東京駅の北通路周辺に8月3日(月)、「グランスタ東京」がオープンする。店舗の多くは改札内だが、丸の内口改札を出てすぐのところにオープンしたのが「常盤野ブルワリー丸の内」だ。ビジネスパーソンの行き交う丸の内口とあって、朝8時から営業する。
ランチメニュー、デザートメニューも
「場所柄、ビジネスパーソンの利用が多いと思われるので、朝8時から営業しています。ランチメニュー、デザートセットもメニューに加えました」(岡田店長)。
「常陸野ネストビール」で知られる常陸野ブルワリーは、世界のビールコンペで数々の金賞を受賞してきた日本で指折りのブルワリー。近年は東京駅八重洲口、秋葉原、品川駅構内など、都心に続々とビアバーをオープンしてきた。
丸の内北口改札を出て20秒で立ち寄れる常陸野ブルワリー丸の内はバーとカフェ、どちらにも使えるカジュアルなビアカフェだ。待ち合わせにも、打ち合わせにもよさそう。ビアバーのメニューに加えて、サンドイッチやケーキセットなども充実している。とはいえサンドイッチの具材を見れば、ビールのつまみにピッタリなものばかり。「つくば鶏」「常陸の輝き豚」など、常陸野ブルワリーの地元、茨城のブランド素材に加え、自家製のハムやコンビーフが使用されている。
サンドイッチは手前から「オイルサーディンとパプリカのコンフィチュール」「常盤の輝き豚のプルドポーク」「さばとトマト煮と2種のオリーブ」「つくば鶏のスモークハム」。ランチのサンドイッチはこれらから1種選び、サラダ+ドリンクで1,280円。
ついビールが進むメニュー。すぐ出るクイックメニューは480円。
カフェとしても利用できる。ドリンクはエスプレッソマシンで淹れたコーヒーやカフェラテなど。ケーキセットは780円。
各地のクラフトビールを集めて蒸溜したクラフトジン
ビールは「常陸野ネストビール」のドラフトが9〜10種そろう。人気のホワイトエール、アンバーエール、ラガーをはじめ、季節限定ものや丸の内店だけのオリジナルドラフトも楽しめる。
おすすめは「ビール3種飲み比べ」(1.080円)。お店からの今日のおすすめが3種、小グラスで楽しめる。樽生のレギュラー750円〜。ラージ980円〜。テイクアウトも可。
カフェのようなビアバーと言いつつ、実はかなり珍しいジンもあるのでトライしてみてほしい。この春、全国のクラフトビールの醸造者から預かったビールを蒸溜して造ったクラフトジンだ。
3月以降、新型コロナの影響で全国のクラフトビールのブルワリーは、飲食店向けに仕込んだビールが売れず、大変な苦境に陥った。(それは現在もつづく)。どこにもさばけず、廃棄するしかなくなったビールを、常陸野ブルーイングが預かり、蒸溜し、スピリッツにしたのである。
「うちには以前からビールを蒸溜する技術はありましたが、今回のように全国のブルワリーさんのビールを集めて蒸溜したのはもちろん初めてです」(店長)
常陸野ブルーイングは数年前からクラフトジンを蒸溜、販売している。秋葉原では「常陸野ブルーイング東京蒸溜所」というポットスチルを設置したダイニングバーも営業中だ。
出来上がったジンはボトルに詰めて、預かったビール量に合わせてブルワリーの元にお返していているそうだ。その一部が、丸の内店で提供されている。各地のクラフトビールが原料の、まさに今しか飲めないレアなジンだ。せっかく醸造したビールを蒸溜せざるを得なかったクラフトビール醸造者の気持ちにも、ちょっとだけ思いを馳せたい。
(データ)
常陸野ブルーイング 丸の内
JR東京駅グランスタ東京1階 丸の内北口改札を出てすぐ
営業時間:平日8時〜23時 日・祝8時〜22時(LO.30分前)
*8月3日(月)は10時〜オープン
*東京都からの時短要請で営業時間は夜22時までの可能性あり。
取材・文/佐藤恵菜