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スポーツドリンク持ち込みOKの学校が8割!専門家に聞くコロナ禍の子ども向け熱中症対策

2020.08.05

学生時代、学校に熱中症対策としてドリンクを持ち込んだ記憶はあるだろうか? 弁当ならまだしも、給食の場合はほとんどないだろう。

しかしいまどきの小中高校では、8割以上の学校で「スポーツドリンクの持ち込み」がOKなのだそうだ。それだけ子どもの熱中症対策も重要になってきていることがわかる。

今回は、子どもや学生の熱中症対策のポイントを専門家の解説をもとに確認していこう。

【専門家プロフィール】

弓倉 整先生
公益財団法人日本学校保健会 専務理事
弓倉医院 院長
専門:循環器内科

三宅 康史教授
帝京大学医学部附属病院
高度救命救急センター センター長
帝京大学医学部救急医学講座 教授
1985年 東京医科歯科大学医学部卒業 同年 東京大学医学部附属病院救急部入局、その後 公立昭和病院 脳外科、外科、救急部(ICU)、昭和大学医学部救急医学講座/救命救急センター、さいたま赤十字病院救命救急センターを経て、2003年より昭和大学医学部救急医学講座 准教授、2012年 同 教授、2016年より現職

学校での熱中症対策の実態

日本コカ・コーラ株式会社は2020年4月27日(月)~6月15日(月)、公益財団法人日本学校保健会と共同で全国の幼稚園や学校等1,623校を対象に調査を実施し、学校での「熱中症対策」の実態が明らかになった。

●「5・6月から熱中症対策をスタート」の学校が9割以上

熱中症対策を開始する時期は、「5月頃」(56.9%)、「6月頃」(36.6%)としている学校の合計が93.5%。具体的な対策は「ほけんだよりの配布」(97.8%)、「ポスターの掲示」(91.9%)といった情報提供活動が多い。また「水分補給タイムの導入」(42.3%)を行っている学校も4割あった。

●8割以上の学校で「スポーツドリンクの持ち込みOK」

熱中症対策の観点から、学校へのスポーツドリンクの持ち込みは「すべてのシーンで許可」(41.7%)、「特定のシーンのみ許可」(41.0%)と、合計82.7%の学校で許可されていた。

アンケート結果では、酷暑や熱中症が深刻さを増した2、3年前から許可するようになった学校が多くみられた。熱中症対策への意識が高まり、スポーツドリンクの持ち込みを許可している学校が増えてきている状況があるようだ。

●学校が推奨する熱中症対策飲料、1位は「スポーツドリンク」

熱中症対策のために学校が推奨する飲料では、「スポーツドリンク」(54.3%)が1位となった。推奨する理由として「塩分、電解質の補給」や「運動時に必要」といった声が挙がった。

公益財団法人日本学校保健会専務理事 弓倉 整先生は、「大量の汗をかくときは、水だけでなく塩分補給も必要です。アクエリアスなどに代表されるスポーツドリンクは塩分に加え、適度な糖分を含むことで、水と塩分の吸収効率がよいと言われています。歯磨きを欠かさないよう生活習慣にも注意し、スポーツドリンクの使用・普及が進むことが望ましいと思います」とコメントしている。

ちなみに2位は「麦茶」(52.7%)、3位は「水」(41.0%)だった。

アンケート調査結果では、学校での熱中症対策に「スポーツドリンク」を推奨する理由として先生たちからこんな声が挙がった。

「実際に熱中症にかかり飲んだ際、他の飲料と比べてとても回復が早かったため」(高校/千葉県)
「ここ数年、熱中症で倒れる生徒が多く、熱中症予防に良いとされるものを推奨している」(高校/長崎県)
「熱中症への効果が実証されているため」(中学校/京都府)
「適度な塩分が含まれており、体内への吸収も早いため」(小学校/茨城県)
「部活動では顧問の指示による。運動量が多いとスポーツドリンクが必要」(中学校/山形県)
「体育祭の日は、熱中症予防のため、昼に全員がスポーツドリンクを飲めるように用意している」(中学校/神奈川県)

子どもの熱中症対策としてスポーツドリンクを推奨

今年の夏は、コロナの影響により、夏休みの短縮化やマスク着用での学校生活など、子どもたちの熱中症のリスクが例年に増して懸念される。

帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長で、熱中症対策に詳しい三宅康史教授は、調査結果を受け、次のようにコメントしている。

「活動性の高い学校生活では、スポーツなどで大量のエネルギーを消費し、汗をかきます。スポーツドリンクなら水分補給はもちろん、塩分(ナトリウム)やカリウムなどのミネラルや、糖質の補充にも効果的です。現状持ち込みができない場合、学校の先生に相談してみるといいかもしれません」

マスク生活で熱中症リスクが高まる

今年はコロナの影響で、熱中症リスクが例年より高まるという情報を耳にする。三宅先生は今年ならではの熱中症対策として次のコメントを出している。

「今年は外出自粛の影響で、身体が上手に汗をかく準備ができていない人が多くいると考えられます。また、マスク着用で呼吸が苦しくなったり、体温が上昇しやすいので、3密を避けてマスクを外せるタイミングを作ったり、早めの休憩・こまめな水分補給を心がけましょう。外出時は無理をせず、余裕をもって行動しましょう」

厚生労働省による「『新しい生活様式』における熱中症予防行動のポイント」にも、マスク着用の熱中症リスクについて書かれている。

マスクを着用していると、着用していない場合と比べ、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがある。高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるため、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクを外すことを勧めている。また水分補給と共に、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要だとされている。

「梅雨明けは、急な気温上昇や高湿度のため、熱中症での搬送が例年急増する傾向にあります。3度の食事をしっかりとり、睡眠不足や過労を避けて体調管理をし、こまめに水分補給をして熱中症リスクを下げましょう」

子どもの夏休み中、親子で自宅で過ごしたり、何らかの活動をしたりする際にはぜひ熱中症リスクが例年より高いことを意識して、しっかりと対策しよう。

塩分・糖分を含むドリンクで水分補給することに加えて、3密を避け、マスクを外せるシーンを探すのも今年の熱中症対策のポイントといえそうだ。

取材・文/石原亜香利

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