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自己所有の空き家を運用しても…3割以上の人は「賃料は得られていない」現状

2020.07.29

空き家を“負動産”にしないための解決策は?

「空き家運用者」のおよそ3人に1人が現状の空き家運用に満足していない状況ということがジェクトワンの調査によって判明した。

まず、調査では自己所有の空き家の運用状況に関して、利益や管理の手間など、総合的にどの程度満足しているかを聞いたところ、「満足している」と回答した人は全体で67.9%(「満足している(28.4%)」「やや満足している(39.5%)」)であるのに対して、「満足していない」と回答した人は、全体の32.1%(「あまり満足していない(14.2%)」「満足していない(17.9%)」)だった。およそ3人に1人の割合で現状の空き家運用に満足していない人が存在する実態が明らかになった。

空き家運用に対する満足度

年代別でみると、60代の29.9%(「満足している(10.4%)」「やや満足している(19.5%)」)が現状の空き家運用に「満足していない」と回答しているのに対して、30代ではその割合が40.0%(「満足している(10.0%)」「やや満足している(30.0%)」)となり、若い世代ほど現状の運用に関して不満を持っていることが分かる。

また、現在空き家を運用して、毎月どの程度の賃料を得ているかを尋ねたところ、全体で3割以上となる32.3%が「賃料は得られていない」と回答しました。年代別でみると、30代の半数以上となる54.5%が同選択肢を選んでおり、自己所有の空き家を何らかのかたちで運用はしているものの、賃料は得られていない現状が明らかになった。

一方で、賃料を得ている人たちの中で、最も多く選ばれた選択肢が「10万円~15万円未満(18.6%)」となり、次いで「5万円~10万円未満(15.9%)」という結果に。

自己所有の空き家をリフォームまたはリノベーションした際に掛かった費用を尋ねたところ、全体としては「100万円~200万円未満(16.4%)」と回答した人が最も多く、次いで「200万円~300万円未満(15.5%)」、「300万円~400万円未満(12.4%)」という結果になった。

リフォーム/リノベーションに掛かった費用

物件のリノベーションを数多く手掛けるジェクトワンが、区分マンションの一部改修(クロス張替、フローリング、一部設備入れ替)に掛かる平均費用を100万円~200万円、フルリノベーション時を500万円~600万円としていることから、本調査における「空き家運用者」の多くが大掛かりなフルリノベーションではなく、必要最小限の修繕を物件に施して運用している実態が浮き彫りになった。

空き家に対するイメージを複数回答で聞いたところ、「火災の危険がある(33.7%)」「不審者が住み着く危険がある(30.0%)」など空き家を放置することで発生し得るリスク、空き家を所有することで発生する「固定資産税が高い(28.3%)」といったお金に関するネガティブなイメージが先行していることが分かった。この傾向は30代に最も顕著にみられ、対して40代が最も数値が低く表れている。

空き家問題解決の糸口は、空き家を“負動産”として捉えないこと、そして、様々な機関や企業が提供している制度やサービスを利用して空き家を再生させることで、新たな運用方法への活路を見出していくことが重要だと言えるだろう。

調査概要

調査対象:一都三県に空き家を所有し、かつ、何らかのかたちでその空き家を運用している30代~60代の男女300名
調査方法:インターネットリサーチ (調査地域:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)
調査時期:2020年1月27日(月)~1月30日(木)

※調査における「空き家」とは、戸建て、区分マンション、1棟マンション・アパート、1棟ビル、セカンドハウス(別荘)、店舗を対象とし、所有者が「空き家」と認識している物件のことを指す。

構成/ino.

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