■連載/カーツさとうの週刊★秘境酒場開拓団
オヤジナリティー ★★
家計貢献度 ★
エルドラ度 ★★★
まいったなァ~。ホントまいった!
近所につくづくイイ意味で、
「まいったなァ~」
って口から出ちゃうくらいに好きなタイプの呑み屋を見つけちゃったんですよ。
半年くらい前に閉店した小さなやきとり屋がウチの近くにありまして…。その前通ったら、居抜きで新しい店になってる。
店頭に手書きの看板が置いてあって、“酒”とか“肴”とか書いてあったんだけど、その看板の感じがすごくよかったのね。
あのォ~たまに“入店してください!!”ってグイグイ押し迫ってくるようなムードの看板あるじゃん? 人間でいうと、自分のことばっかりベラベラベラベラしゃべり続ける“メンド臭ェヤツだなコイツ!”って感じの看板。アレとは対極みたいな、白地に黒い文字で書かれてるだけの簡素で押しつけがましくない看板でしたよ。
ココでグッと惹かれ、さらには通りに面した間口全面分の引き戸を開け放し、黒い蚊帳を吊ってあるコロナ対策の換気気遣いに、ますます心臓グイッとつかまれ、もうスルスル~ッと入店してた。
『M(仮名)』というその店は2名ほど先客の座るL字のカウンターだけ。その奥では、40才前後かなァ、職人として脂が乗り切ってきましたよって感じの主人が一人。
まずは喉が乾いてたんで『レモンサワー/450円』を注文してから、ふつふつと沸き上がる期待感と共に壁にかけられたホワイトボードの御品書きをジックリ見よう思ったんだけど、ジックリ見るもなにも、いきなりある料理に肝臓ワシづかみにされた。
『稚鮎の南蛮漬け/550円』
あ~もうこれ食べたい……っつうか、これで呑みたい!!