■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
キャンプ道具の中でも特に鍋類は家庭用と併用している人が多く、うっかり忘れてしまうモノの筆頭だ。
最近はキャンプ場へ向かう途中にたいてい100円ショップがあるので鍋だろうとスキレットだろうと安価に購入できるのだが、緊急時に購入したものは妥協して選ぶので自分のライフスタイルにあわない場合も多い。
無駄な道具を買わず、現地で対応するには?
ホイル包み焼き、串焼き
最初に思いつくのがアルミホイルで食材を包み、火にかけるホイル包み焼きだ。薄手のアルミホイルであっても二重にすれば焚き火の熱にも耐えうる。水分を逃がさず、ふっくら焼き上がるのも魅力。
竹や木の枝の表面を少し削り、食材を刺したり巻き付けたりしてあぶる串焼きも楽しい。串はなめらかであるよりも少し角張っているほうが、串を回したときに食材がいっしょに回転してムラなくきれいに焼ける。
紙容器を火にかける
アルミホイルで代用するほかにできることはないか、調べたところ海外発の動画サイトで紙袋や紙コップでの調理を紹介していたので試してみた。
容器は真っ黒になるけれど、途中で水が漏れることはない。
紙の発火点は200℃以上で、水が入っている紙は100℃以上になることはないため。言い換えると、水が入っていない紙容器のフチは炎に包まれると燃えてしまう。
そのため、炎があがる焚き火ではなく、熾火(おきび)の上に置くほうが安心だ。ふたをせず、また、熾火から少し離した網に置いたので沸騰するまで時間がかかったけれどこの通り。無事、容器が燃え尽きることなく味噌汁を作れた。
容器の底にあった脚は、一部が焦げ落ちてしまったが、水に触れていた底部分は異常なし。
紙袋にベーコンと卵を割って同じく熾火の上に。紙袋が燃えず、蒸し焼きのようになるはずだったが、風が吹いて炎が上がった途端に上部が燃えてしまった。
ベーコンの一部が紙袋に張り付いていたけれど、紙袋自体は破れてはいない。
灰まみれになったものの、卵は半熟でおいしく食べられる。調べてみると、インスタントラーメンも紙容器入りであれば焚き火にかけて調理ができるそう。
石、竹を使う
大きめの石を拾ってきて鉄板に見立て、よく熱してその上で食材を焼く。ただし、石の種類によっては割れたりはじけたりするので注意が必要。
竹は手に入れやすく、加工もしやすい。深さがあるので炊飯や汁物を作れる便利な素材だ。
水分をたっぷり含んでいる青竹で炊飯。米をいれた節の外側は下側が少し焦げているが、油分たっぷりの竹でも燃えることはない。
いずれの場合も熾火を利用し、様子を見ながら火力を上げすぎないのがポイント。鍋や鉄板がないのは不便ではあるが、いざという時の対策にはなりそう。
取材・文/大森弘恵
※紙袋や紙コップ、紙の容器類での調理はあくまで、キャンプなど屋外での応急措置です。
必ず手袋を着用して火傷やケガにご配慮いただき、火災にくれぐれもご注意ください。
必ず自己責任で行ってください。