首都圏・仙台・新潟・札幌のSAPICAエリアの鉄道やバスを中心に使われるICカード乗車券「PASMO」。便利な機能をスマホでも使える、「モバイルPASMO」が2020年3月から始まりました。スマホ1つで電車やバスに乗れて、買いものもできるモバイルPASMOですが、Suicaと同じようにApple Payで使えるかどうか確認してみます。
Apple PayにPASMOは対応していない
結論をいってしまえば、PASMOはApple Payに対応していません。PASMOのカードをiPhoneのWalletアプリに登録することはできません。2020年7月現在、Apple Payに対応している交通系ICカードはSuicaのみです。
PASMOを登録できるスマホは、おサイフケータイに対応したAndroidスマホです。モバイルPASMOを利用したいなら、おサイフケータイ対応のAndroidスマホを用意する必要があります。
iPhoneでPASMOのデータ読み取りは可能
Apple PayにPASMOを登録することはできませんが、ICカードを読み取れるアプリをiPhoneにインストールすると、iPhoneでPASMOの利用履歴を見ることはできます。
「ICカードリーダー by マネーフォワード」でPASMOを読み取ってみました
App Storeで「ICカードリーダー」で検索すると、さまざまなアプリがリストアップされます。交通費精算などで便利に使えます。
PASMOがApple Payに対応するのはいつ?
ところで、PASMOはいつApple Payに対応するのでしょうか。それはまったく分かりません。
Apple Payに対応するには、さまざまな面でAppleが求める条件をクリアする必要があり、その基準は非常に厳しいとされています。また、対応するには両者にとってメリットがなければいけません。PASMOがApple Payに対応することについて、現時点でAppleにとってもパスモにとっても、かかるコストの割にメリットがないと判断されたのかもしれません。
Apple Payに対応するIC乗車券はSuicaのみ
PASMOだけでなく、ほかの交通系ICカードもApple Payに対応していません。2020年7月時点で、Apple Payに対応している交通系ICカードはSuicaのみです。iPhoneをかざしてApple Payで改札を通過したいなら、Suicaを登録するしかありません。
Apple PayでSuicaの定期券は使える?
Apple PayにはSuicaの通勤・通学定期券を登録できます。JR東日本が提供している「Suica」アプリでは新規定期券の購入、Apple PayのSuicaですでに利用している定期券の継続購入・区間変更などができます。また、iPhoneのWalletアプリでは、すでに利用している定期券の継続購入ができます。
ただし、通学定期券を新規購入する場合は、通学定期券の予約申込や、申込書と通学証明書などをモバイルSuicaサポートセンターに郵送する必要があり、少し手間がかかります。
Apple PayのSuicaにチャージするには
Suicaを利用するには、あらかじめチャージしておく必要があります。Apple PayのSuicaには、Suicaアプリに登録したクレジットカードでチャージ、iPhoneのWalletアプリに登録したカードでチャージ、コンビニなどで現金でのチャージが可能です。
Walletアプリに登録したカードでチャージ
また、Suicaアプリにビューカードを決済用クレジットカードとして登録すれば、一定額以下になったら自動でチャージされるオートチャージが利用できます。
機種変更時にApple PayのSuicaはどうすればいい?
iPhoneからiPhoneへの機種変更時の手続きはとても簡単です。旧iPhoneでWalletアプリを起動し、Suicaを選択して削除しておきます。こうすることで、Suicaの情報がサーバに退避されます。
新しいiPhoneを入手したらWalletアプリを起動し、カードの追加手続きをすると、サーバに退避されたSuicaが表示されます。指示通りに手続きを進めると、新しいiPhoneにSuicaを戻すことができます。
iPhoneからAndroid端末に機種変更する場合は、Suicaの情報を引き継ぐことができません。この場合、Apple PayのSuicaは退会することになります。
Suicaの退会は、SuicaアプリまたはWebの会員メニューサイトから行います。WalletアプリからSuicaを削除しただけでは退会(払戻し)できませんので注意が必要です。なお、払戻しには手数料(220円)がかかります。電子マネーを使い切った上で手続きすると、手数料はかかりません。
Suicaの払戻しはWalletアプリではなく、Suicaアプリから。