データ通信量が急増してしまったという人も少なくない。

 こうした状況に対し、最近、再び需要が増えているのがWi-Fiルーターだ。かつてはモバイルワーカーの必須アイテムとして、各携帯電話会社が販売するモバイルWi-Fiルーターが高い人気を得ていたが、スマートフォンのテザリングが普及したことで、最近は契約数も落ち込み、人気に陰りが見えてきていた。

 ところが、テレワークでデータ通信量が増えてきたことで、あらためてモバイルWi-Fiルーターやホームルーターの導入を検討するユーザーが増えてきている。もちろん、スマートフォンのテザリングでも対応できるが、長時間のテザリング利用で、スマートフォンのバッテリーを消費してしまい、いざという時に音声着信に応答できなかったり、端末が熱を持ってしまうことも少なくない。その点、新たにモバイルWi-Fiルーターを用意し、普段はそちらを使っておき、スマートフォンのテザリングはモバイルWi-Fiルーターが利用できない時などの『スーパーサブ』的に使うわけだ。

SIMフリー対応モバイルWi-Fiルーターに注目

 では、どんなモバイルWi-Fiルーターを選ぶか。まず、各携帯電話会社のモバイルWi-Fiルーターを契約する方法が考えられるが、国内各社は今年3月に5Gサービスをスタートさせたばかりで、5G対応のモバイルWi-Fiルーターは機種数が少なく、価格も高めだ。もちろん、これまでの4G対応製品も販売しているが、かつてのような端末購入時の割引(端末購入補助)がなく、追加の回線契約となるため、データ通信専用プランとは言え、月々の利用料金の負担はやや大きい。

 これに対し、最近増えてきているのがオープン市場で販売されているSIMフリー対応のモバイルWi-Fiルーターを利用する方法だ。SIMフリー対応というと、スマートフォンやタブレットなどが注目されがちだが、モバイルWi-FiルーターにもSIMフリー対応の製品が増えてきている。あらためて説明するまでもないが、SIMフリーということは、契約する通信事業者を選べるという自由度がある。特に、各携帯電話会社やMVNO各社が新たにキャンペーンなどを展開している時は、いつでも乗り換えられるというメリットもある。

 今回試用した富士ソフトの「+F FS040W」は、今年7月に発売されたばかりのSIMフリー対応のモバイルWi-Fiルーターだ。同社は法人向けシステム開発などの事業を展開しているが、個人向けには年賀状ソフトの「筆ぐるめ」の開発、1990年から続く「全日本ロボット相撲大会」の主催者としても知られる一方、USBモデムやモバイルWi-Fiルーターなどのデータ通信製品も数多く手がけている。今回の「+F FS040W」は同社のモバイルWi-Fiルーターとして、4機種めの製品ということになる。価格はオープン価格となっているが、家電量販店では1万9800円(税込)で販売されている。

モバイルWi-Fiルーター「+F FS040W」(富士ソフト):高さ約76.0mm×幅76.0mm×厚さ19.6mm、重量約142g、オープン価格

本体のみで最大15台の接続が可能

 本体は縦横約76mm、厚さ19.6mmという手のひらサイズのコンパクトな形状で、重量は142gと、モバイルWi-Fiルーターとしてはミッドサイズ。本体には着脱式の3060mAhの大容量バッテリーを搭載する。モバイルバッテリーとして、他製品に給電する機能も備えるため、外出中にスマートフォンやIoT機器などを充電する時にも利用できる。本体内蔵の電池パックは着脱式となっているため、別売の電池パック(4800円)を購入すれば、交換しながら利用することも可能だ。

 本体前面にはディスプレイを搭載し、モバイル回線の通信状態や利用したデータ通信量、電池残量、無線LANのSSID(無線ネットワーク名)、パスワードなどを確認できる。ただし、ディスプレイはタッチパネルではないため、本体前面と側面のボタンを押して、各メニューを操作する。細かい設定についてはパソコンのブラウザから表示する「FS040W設定ツール」というWebページで設定することができる。

側面にはUSB Type-C外部接続端子、SELECTボタン、前面には電源ボタンを備える。USB Type-C外部接続端子にパソコンを接続し、USBテザリングも利用可能

3060mAhの着脱式電池パックを本体背面に装着。モバイルバッテリーとして、他の機器に給電することも可能。nanoSIMカードは電池パックを外した本体内部の中央部分にさし込む

本体前面のディスプレイには電池残量、電波状態、Wi-Fiの周波数と接続数などを表示可能

 Wi-Fiについては2.4/5GHz両対応で、IEEE 802.11a/b/g/n/acに準拠する。本体のみのWi-Fiの速度は受信時最大433Mbpsで、最大15台の端末を同時に接続することができる。

 Wi-Fiで接続する端末の登録は、ディスプレイに表示される暗号化キー(パスワード)を端末に入力するか、WPSによる簡易登録にも対応する。ユニークなのはQRコードを利用した暗号化キーの入力にも対応していること。AndroidとiOS向けに公開されている専用アプリ「+F 設定ツール」をインストールし、+F FS040Wのディスプレイに表示されたQRコードを読み取ると、Wi-Fiの暗号化キーが入力され、Wi-Fiで接続することができる。ちなみに、こうしたQRコードの読み取りによるWi-Fiの簡易設定は、Android 9/10を搭載した一部のスマートフォンが対応するほか、iOSも最新版で対応しているため、専用アプリをインストールしなくても同じようにQRコードを読み取れば、接続の設定ができる。

ディスプレイにQRコードを表示し、「+F設定ツール」で読み取れば、暗号化キーも簡単に設定可能。Android 9/10やiOSでサポートされているQRコード読み取りでも簡単に登録ができる

スマートフォン向け設定ツール「+F設定ツール」はGoogle PlayストアやAppStore(iOS)からダウンロード可能

「+F設定ツール」の起動画面。モバイルネットワークの電波状態、電池残量、データ通信量などが確認できる。詳細設定をタップすれば、ブラウザを起動し、設定ページを表示できる

ブラウザで表示する設定ページはスマートフォンのブラウザでも表示可能。各機能を細かく設定できる

パソコンのブラウザで設定ページを表示。Rakuten UN-LIMITのSIMカードも自動的に認識し、すぐに使うことができた

各携帯電話会社やMVNO各社のSIMカードを利用可能で、Rakuten UN-LIMITも動作

 モバイルデータ通信については、4G(受信時最大300Mbps)と3G(受信時最大42.2Mbps)に対応し、SIMカードは電池パックを外した内側に、nanoSIMカードを1枚、装着することができる。

 回線については、NTTドコモ、au、ソフトバンクの各周波数帯域に対応する。3Gについてはauが非対応、ソフトバンクはバンド1(2.1GHz)のみとなっているが、auは2022年3月末、ソフトバンクは2024年1月下旬に、それぞれ3Gサービスの終了を予定しているためで、4Gのエリアが99%以上であることを考慮すれば、何も問題はない。

 主要3社の4Gネットワークに対応しているということで、これらのネットワークを利用したMVNO各社のサービスにも対応する。SIMフリー端末ではMVNO各社のネットワークに接続するためのAPN(接続情報)を選ぶか、登録する必要があるが、+F FS0404Wの場合、一部の通信事業者のSIMカードについては、SIMカードを装着し、電源を入れれば、自動的に認識するしくみとなっている。今回はUQモバイルやワイモバイル、IIJmio、BIGLOBE、mineoなどのSIMカードを試したが、いずれも自動的に認識され、すぐに使うことができた。逆に、OCNモバイルONEやNTTドコモ(spモード)のSIMカードは手動でAPNの設定が必要で、APNなどの情報はブラウザで「FS040W設定ツール」を表示して、入力する必要がある。

いくつかのMVNOの接続情報はプロファイルとして登録済みで、本体のディスプレイで切り替えることも可能

 また、今春から正式サービスに移行した楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」のSIMカードについても試してみたところ、自動的に認識され、すぐにWi-Fiで接続して、モバイルデータ通信を利用できた。楽天モバイルは同社回線に対応機種でなければ、正常に動作しないことが知られているが、富士ソフトの従来モデル「+F FS030W」が対応機種に含まれているため、後継機種の「+F FS040W」もそのまま動作するようだ。楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」については、1年間無料で、楽天エリア内でのデータ通信が無制限(1日あたり10GB制限あり)とアナウンスされており、もし、テレワークの環境が楽天モバイルのエリアなのであれば、当面は「+F FS040W」にRakuten UN-LIMITのSIMカードを装着して、利用するというのもひとつの手だろう。ちなみに、楽天モバイルのエリア外ではauネットワークにローミングし、1か月あたり5GBまでの制限があるため、エリア内外を移動するユーザーはデータ通信量をチェックする必要がある。

別売の専用ホームキットでWi-Fiを高速化

 冒頭でも説明したように、モバイルWi-Fiルーターは長時間、利用していると、発熱したり、接続台数が増えると、十分なパフォーマンスが得られなくなることがある。その点、今回の「+F FS040W」は単体で安定した動作ができているが、さらにパフォーマンスを求めるユーザーのニーズにも応えるオプションとして、「専用ホームキット」(1万780円)が用意されている。

オプションとして販売される専用ホームキットに「+F FS040W」を装着

 オプションとして販売される「専用ホームキット」は、「+F FS0404W」を置くためのクレードルで、かつてのケータイの卓上ホルダーのような形状となっている。本体前面には電源とWi-Fiの動作を確認できるLED、背面には1000Base-T対応のLANポート、ACアダプターを接続するためのUSB Type-C端子、WPSを設定する時のボタンを備える。ちなみに、ACアダプターは「+F FS040W」付属のものを利用する。

専用ホームキットの背面には電源ボタン、簡易設定のWPSボタン、1000Base-T対応LANポート、ACアダプターを接続するUSB Type-C外部接続端子を備える

「+F FS040W」は前述の通り、本体のみの状態でWi-Fiが受信時最大433MHz、最大15台の端末を接続できるという仕様だが、専用ホームキットに接続することにより、専用ホームキット内蔵のアンテナが有効になるため、Wi-Fiが据置型のホームルーターなどに匹敵する受信時最大867MHzに向上し、端末も最大32台まで接続できるようになる。「個人宅で32台も……」と考えるかもしれないが、テレビやレコーダー、ゲーム機、IoT機器など、Wi-Fiで接続できる機器は急速に増えており、接続可能な台数が増えても安心して利用できる。ちなみに、「+F FS040W」は電池パックを装着して利用するが、専用ホームキットに接続するときは電池パックを装着しない状態でも動作させることが可能だ。

「+F FS040W」を専用ホームキットに装着してから、約30秒ほど、こうした画面が表示され、少し待たされる

テレワーク&モバイルワーク環境を手軽に強化できる一台

 テレワークやモバイルワークの環境において、効率良く業務をこなしていくには、やはり、インターネットの環境を整えていくことが重要だ。スマートフォンのテザリングやカフェなどのWi-Fiスポットも便利だが、安定したモバイルデータ通信の環境には、やはり、モバイルWi-Fiルーターは有用なツールであり、今回取り上げた富士ソフトの「+F FS040W」は国内各社のネットワークで安心して利用できる一台となっている。注目のRakuten UN-LIMITでも利用できるため、より有効に活用できるユーザーも多いはずだ。専用ホームキットとの組み合わせて、テレワークやモバイルワークの環境を手軽に強化できる一台として、注目したい。

【参考】「+F FS040W」製品情報(富士ソフト)
https://www.fsi.co.jp/mobile/plusF/products/FS040W/

「+F FS040W」ニュースリリース(富士ソフト)
https://www.fsi.co.jp/company/news/20200707.html

取材・文/法林岳之

Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

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