数あるスポーツ漫画の中でも、圧倒的な作品数を誇る野球漫画。野球ファンはもちろん、漫画ファンからも愛されているジャンルの一つだ。作品数が多い分、自分の好みの作品のものを見つけやすいのも嬉しい。
本記事では、誰もが名前を知っている有名作品から知る人ぞ知るコアな作品まで、ジャンル別におすすめの野球漫画を紹介する。
【目次】
不朽の名作
最初に紹介するのは、野球漫画界において”レジェンド”と言うべき名作、つまり「王道」の野球漫画。強力なライバルや大きな目標、努力と挫折、恋愛や友情などの青春要素をしっかり取り入れてた、熱くなれる作品ばかりだ。
キャプテン ちばあきお
『キャプテン』は、ちばあきおによる野球漫画。野球の名門校、青葉二中から墨谷二中に転校してきた谷口は、野球の実力があると期待されてしまい、本当は補欠だったことを言い出せずにいた。しかし、周囲の期待に応えるため陰ですさまじい努力を続け、やがてキャプテンへと就任する。ずば抜けた才能や身体能力がない、いわば等身大のキャラクターが、悩み苦しみながらも地道な努力を積み重ねて少しずつ成長していく、リアリティのあるストーリーが多くの共感を呼んだ。
タッチ あだち充
国民的ラブコメ野球漫画、『タッチ』。あだち充の代表作の一つでもあり、アニメ化はもとより複数回に渡って映画化もされている。勉強にもスポーツにも真面目な弟・上杉和也と、要領はいいが不真面目な兄・上杉達也、二人の幼馴染朝倉南という三人の恋愛模様と、明青学園野球部が甲子園を目指すという二つの軸によってストーリーが展開されていく。30年後の明青学園野球部を描いた続編『MIX』にも注目。
ROOKIES 森田まさのり
『ROOKIES』は、週刊少年ジャンプにて連載されていた森田まさのりによる野球漫画。部員の不祥事により活動停止に追い込まれ、不良の巣窟と化していた二子玉川学園高校の野球部を、野球のルールも知らない新任の川藤教師が情熱を持って立て直していく物語。最初は反発していた生徒たちも、川藤の熱い思いに心を動かされ、やがて絆が生まれていく。実写ドラマ、映画化もされ話題になった作品。
ダイヤのA 寺嶋裕二
寺嶋裕二の『ダイヤのA』は、週刊少年マガジンで連載されていた野球漫画。廃校になる母校の中学の名を残すため、中学制覇を目指していた沢村栄純だったが、自身の暴投により一回戦敗退が決まってしまう。その試合をたまたま見に来ていたスカウトに勧誘され、彼は野球の名門、青道高校に入学することに。栄純を始めとする登場人物たちの苦悩や葛藤を描いたシーンが多く、それらを通じて成長していく姿が描かれる。
最強キャラが印象的な野球漫画
野球漫画の中には、「圧倒的な才能を持った最強キャラ」がいることがある。常人を超えるような天賦の素質が目覚めたり、現実にはあり得ないような技を使って敵を翻弄したりといった展開も、野球漫画ならではの面白さだ。
MAJOR 満田拓也
『MAJOR』は、満田拓也の野球漫画。現在、続編である『MAJOR 2nd』が週刊少年サンデーにて連載中だ。主人公の茂野吾郎が、リトルリーグから中学、高校、メジャー、プロ野球と野球人生を歩む姿を追った作品。吾郎は「野球漫画最強のピッチャー」とも評され、中学、高校とストレートのみでノーヒットノーランを達成したり、取ったアウトのほとんどが三振だったりと、最強の奪三振王。
出典 公式サイト|MAJOR 満田拓也
Dreams 七三太朗/川三番地
原作は七三太朗、漫画を川三番地によって手掛けられた『Dreams』は、週刊少年マガジンに掲載されていた野球漫画。高校一年生でありながら160km/hの速球、バクボールなどの魔球を投げる久里武志をはじめ、超常的な魔球を投げる選手、超人的な能力を持つ選手が複数登場する。詳細な試合描写が特徴の作品で、その分進み方が非常に遅い。既に完結した作品だが、その終わり方が衝撃的だったことでも話題に。
ドカベン 水島新司
『ドカベン』は、水島新司による野球漫画。タイトルでもあるドカベンこと山田太郎は、三冠王を取るほどのパワーとバットコントロール、驚異的な勝負強さに加えて、意外性のあるリードやキャッチング技術の高さ、肩の強さを兼ね備えた日本一の捕手と評されている。山田太郎が所属する明訓高校野球部の戦いから、プロ野球編、ドリームトーナメント編など、2018年に約46年にもおよぶシリーズ連載が完結した。
巨人の星 梶原一騎/川崎のぼる
梶原一騎原作、川崎のぼる作画の『巨人の星』。当時の世相や文化を色濃く反映し、元祖スポコン漫画として有名な作品だ。主人公星飛雄馬が用いた、かの有名な「大リーグ養成ギプス」や、飛雄馬のライバル花形満の「鉄球を鉄バットで打つ」などの奇想天外な特訓を経て、超常的な魔球やそれを攻略する技術が生まれる。ちなみに、飛雄馬の魔球「大リーグボール一号」は野球アニメの魔球第一号でもある。
ギャグ要素満載の野球漫画
熱血で青春ど真ん中の王道野球漫画もいいけれど、ちょっと毛色の違うものが読みたいという人にはギャグ要素満載の野球漫画がおすすめ。野球を知っている人ならより面白い、クスっと笑える作品を紹介する。
Mr.FULLSWING 鈴木信也
『Mr.FULLSWING』(通称ミスフル)は、鈴木信也による野球ギャグ漫画。特に序盤〜中盤までは、野球よりもギャグの描写が多いほど。物語は、20年前に高校野球界に伝説を残した村中紀洋の母校、十二支高校に主人公猿野天国が入学することから始まる。野球を嫌悪していた猿野だが、野球部のマネージャーに一目ぼれしたことから野球部入部を決意。しかし野球部は、甲子園出場すらままならない弱小部と化していた。
砂漠の野球部 コージィ城倉
『砂漠の野球部』は、コージィ城倉による野球漫画。生徒数の減少に悩む鳥取の女子高「オアシス学園高校」の校長が、学園再生のため、野球部を退部した生徒たちをオアシス学園に転校させて野球部を作ることを思いつく。落ちこぼれの生徒たちはさまざまな思いを胸に転校し、甲子園を目指す。有名スポーツ漫画のパロディやコメディ要素を多く含んだ作品。
すすめ!!パイレーツ 江口寿史
江口寿史の代表作の一つ『すすめ!!パイレーツ』は、野球ギャグ漫画。オーナーの浪費癖により経営悪化した弱小プロ野球チーム「千葉パイレーツ」に、熱血少年の富士一平が入団してくる。自らの左腕で常勝チームに変えようとする一平だったが、パイレーツの選手たちにとっては、いじり甲斐のある人物に過ぎなかった。「巨人の星」や「ウルトラマン」などのパロディや不条理なギャグが満載の作品。
地獄甲子園 漫☆画太郎
映画化やOVA化もされた『地獄甲子園』は、漫☆画太郎の野球ギャグ漫画。神懸かり的なピッチングセンスを持ち、魔球「スーパートルネード派」を繰り出す野球十兵衛、野球はてんでダメだが強靭な精神と肉体、不死身の身体を併せ持つメガネなど、超個性的なキャラクターが登場する。本編は作者独特の世界観満載で、途中でまったく関係のない話が入ってきたり、話が途中でうやむやになったりと奇想天外な展開にも注目。
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文/oki