在宅太りや健康ニーズから健康的なダイエット方法が注目されている。そのような中でも、一つの方法として野菜ジュースダイエットがある。そのやり方や効果を管理栄養士のもと、紹介する。
【取材協力】
望月理恵子さん
株式会社Luce 代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。「中居正広のミになる図書館」や「教えてもらう前と後」などTV出演実績も多数。
野菜ジュースダイエットとは?
野菜ジュースダイエットとは、簡単に言えば、食事をする30分前に野菜ジュースを飲むことで、食後血糖値の急激な上昇を抑えることができるというものだ。
この方法を提唱している管理栄養士の望月理恵子さんは、次のように解説する。
「3食の前に飲むのが理想ですが、3食すべてがむずかしい場合は朝食前に飲むのがおすすめです。朝に野菜ジュースに含まれる食物繊維をたっぷりとると、次の昼食の血糖値も上昇させにくく、やせ効果が続くというセカンドミール効果が期待できます。朝起きてすぐに野菜ジュースを飲んで、 20、30分後に朝食を摂るのがおすすめです」
セカンドミール効果とは、トロント大学のジェンキンス博士が1982年に発表した概念で、最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを指す。
2015年1月のカゴメの調査によると、 食事30 分前の野菜ジュースの摂取により、食後血糖値の急激な上昇を抑えることが、ヒト試験で明らかになった。また、同じくカゴメの2015年4 月の調査によると、 200ml程度の野菜ジュースを食前に飲むことが食後の血糖値上昇抑制に効果的であることが確認されたという。
野菜ジュースダイエットにおすすめの野菜ジュースは?
この野菜ジュースダイエットに使う野菜ジュースはどんなものがいいのか。望月さんは次のように話す。
「野菜メインで果物が少ないタイプのジュースを使用しましょう。野菜メインのジュースは、血糖値が急激に上がるのを抑え、ダイエット効果が期待できます。具体的には、砂糖を使用していないもので、100mlあたりの糖質が12g以下・カロリーが40kcal以下、食物繊維を1g以上含むものが良いです。グリーン系・にんじん系・トマト系・青汁系のジュースがおすすめです。野菜メインのジュースが苦手な方は、最初のうちは飲みやすい果物メインのものから試し、少しずつ野菜メインのものに変えていくと良いでしょう」
望月さんは、おからパウダーと食用の重曹を混ぜた「ベジファーストパウダー」 を入れるのを推奨する。これにより、重曹とおからパウダーが胃の中でふくれ、一杯でかなりの満腹感を得られるという。
「パウダーを入れて飲む場合は、果物メインのジュースでも、酸味のあるものは重曹が発泡しやすく、満腹感が期待できます」
野菜との比較
野菜ジュースより、野菜を食べたほうがセカンドミール効果が高いイメージがあるが、野菜を食べるのとはどう違うのか。
「白米を食べる10分前と30分前に、サラダ・野菜ジュース・水をそれぞれ摂取して血糖値を比較した実験では、野菜を食べたときも野菜ジュースを飲んだときも、血糖値(平均値)の上昇が穏やかであるという結果が出ています。このことから、食事の前に野菜を食べることも、野菜ジュースを飲むことも大切であることがわかります。さらに、どちらも10分前よりも30分前に摂取したときのほうが、血糖値の上昇が低いです。
時にはタイミングよく野菜を食べることがむずかしい場合もあるでしょう。その際、野菜ジュースであれば、野菜を食べるよりも手軽に摂ることができるため、続けやすく、おすすめしています」
野菜ジュースが飽きるときの対策
野菜ジュースは毎食飲んでいると飽きがくるかもしれない。どんな工夫が考えられるだろうか?
「飽きてしまったら、ベースとなる市販の野菜ジュースを変えてみたり、野菜ジュースを手作りして使用したりしても良いですよ。手作り野菜ジュースの材料は、以下がおすすめです」
●手作り野菜ジュース
ほうれん草 1株
にんじん(皮付き) 2cm
りんご(皮付き) 1/4個
バナナ 1/3本
レモン 1/3個分(10cc弱)
水 100cc
「また、市販のジュースを手作り野菜ジュースで割ってみたり、お好みで野菜や果物をちょい足ししてみたり、オリーブオイルをひと回し入れてみたりとアレンジするとバリエーションが広がります」
在宅太りや野菜不足を感じている人は、まさに野菜ジュースダイエットをやる良いタイミングかもしれない。毎食前に野菜ジュースを飲むだけ。ぜひトライしてみよう。
取材・文/石原亜香利