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十五夜の由来は中国の中秋節だった!月見をしながら豊作を祈願する秋の行事の楽しみ方

2020.09.07

秋の空を見上げ美しい名月を眺めながら過ごす、十五夜にはそのようなイメージを抱く人も多いでしょう。月見団子を楽しみにしている人もいるかもしれません。そこで、十五夜をさらに楽しむために、十五夜の由来や歴史などについて紹介していきます。

十五夜の由来

十五夜と聞くと、月見団子やすすきを供え、秋の空に浮かぶ月を愛でる、そのような穏やかな光景を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、「十五夜とはいつのこと?」「なぜお供え物をするの?」と聞かれ、的確に答えられない人も少なくありません。

そこで、十五夜の概要についてまとめて紹介します。

十五夜は旧暦8月15日の夜を指す

以前は、旧暦における毎月15日を十五夜と呼んでいました。現代で一般的にいう十五夜は、そのうち旧暦8月15日の夜を指しています。

8月というと、今の暦では猛暑が訪れる真夏です。しかし、旧暦では秋の時期にあたります。

そのずれは、現代の暦が太陽暦、旧暦が太陰太陽暦をもとにしているために生じたものです。旧暦の8月15日は、現在でいうと9月中旬から10月上旬に該当します。

中秋の名月とも呼ばれる

十五夜の月は、『中秋の名月』ともいわれます。美しい月を鑑賞する催しは『観月祭』などとも呼ばれ、日本では平安時代から行われてきました。旧暦8月15日の頃は、年間を通して最も空が澄んでいるため、美しい月を見ることができるのです。

ところで、その月をなぜ中秋の名月と呼ぶのでしょうか。それは、旧暦7~9月である秋を三つの時期に分けていることに由来します。

秋をはじめから『孟秋(初秋)』、中盤の『仲秋』、終盤の『季秋(晩秋)』としていました。さらに、秋の真ん中である陰暦8月15日は『中秋』といい、『仲秋・中秋』と両方使われるようになりました。ただ、8月15日の月、という意味では『中秋の名月』という言葉の方がふさわしいでしょう。

以上のことから、美しい秋の満月を『中秋の名月』と呼ぶようになったのです。

中国の「中秋節」が起源

十五夜のお月見は、中国に伝わる『中秋節』が起源だともいわれます。商の時代(紀元前1600~1046年)に生まれたもので、月を祭る行事は3000年余りの歴史を持っているのです。

伝統的な祭りとして広がったのは、唐の時代(618~907年)のことで、今でも中国では中秋節の行事を盛んに行う地域があります。

一般的な過ごし方としては、月祭りを開催し、みんなでお祝いするものです。『月餅』という日本のお饅頭に似たお菓子を食べ、提灯などを飾ります。

地方ごとに祝い方には違いがあります。香港では、『舞火龍』というファイヤードラゴンダンスなどが披露されます。近年の台湾では、月餅と合わせて、焼き肉を食べることも普及しています。

十五夜の広がり

古くから伝わる十五夜ですが、その歴史をひも解いてみましょう。そこには、高貴な人々にとっての意味や、庶民の暮らしとの関わりが浮かんできます。

平安時代に貴族の行事として広がる

中国で生まれた十五夜を祝う風習ですが、日本に伝わったのは平安時代のことです。風雅を楽しむ行事としてのお月見が、貴族の間で広がっていきました。

日本の気候の特徴に、豊かな四季が訪れる点があります。季節ごとの月はそれぞれに趣深いですが、特に美しいとされるのが中秋の名月です。

『雪月花』『花鳥風月』といった言葉があるように、月は古来より風雅を象徴するものとして位置付いてきました。平安時代の貴族たちは、その素晴らしさに酔いしれながら、ご馳走と酒を口にしつつ和歌を詠むという宴を開いたのです。

江戸時代には庶民へ普及

十五夜にお月見をする風習は、江戸時代に入ると庶民へと広がりを見せます。特に、農家にとって大切なお祝い事になっていきました。

旧暦の8月15日は、当時は秋の終わりにあたります。この時期は、一通りの収穫を済ませ、1年の農作業が終わりを迎える頃です。

農家がゆっくりと過ごせるようになる時期に、この年も無事に収穫できたことを月に感謝しました。その際、団子・芋・柿・栗など、秋の味覚を供えるようになったのです。

ある地方では、『芋名月』と呼び、里芋を供えるところもあります。月見団子が丸いのは、月の丸さと里芋の形の双方に似せるためという説もあるのです。

お月見は十五夜以外にも楽しめる

お月見といえば十五夜、というイメージが強くあるでしょう。しかし、きれいな月を楽しめるのは、この日だけではありません。お月見によい時期について紹介します。

十五夜の次に美しい月といわれる「十三夜」

『十三夜』も、お月見にふさわしい日です。旧暦9月13日にあたり、旧暦8月15日の十五夜の次にやってくる十三夜になります。

現在の暦と旧暦のずれは、カレンダーの1カ月後というわけではありません。それぞれ9月15日、10月13日ではなく、日付が毎年異なることに注意が必要です。

十三夜も、中秋の名月に肩を並べるほどの美しさを持っているといわれます。そのため、この日のお月見も趣深いとされてきました。

一部では、十五夜と十三夜のどちらか一方しか祝わないことを『片見月』と呼び、縁起が悪いとされてきたのです。それゆえ、両日でお月見をする地域もあります。

十日夜も合わせて「3月見」とも呼ばれる

さらに、『十日夜(とおかんや)』と呼ばれる日もあります。これは、旧暦の10月10日のことです。

この日には収穫祭を行う地方も見られ、田の神様が宿るとされる『かかし』にお供え物をし、みんなで祝う『かかしあげ』の風習が残る地方もあります。また、わら鉄砲などを持った子どもたちが地面を叩きモグラが作物を荒らさないように願うなど、多様な行事があるのです。

地域によって、十五夜・十三夜・十日夜すべてを祝うこともあり、そのことを称して『3月見』と呼びます。

構成/編集部

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