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女性が初めて購入したマンションの価格、4割が3000万円台

2020.07.12

人生100年と言われる今の時代、「資産運用」は避けては通れない課題の一つとなっている。そんな中、「資産価値」を意識してマンション購入に踏み切った女性563名を対象にした、一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」による意識調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。

初めてマンション購入をした時の自身の状況

購入したときの年齢は35~44歳がボリュームゾーンで、約半数は39歳まで、未婚が78.7%を占めた。

「人生100年時代」と言われる昨今では、定年後や「無年金」時代を見据えて、住宅ローンを現役時代に払い終えたり、在宅ワークや定年延長に備えようと、40~50代以降の女性の購入熱も高まっている。

派遣社員・契約社員/フリーランス・自由業/パート・アルバイト・フリーター/専業主婦など非正規社員も15%超。

年収は「500万円台」がトップ。続いて「400万円台」、「300万円台」が多く、「一般的な会社員」も購入に踏み切っている。

初めてマンション購入をするまで

購入に至る理由として、「(賃貸物件の)家賃や更新料がもったいないと思った」こと(56.7%)が一番の理由に。続いて、「資産として残せるから」(54.7%)、「快適で安全に暮らせる家がほしかった」(47.4%)となった。

マンションを購入することで「捨てている」お金ではなくなり、「資産として残せる」お金になり、資産や投資として考える女性も。分譲物件であれば、「追い出されない」という安心感もある。

購入にあたり不安だったことは「購入後にローンをずっと払い続けられるか」(43.9%)がトップに。現在の賃貸物件の家賃と購入したい物件の住宅ローンの月々の返済額を比べて、無理をせずに購入できるかを考え、身の丈に合った資金計画を立てることが重要。

また、「購入後にマンションの資産価値が落ちて損をしないか」(21.7%)という不安を持つ女性も多く、ライフスタイルの変化で住まなくなることも踏まえて、売ったり貸したりしやすい物件を選ぶことがポイントとなる。

さらに、「結婚する際の足かせにならないか」(2.1%)を懸念した人は少なく、マンションと結婚問題は別として考え、独身時代のマンション購入のハードルは低くなっている。

マンション選びのポイントと、実際に購入したマンション

女性がマンション選びで重視するのは「資産価値」。それを図る指標となる「駅距離」(74.2%)や「エリア・沿線」(74.1%)、「間取り」(65.9%)、「周辺環境」(55.1%)が上位に。資産価値が高いマンションの条件である「新築・駅近・都心」を念頭に、「資産価値」が下がらない物件という視点で物件を選んでいる。

間取りは、単身者や二人暮らしに適しており、働き方改革で在宅ワークも視野に入れた間取りの「1LDK(1DK)」(54.2%)、「2LDK(2DK)」(24.3%)の「コンパクトマンション」が人気で、一人暮らしにおいても「1LDK(1DK)」以上を選んだ人が93.6%に。

「コンパクトマンション」は生涯未婚率の上昇によりディベロッパーが続々と市場に参入しているものの、まだまだ供給不足が続いており、中古になっても需要が高く、価格が下がりにくいのが特徴。

ライフスタイルの変化で、もし住まなくなったら、売りに出すよりも賃貸にして家賃収入を得ることも可能。特に都心、人気沿線上の駅から近い、管理が良いといった条件がそろったコンパクトマンションは、将来的に売却や賃貸への変化にも対応できるので資産性が期待できる。

初めてマンション購入と資金計画

初めて購入したマンションは「3,000~3,499万円」(23.6%)、「3,500~3,999万円」(17.9%)と、3,000万円台が約4割を占めた。

2018年の調査によると「2,500~2,999万円」(23.7%)、「3,000~3,499万円」(26.1%)であったが、今では住宅ローン金利がさらに下がっているため、毎月の返済は同じであるものの、予算としては500万円上昇している。

頭金は4人に1人は100万円未満である一方で、1,000万円以上も2割おり、結果は2極化。近年は、頭金0円での購入が急増しており、背景には金融緩和の影響で頭金なしでもローンが組めるようになった経緯がある。

「ボーナス払い」も「0円(なし)」(79.4%)の女性が多く、無理のない資金計画を立てていることが判明。

マンション購入とその後の人生プラン

マンション購入後、「心が豊かになり、ゆとりができた」(40.5%)、「将来の不安や心配が減った」(33.9%)など、ポジティブな気持ちの変化が目立った。この結果は2018年と同様だった。

初めて購入したマンションに「一人で住んでいる」(61.8%)ほか、「人に貸して家賃収入を得ている」(9.8%)人も。

また、3人に1人は今後、2戸以上のマンション所有を希望。将来の年金不安もあり、自分名義のマンションで家賃収入を得るなど、投資目的で活用している女性が増えている。

未婚女性の75.5%が結婚を希望。結婚意志のある女性がマンションを購入する時代に。女性の「結婚」と「マンション購入」は全く別の問題であるという意識が浮き彫りになった。

住んでみて分かった理想のマンション

実際に購入したマンションに住んでみて重視すべきだと回答が多かったのが、「広さ」(25.4%)、「収納量」(22.0%)。

収納においては、「ウォークインクローゼット」(74.6%)、「玄関収納」(57.2%)といった衣服に関わる部分を必要とする女性が多い。また、「食器棚」(54.5%)も造り付けを希望する女性が多い結果に。

関心が低かったものに関しては未婚男性とは違い「共用施設(スポーツジム、ロビーラウンジなど)」(3.9%)や、外観のデザイン(3.4%)など、購入前、購入後ともに低く表れている。

あるとうれしいマンション設備

理想のマンションとして多少価格が上がってもついてほしい設備は「浴室換気乾燥機」(58.8%)、「玄関の姿見ミラー」(44.4%)、「3つ口ガスコンロ」(38.7%)、「布団収納」(34.3%)と続いた。

また、意外に少ないものとして「食器洗浄乾燥機」(25.2%)、「ディスポーザ」(19.5%)、「ミストサウナ」(12.1%)が挙げられた。この3点に関してはむしろ未婚男性や既婚者に需要が高い模様。

番外編

直近5年でマンションを購入した女性のうち、開催間近だった2020年東京オリンピックを意識したのは意外にもわずか2割。また、新型コロナウイルスの流行で自宅で過ごす時間が増える中、住まいに対して不満や不安を感じた点を8割は「ない」と回答しており、マンション購入女性の充実した「おうち時間」がうかがえた。

これからマンション購入をする人へのアドバイス

マンションを購入した約6割が、これから購入を考えている人に 「100%完璧なマンションはない」 と助言。年収、貯金が少なくても、年齢が高くてもあきらめないでとエールを送っている。

自分にとって譲れない条件をリストアップすることが、効率的な物件探しのカギとなる。

<「女性のための快適住まいづくり研究会 マンション購入に関するアンケート」 概要>
調査方法 :インターネットによるアンケート調査
調査期間 :2020年4月18日~29日
調査対象 :「女性のための快適住まいづくり研究会」の女性会員のうちアンケートに回答いただいた563人
【内訳】 ※()内は人数
年代…20代/2.2%(12)、30代/32%(180)、40代/45.3%(255)、50代/17.9%(101)、60代/2.7%(15)
居住…東京都/53.6%(302) 、大阪府/18.7%(105)、神奈川県/11.2%(63)、埼玉県・千葉県/各5.2%(29)ほか
婚姻状況…未婚/75.5%(425)、既婚15.3%(86)、離婚7.1%(40)、婚約中1.6%(9)、離婚予定0.5%(3)

出典元:一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会

構成/こじへい

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