DIME MAGAZINE
「暗記もの」の定番として挙げられる歴史の科目。しかし、実際には時代背景や大きな流れを把握していないと、覚えた言葉は意味をなさない。そんな歴史ををビジュアル的に学べるのが歴史漫画だ。
本記事では、学習や受験に使えるものから歴史を題材に壮大なスケールで描かれるものまで、注目度の高い歴史漫画を紹介する。歴史に詳しい人はもちろん、苦手意識を持っている人も漫画を通じて視覚的に歴史を学べるため楽しめるはず。
【目次】
おすすめ歴史漫画
はじめに、歴史学習に役立つおすすめの漫画を紹介する。お馴染みのキャラクターが登場したり、絵のタッチが親しみやすかったりと、それぞれの特徴を比較してほしい。
日本史探偵コナン 小学館
『日本史探偵コナン』は、過去の時代へ飛ばされてしまった少年少女を、名探偵コナンの推理で現代へと連れ戻すストーリーを通じ歴史を学べる漫画。時代ごとに1巻で完結する内容だが、全巻通して読んでいくとさらに楽しめる仕掛けも。コラムも充実しており、雑学的な史実も楽しみながら学べる。内容もやさしく、小学生から楽しみながら歴史の学習ができる。
学研まんが NEW日本の歴史 別巻2冊付セット 全14巻 学研プラス
『学研まんが NEW日本の歴史』は、時代を動かした重要人物を中心に、オールカラーでドラマチックに歴史の流れを描いた漫画。学年ビリの成績から名門大学合格を果たした“ビリギャル”も、受験対策で活用したことで有名なシリーズだ。人物事典やビジュアル資料、年表なども掲載し、授業の予習・復習にもぴったり。小中学生がもちろん、高校生でも視覚的に歴史を学べる。iPad/iPhone対応アプリ「学研電子ストア」で電子書籍を利用できるため、保管場所がない方は電子版を活用しよう。
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 全15巻+別巻4冊セット KADOKAWA
『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』は、東京大学山本博文教授による「歴史の大きな流れをつかむ」技法に基づき構成された歴史漫画シリーズ。「人物を中心とした物語」と「時代の大きな流れ」の二つを主眼に構成されているのが特徴だ。ソフトカバー&四六判というハンディな仕様と、従来の学習漫画では考えられなかった豪華執筆陣によるカバーイラストも人気の理由。巻末にクイズが掲載されており、何度も読み返したくなる工夫も。
歴史漫画タイムワープシリーズ 通史編【全14巻セット】+ 別巻1冊セット 朝日新聞出版
好評を博した「歴史漫画サバイバル」が”パワーアップ”して『歴史漫画タイムワープシリーズ』として登場した。河合敦先生による学習コラムを8ページ追加し、さらに学習要素がさらに充実。読者と同じ現代の子どもたちが主役で、タイムワープして各時代を冒険する臨場感あふれるストーリー展開も魅力だ。小学校低学年から楽しめる内容で、「学習指導要領」に対応し、先史時代から現代まで網羅する。
My歴史まんが 中学歴史 （現役高校生が考えた参考書） 学研プラス
『My歴史まんが 中学歴史』は、品川女子学院高等部の高校生が「中学生のとき、こんな参考書が欲しかった! 」という視点で企画した歴史漫画。画期的なのは、「まんがの中の重要用語を穴埋めする」方式を採用している点。あらかじめ掲載された答えを赤シートで隠すのではなく、はじめから空欄のため、歴史の流れを自分で考えながら学習できる。現役高校生による勉強テクニックのコラムも好評。高校受験対策にもおすすめの1冊だ。
日本史が学べる漫画
ここでは、日本史を題材にし、学ぶことができる歴史漫画を紹介する。史実だけでなく、人物の心情や詳しい歴史背景から感じる歴史は、より親しみを持って身に着く学習となるので、お気に入りの作品と出会ってほしい。
天智と天武 —新説・日本書紀— 小学館 著者：園村 昌弘、 イラスト：中村 真理子
『天智と天武 —新説・日本書紀—』は、大胆な仮説を元に大化の改新、壬申の乱を描いた歴史漫画。「法隆寺は聖徳太子の怨霊を封じ込めるための寺である」という、哲学者・梅原猛氏の有名な説をヒントに、ストーリーは法隆寺の夢殿に祀られている救世観音を軸として展開する。大化の改新といえば、日本古代史上最大級の暗殺事件だが、この時代を描いた作品は珍しく、新鮮に楽しめるとの声も。
へうげもの 講談社 著者：山田芳裕
『へうげもの』は、戦国〜慶長年間を生き抜いた異才“古田織部”の物語。あるときは信長、秀吉、家康に仕えた武士。あるときは千利休に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲の権化。流血と裏切りの戦国時代を「物欲」で塗り替えるストーリーと共に、甲冑、服飾、茶、陶芸、グルメなどが随所に紹介され、歴史ファンのみならず茶道ファンや陶芸ファンからの支持も厚い。書店員や各メディアなどで絶賛されてきた注目作だ。
源氏物語 あさきゆめみし 講談社 著者：大和和紀
『源氏物語 あさきゆめみし』は、「源氏物語」を基にした少女漫画。平安朝の生活様式などを詳細に調べて漫画化したもので、「宇治十帖」を含む源氏物語54帖がおおむね忠実に描かれる。「源氏物語」現代語訳を手がけた瀬戸内寂聴も高く評価する作品で、大手予備校の書棚に置かれるなど特に受験生必携の書ともなっている。さまざまな女性の生き方に共感を持って読める内容になっているため、社会人にも一度は読んでもらいたい作品だ。
世界史が学べる漫画
最後に、世界史が学べる漫画を紹介する。過去から紡いできた時間が、現代の各国の文化やスタイルの土台となっているため、世界の歴史を学んでおくことも現代を生きる大きな力の一つとなるはずだ。この機会にじっくり世界の歴史と向き合ってみよう。
学習漫画 アメリカの歴史なんでも事典 集英社
『学習漫画 アメリカの歴史なんでも事典』は、アメリカの歴史を1冊で学べる歴史漫画。独立、開拓、発展。現代にいたるまでの大国の歴史は、単に1国を学ぶだけでなく、イギリスやスペイン、フランスなど他国の歴史を学ぶことにも繋がる。現在の国際情勢を理解するためにも重要な要素が満載で、子どもだけでなく大人にもおすすめしたい1冊。わかりやすい内容と、時代ごとに”短編集”として楽しめるのもポイント。
キングダム 集英社 著者：原泰久
『キングダム』は、紀元前の中国大陸を舞台にした歴史漫画。アニメ化や映画化もされた、言わずと知れた人気作品だ。一度も統一されたことがなく、500年もの大戦争時代にある中国大陸の戦乱の世を、後の始皇帝となる秦王政と秦の武人である主人公“信”の活躍を中心に描いている。信は後の秦の大将軍・李信。圧倒的な画力と、魅力的なキャラクター、計算されつくしたストーリー展開などで多くのファンを持つ名作だ。
NeuN（ノイン） 講談社 著者：高橋ツトム
『NeuN』は、ナチス政権下のドイツを舞台に繰り広げられる逃避行サスペンス漫画。ナチスは秘密裡にヒトラーのDNAを受け継ぐ13人の子供たちをつくっていた。子供たちにはそれぞれ“壁（ヴァント）”と呼ばれる戦士が護衛としてつき、ドイツ各地で自らの出生の秘密を知らされぬまま育っていた。ある日、何者かによって子供たちへの抹殺命令が下る。「9番」という姓を背負った子“フランツ・ノイン”とその「壁」“テオ・ベッカー”の物語。
イノサン 集英社 著者：坂本 眞一
『イノサン』は、18世紀の「自由と平等」を望み、現代社会の出発点となったフランス革命の時代を舞台とした漫画。マリー・アントワネットや国王ルイ16世、名を轟かす革命家たちと交わり、革命の闇の立役者となった死刑執行人“シャルル＝アンリ・サンソン”の数奇な運命を描く歴史大河だ。写実的な描写に注目しがちだが、残酷な処刑が重要な娯楽エンターテーメントであった時代背景や、そこに生きる人々の心情などにも注目したい作品。
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文／oki
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