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料理研究家が指南!豆苗の炒め物、カニ炒飯、青椒肉絲を自宅でおいしく作る意外なコツ

2020.07.20

その秘訣はまさかの「弱火」

「中華料理を作る」。

そう聞いたら、「カンカンに熱した中華鍋で、強火で威勢よく食材を躍らせる」―そんなイメージがわいてくるだろう。

だから、自宅でチャレンジした炒飯が、ベタベタした失敗作になってしまった際に、「家庭のコンロでは火力が足りない」「普通のフライパンを使っているから失敗した」などと思ってしまう。

ところが、失敗の理由は火力でも調理器具でもなく、「火が強すぎる」ことが原因だと指摘するのは、料理研究家の水島弘史さんだ。

水島弘史さん プロフィール
1967年福岡県生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校卒業、同校フランス校卒業後「ジョルジュ・ブラン」で研修。帰国後、恵比寿「ラブレー」に勤務、1994年より3年間シェフをつとめる。2000年、恵比寿に「サントゥール」を開店し「エムズキッチンサントゥール」と改め2009年まで営業。2010年からは麻布十番「水島弘史 調理料理研究所」で料理教室を主宰し、科学的な調理理論を取り入れた独自の指導を行っている。

水島さんは著書『まさかの弱火中華 – おうち中華が劇的に美味しくなる』(ワニ・プラス)のなかで、大火力で中華を作るのは、「中華鍋を自在にあつかって食材をあおれる技術」があるのが前提になるという。

では、素人は中華料理に手を出してはいけないのかと言えば、さにあらず。本書で水島さんが提示する手法は、書名どおり「まさかの弱火」だ。しかも、「家庭のフライパンや鍋」でOK。食材・塩の分量を正確に量り、温度管理に注意するなど若干の注意点を守れば、「肉はジューシー、魚介はプリプリに仕上がる」ことうけ合い。きっと、あなたも中華料理に病みつきになるはずだ。

というわけで、今回は本書に掲載のレシピから3点を紹介しよう。

まずは基本の「豆苗の炒め物」から

中華料理の定番の1つだが、多くの野菜炒めはこれが「基本」になるので、なにはともあれこちらから作ってみよう。

水島さんによれば、ポイントは、

・冷たいフライパンに油をからめた野菜を入れる
・弱火でゆっくりと炒める
・最後だけ強火にする

の3点。ほかの大半のレシピと共通することなので、しっかりおぼえておきたい。

【材料】
・豆苗:100g
・ネギ油(10gずつ2度に分けて使う):20g
・ニンニク:2g
・鷹の爪:1本
・塩:1g
・スープ:20g (スープの作り方も本書にあるが、ここでは割愛。市販の中華だしを水で溶いたものでもOK)

【作り方】
1 豆苗をパックから外し、根の部分を切り落としてから、半分程度に切る(1パックは80~100g)。
2 冷たいフライパンを用意し、そこに豆苗を入れてネギ油10gを回しかけ、和えるようにして混ぜる。
3 コンロを弱火に点火して、2のフライパンをのせ、3~5分炒める。混ぜ続ける必要はないが、途中で2~3回上下を入れ替えるように。火が通ったらいったん皿などに取り出す。
4 同じフライパンにネギ油を10g入れ、みじん切りにしたニンニクと鷹の爪を入れ、弱火で1分炒める。
5 ここで初めて強火にし、取り出しておいた豆苗を戻し、塩1gを入れて20秒ほど炒める(豆苗が80gなら塩は0.8g)。
6 最後にスープを20g入れて10秒炒めたら完成。

パラパラ・しっとりとできあがる「カニ炒飯」

どんな中華であれ、決め手となるのは塩。なので、指定の分量はきっちり守るよう、水島さんは説く。アバウトな計量にならないよう、市販のキッチンスケール(0.1g単位まで量れるもの)を用意しておこう。同様に「20秒ほど炒める」といった時間指定も厳守するため、タイマーも必須。

【材料(2人分)】
・温かいご飯:200g
・サラダオイル:30g
・長ネギ:30g
・ボイルしたカニのほぐし身:90g
・卵:110g(中2個程度)
・塩:2g
・コショウ:コショウ挽き4回転
・万能ネギの小口切り:6g
・ゴマ油:2g

【作り方】
1 長ネギはみじん切りにし、卵は溶いておく。
2 ご飯をザルに入れ、上から大さじ3~4杯の水(分量外)を回しかけよくほぐし、さらにサラダオイルをまわしかけて箸でほぐしながら混ぜる。余分な油は下に落とす。

3 冷たいテフロン引きのフライパンにキッチンペーパーで薄く油(分量外)を塗り、溶き卵を入れて弱火にかける。
4 ゴムベラか木べらでゆっくり混ぜ、卵が固まってきたら、ヘラで剥がすようにしながら混ぜる。
5卵が半熟まで火が通ったらご飯をほぐしながら入れて、ヘラで上下を返しつつ切るようにして3分ほど混ぜる。
6 弱火のまま長ネギを入れ、さらに2分ほど切り混ぜる。
7 ここで、塩、カニを加えて、さらに3分ほど切り混ぜる。
8 初めて強火にして鍋中央にスペースを作り、ゴマ油を入れたら全体にさっとからめる。
9 強火のまま万能ネギを入れ20秒ほど炒める。
10 盛り付ける。

ぜひマスターしてほしい「青椒肉絲(チンジャオロース)」

このレシピでは、本格中華でも使う手法「油通し」を行う。これは、食材を130~170℃の油に短時間通すというもの。これは、「固い食材の表面をあらかじめ加熱することで、その後強火で炒めるときに火が瞬時に、しかも均一に入りやすい状態を作る」のが目的。このひと手間が、料理をおいしくする秘訣となる。

【材料(2人分)】
・牛もも肉:100g
・赤ピーマン:30g
・緑ピーマン:50g
・タケノコ(水煮):80g
・長ネギ:20g
・ショウガ:5g

★肉の下味
・塩:0.8g
・コショウ:コショウ挽き6回転
・溶き卵:20g
・片栗粉:5g

★合わせ調味料
・しょう油:10g
・オイスターソース:5g
・砂糖:10g
・酒:20g
・コショウ:コショウ挽き5回転

【作り方】
1 肉は5mm~7mmの細切りにする。ピーマン、タケノコも同様の細切りにする。ネギとショウガはみじん切りにする。
2 肉に下味をからめてなじませる。
3 フライパンに1cmくらいの高さの油を入れる(分量外)。
4 冷たい油の中に肉を入れ、少し広げてから弱火にかける。
5 軽く混ぜ広げながら火を通し、赤いところがなくなったらザルで油を切る。
6 5の油をフライパンに戻して中火にする。ピーマン1切れを入れて勢いよく泡が出てきたら(約150℃)、タケノコと残りのピーマンを入れ、強火にして30秒混ぜながら加熱する。

7 ザルに上げて野菜類の油を十分に切り、油は捨てる。
8 7のフライパンを弱火にかけ、長ネギ、ショウガを加えて20秒ほど炒める。
9 肉と野菜をフライパンに戻し、強火にして合わせ調味料をすべて加えて20~30秒加熱。
10 最後に真ん中にスペースを作ってゴマ油を入れ、香りを出して全体にからめる。
11 盛り付ける。

コロナ禍の余波で、筋トレからキャンプまで「おうちで〇〇」がすっかり定着した感があるが、これに中華料理をくわえてみてはいかがだろうか? 本書を手引きにチャレンジすれば、きっとハマるはずだ。

料理写真/藤木裕之

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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