
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、日頃から体温を測り体調管理を万全にするよう、心がけたいものだ。そこで、体温計の正しい測り方や、おすすめの製品を紹介する。
※2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、在庫状況や販売価格が大きく変動する可能性がございます。
いろいろなタイプがある体温計……正確性に違いはある?
体温計といえば、広く普及しているのは電子体温計だ。ひと昔前までは水銀体温計も使用されていたが、現在はほとんど販売されていない。
電子体温計にはいろいろなタイプがあり、測定部位や測定方法などで分類でき、「予測式」「実測式」「耳式」「非接触式」らがあげられる。
測るのが早い「予測式体温計」は正確? 「実測式」との違いは?
電子式の体温計で広く普及しているモデルとして、「実測式」と「予測式」の2タイプが挙げられる。
実測式は、測定部位のその時の温度を測定する方式。一般的には脇で約10分、口中で約5分間計測する必要があるが、温度の上昇がほとんどなくなると、それよりも早く検温が終了する。
予測式は、平衡温(測定部が体の内部と同じぐらいになった温度)を短時間で分析し、温度の上昇傾向から体温を予測する仕組み。そのため実測式よりも早く測定できるケースが多い。また、予測式体温計の精度は、90秒予測計で97%台、30秒予測計で92%台という検証がある。
体温計には寿命があるので注意
電子式体温計の寿命について、多くのメーカーは耐用年数を5年程度としている。5年ですぐにダメになるというものではないが、劣化が誤差を生む要因となり得る。
【参考】体温計の耐用年数は?(オムロン)
水銀式の体温計はまだ生産されているの?
長きにわたって使用されてきた水銀式の体温計だが、現在はほとんどのメーカーが生産を取りやめている。日本では2020年以降、水銀を使った機器の製造や輸出入が原則禁止となるからだ。自治体によっては、古い水銀式の体温計を回収しているところもある。
【参考】環境省|水銀の利用に関すること
体温計は正しく使おう! 知っておきたい正確な体温の測り方
どんなに精度のいい体温計でも、正しく利用しなければ正確な体温は測れない。正しい測り方を把握しておこう。
脇、口……部位によって体温計の使い方に違いアリ
脇での検温方法
脇のくぼみの中央に、体温計の先端を持っていき、下から上に向けて押し上げるように挟む。体温計は背筋に対して約30度の角度を目安に脇をしっかり閉じて、ひじは脇腹に密着させる。その際、手のひらを上に向けるとひじが締まりやすい。もう一方の手で腕を軽く押さえるとしっかりと固定しやすくなる。実測式の体温計なら10分以上、予測式なら電子音が鳴るなどの合図が出るまで動かないようにする。
口での検温方法
舌の裏の奥にあるスジの横か、舌の裏の中央のスジの脇へ体温計の先端を持っていく。そして口を閉じ、平衡温になるまで測定部分が動かないように体温計を指でしっかりと保持する。測定中は鼻呼吸をして、口を開けないようにする。
忙しい朝でも規定の時間をかけて! 体温計は正しい測り方で使おう
しっかり定められた測定時間を守ることも、正確な体温を測る上で重要なポイントだ。実測式の場合、所定の時間よりも早く結果が出る場合があるが、この場合は温度の上昇が一定になり、早めに結果が確定したためだ。
時間によって体温は変化する?
個人差はあるが、体温は1日のうちに約1℃以内で変化するとされている。起床時が最も低く、夕方にかけて上昇し、夜にかけて徐々に下降する。体調管理のために毎日体温を測っている人は、計測する時間帯を揃えるよう心掛けよう。
【参考】1日の体温の変化(オムロン)
非接触式、耳式、予測式の体温計をピックアップ
様々なタイプがあって、どれを選んだらいいか悩んでしまう体温計。参考のためラインアップの一部を紹介する。
たった1秒と赤ちゃんでも測定しやすいdretec(ドリテック)「TO-403非接触体温計」
非接触式は手軽に測れるのが特徴。しかもドリテック「TO-403」は検温時間約1秒!こめかみから2~3cm程度離れた位置から肌に触れずに測定できる(こめかみ専用)。物の表面を測定できるモードに切り替え可能なので、ほ乳瓶やお湯の表面温度なども測れて、赤ちゃんがいる家庭にもピッタリの一台だ。
オムロンの耳式体温計「MC-510 けんおんくんミミ」は手軽に使いやすい
実測式・予測式も含め、多くのラインアップを揃えているオムロン。「MC-510 けんおんくんミミ」は、手軽に測れる耳式の体温計だ。最短1秒で検温が可能で、鼓膜から出ている赤外線を赤外線センサーがとらえて耳の中の最も高い温度を記憶する「ぴったりセンシング機能」により、鼓膜の方向が分かりにくくても正確な体温を測れる。
【参考】オムロン公式サイト製品詳細ページ
脇で測る体温計ならテルモ「電子体温計C231」がおすすめ
テルモ「電子体温計C231」は予測式の体温計で、平均約20秒で測定が完了する。そのまま測定を続けると自動的に実測式に切り替わり、約10分でより正確な測定結果が得られる。測定が終了すると自動的にバックライトが点灯するので、測定結果が見やすい。また、本体と収納ケースは水洗い可能。家族で使う時など、清潔に保てるもの嬉しい。
【参考】テルモ公式サイト製品詳細ページ
体温計には様々なタイプがあるが、どんなに精度の高い体温計を使っても、測り方が間違っていると正確な体温は測れない。外出前の検温など多忙時にも冷静に、キチンとした測り方を心がけたい。
※データは2020年6月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット