2020年6月26日にJabraより発売されたワイヤレスヘッドホン「Jabra Elite 45h」。その特徴はなんといっても「バッテリー持続時間」だ。公式サイトに記載されている仕様書によると、バッテリーは最長50時間とあるが、果たして本当に丸2日以上も電池が持つのか。
そこで音楽配信サービスで3つのジャンルの曲を約8時間流しっぱなしにし、専用アプリ「Sound+」を使って残量バッテリーを計測。その持久力を実際に試してみた。使用するデバイスはiPhone XSだ。
テストにあたり、音の大きさは実際に筆者が音楽を楽しむ際に設定する音量とした。
実機テスト(時間)ロック
午前0時から計測開始。Jabra Elite 45hのバッテリー残量は100%だ。
まずは曲調の激しいロックを約8時間、Jabra Elite 45hにつないだiPhoneから流しっぱなしにする。カタログスペックどおりのバッテリーであれば、午前8時時点で電池残量は84%(50時間-8時間=42時間・84%分)ほどになっているはずだが、果たして……?
午前8時。iPhoneから「Sound+」でJabra Elite 45hのバッテリー残量を確認すると、なんと残り89%! 午前0時から午前8時まで曲を流しっぱなしにしたのにも関わらず、わずか11%しか電池が消費されていなかったのだ。Jabra Elite 45hを装着してみると、もちろん音楽は流れ続けている。どうやら最長50時間のバッテリー持続時間は“ホンモノ”らしい。
実機テスト(時間)クラシック
午前10時から計測開始。Jabra Elite 45hのバッテリー残量は100%だ。
続いてはクラシックミュージックを約8時間。同じくiPhone XSから音楽配信サービスを使って流しっぱなしにする。果たして午後18時までに何%が残るのか……。
午後18時。プレイヤーを停止し、「Sound+」で残量バッテリーを確認すると、なんと残り91%。8時間クラシックを再生し続けたにも関わらず、わずか9%しか電力を消耗していなかったのだ。驚くべき持久力である。
実機テスト(時間)アニソン
午前0時から計測開始。Jabra Elite 45hのバッテリー残量は100%だ。
最後に試したのは、音域の幅が広めで音程の上下が激しいアニソンだ。テスト条件は上記2ジャンルと同じく、8時間。iPhoneから音楽配信サービスを使って流しっぱなしにする。計測開始時刻は午前0時。果たして8時間後の午前8時、Sound+に表示されるバッテリー残量には、どんな数値が表示されるのか……。
結果。残量バッテリーは87%と、わずか13%しか消費していないことがわかった。無論、音量や曲のジャンル、プレイヤーアプリによって、その数値が上下することはあるだろうが、3つのジャンルの音楽で試してみて、平均11%しかバッテリーが消費されていないあたり、どうやらJabra Elite 45hの「最長50時間再生」はホンモノのスペックであるようだ。
バッテリー以外の性能は?
Jabra Elite 45h最大の特徴である「バッテリー持続時間」が本物であるとわかったところで、続いては着け心地、音質をはじめとする使い勝手、Sound+のペアリング方法を見ていこう。
ペアリング
本体右側のスピーカーの側面にスライド式のスイッチがあるので、こちらをBluetoothのマーク側に数秒間スライドすると、青い光が点滅してペアリングモードとなる。スマホのBluetooth設定を開き、「Jabra Elite 45h」を選択。接続設定を完了させよう。1度接続設定をしてしまえば、その次からは電源をオンにするだけで接続できる。なお、接続できるデバイスの数は最大で8。1度に2つのデバイスとペアリングできる。
2回目以降は接続設定をせずに、電源をオンにすれば自動でデバイスとつないでくれる。
着け心地
Jabra Elite 45hはオンイヤー型のワイヤレスヘッドホンだ(オンイヤー型とは文字通り、耳の上に乗せるタイプのヘッドホンのこと)。装着感は軽く、長時間着けていても負担に感じることは少なかった。イヤークッションに使われている素材は、衝撃吸収性が強く低反発なメモリーフォーム。
音が出るスピーカー部分は90°以上回転できる。持ち運ぶ時にもコンパクトに収納できる点も嬉しい。スライダーは約5〜6㎝伸びる。頭のサイズや形に合わせて調整しよう。
音質
バッテリーや装着感が優れていても、満足のいく音質でなければ、長時間音楽を楽しむことは難しいだろう。Jabraのヘッドホンカテゴリの中では、最大の40㎜スピーカーを搭載している「Jabra Elite 45h」の音質を「ロック」・「クラシック」・「アニソン」の3ジャンルでチェックしてみた。
低音域は、ヘッドホンの外側からも響いてくるような感覚で、音の広がりを感じる。中〜高音域の音は比較的クリアに聴こえるため、楽器1つ1つが奏でる音色もしっかりと楽しめる。全体的にバランスの良い音質という印象を受けた。
なお、Jabra Elite 45hはバッテリーテストでも何度か紹介したアプリ「Sound+」を使えば、自分にあった音質に設定できる。
アプリ「Sound+」
Sound+を利用すれば、自分好みの音質イコライザーが設定できたり、接続/切断時などにヘッドホンから発せられるガイダンス言語も変更可能だ。また、MySoundという新機能を使用すれば、ヒアリングテストによってユーザーの聴覚に即したプロファイルを作成できる*。
*MySoundは、現在Elite 45h、Elite 75t、Elite Active 75tのみ対応。
アプリを起動し、「ヘッドセット」から「MySound」を選択。年齢や性別を選択した後、ヘッドホンから発せられる低〜高音域が聴こえたら、画面をタップしていく。わずか2〜3分で自身の聴こえ方にあった音質に調整されるのだ。ちなみに筆者の場合はデフォルト時よりも、プロファイリング作成後の方が、やや低音域が伸び、高音域がしっかりと聴き取れるようになった印象。
アプリを起動し、「ヘッドセット」から「音声ガイダンスの言語」を選択。変更したい言語を選んだ後、データのダウンロードが始まる。しばらくするとガイダンス言語が変更されるはずだ。
アプリ起動のホーム画面からすぐにイコライザーの操作ができる。専門用語を知らなくとも、音楽を流しながらグラフを感覚的になぞるだけで、音の操作ができるのでぜひ試してみてほしい。プリセットからも操作できる。
純粋に音楽を楽しめるのはもちろん、在宅勤務時にも持ってこいの性能!
新型コロナウイルスの影響から、徐々に需要が高まりつつある「在宅ワーク」。中には集中力を高めるべく、環境音や家族の話声が耳に入らないよう、イヤホンやヘッドホンを装着して、音楽を聴きながら作業をしている人もいるだろう。しかし、ワイヤレスオーディオの弱点の1つでもある電力切れは、避けては通れないだろう。やはり長時間稼働させていると、途中で電池が切れてしまうことがあるからだ。
その点、Jabra Elite 45hならは、上記で実証したテストのとおり、8時間以上稼働させてもまったく電池切れの心配は要らない。その上、たった15分の急速充電をすれば、約10時間分のバッテリーが復活する点も見逃せない。
純粋に音楽が楽しめるのはもちろん、Jabra Elite 45hは、自宅での仕事にもってこいの性能だ。
写真・文/髙見沢 洸