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秒間20コマのカメラや音響技術を刷新した5Gスマホ「Xperia1 II」の実力を徹底検証

2020.07.09

■連載/石野純也のガチレビュー

 21:9の縦に長いディスプレイやトリプルカメラを搭載したXperia 1で、新シリーズとして生まれ変わったXperia。その後継機が、Xperia 1 II(マーク2)だ。その名の通り、第2世代のXperia 1ということで、縦長の4K有機ELディスプレイは継承。画素数をそろえたトリプルカメラも、引き続き搭載している。日本ではドコモとauが取り扱っており、現在販売中だ。

 IIという型番だけを見ると、単なるマイナーチェンジモデルかと思われるかもしれないが、Xperia 1 IIは初代から、その中身を大きく変えている。1つが通信方式。6GHz未満の周波数帯を使うSub-6のみながら、ドコモとau、それぞれの5Gに対応しており、エリア内であれば超高速な通信を利用できる。

 一見同じように思えるトリプルカメラも、中身は別物だ。メインのセンサーは1/1.7インチに大型化しており、暗所での撮影に強くなった。被写体を正確に捉えるiToFセンサーも搭載。さらに、αのUIをスマートフォンのスタイルに落とし込んだ「Photography Pro」に対応しているのも、Xperia 1 IIの特徴だ。このアプリとの組み合わせで、秒間20枚の超高速連写も実現する。

カメラが大きく進化した5GスマホのXperia 1 II

 非接触充電のQiに対応したり、イヤホンジャックが復活したりと、その他の見どころも多い。こうした機能に魅力を感じ、筆者もXperia 1 IIを購入したユーザーの1人だ。約2週間使ってわかった、この端末の実力をレビューしていこう。

手にしっくりなじむ21:9のボディ、映像もキレイでアプリ分割も使いやすい

 まずはデザインだが、Xperia 1から継承した21:9のアスペクト比のおかげで、6.5インチながら、手にしっかりなじむ。“シュっとした感じ”の見た目と言えば、イメージがわきやすいかもしれない。この比率に慣れてくると、ほかの端末が逆に太く見えてしまうから不思議なものだ。ディスプレイにはノッチもなく、かと言ってベゼルも最小限に抑えられているため、スタイリッシュな印象を与える。

 購入したのは、ドコモのみが取り扱うパープル。パープルと言っても、いかにもな紫色ではなく、光の当たり方によってはシルバーにも見える薄い色合いだ。太陽光など、暖色系の強い光を当てると、パープルの色がはっきりわかる。シルバーに近いと言っても、光り方は鈍く、落ち着いた色合い。フレームも同系色でまとめられており、上質感のある仕上げになっている。フラッグシップモデルにふさわしい外観と言えそうだ。

フラッシュを直接当てると紫に見えるが、反射光だとシルバーに見える

フレームも同系色にまとめられていて、スタイリッシュな印象

 21:9のディスプレイは、シネマスコープに比率が近く、横に持って映画を見る時に重宝する。画面に映像がピッタリ収まり、ノッチもないため、映像が邪魔されることもない。HDRでの表示にも対応しており、黒が締まって見える。有機EL特有のギラギラとした発色ではなく、映像がナチュラルに見えるよう、チューニングされているようだ。人によっては、やや青っぽく見えるかもしれないが、表示品質は高いと言えそうだ。

21:9のディスプレイは、映画を見るのに最適だ

 映像がキレイなだけでなく、21:9のディスプレイは、アプリを分割表示する際にも活躍する。2つのアプリを同時に表示すると、1つ1つが正方形よりやや縦長になり、18:9のスマホよりも見た目が自然。スマホのアプリは縦スクロールを中心に設計されているものが多いため、画面分割時にもそれが生きるというわけだ。2画面表示にする手順にも工夫があり、画面の端をダブルタップして呼び出す「サイドセンス」から、簡単に2つ目のアプリを起動できる。

縦に長いディスプレイは、2つのアプリを同時に表示した時にも使い勝手がいい

サイドセンスから2つ目のアプリを呼び出し、画面を分割できる

 ただし、サイドセンスを上手く呼び出すには、少々慣れが必要。2週間程度、メイン端末として使ってきた筆者でも、うまく表示できないケースがある。サイドセンスが有効になる位置や範囲などは、設定変更できるため、持った時に使いやすいよう、チューニングしておくといいかもしれない。なお、サイドセンスはダブルタップだけでなく、上スライド、下スライドにも対応しており、各種操作を割り当てることが可能だ。

サイドセンスの呼び出しがうまくいかない時は、設定で自分好みにチューニングした方がいいだろう

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