貯金をしようと思いつつ、なかなか貯まらなくて悩んでいる方は必読!
奨学金をたった1年で完済し、年間300万円以上の貯金にも成功している節約YouTuberくらまさん(チャンネル名『倹者の流儀』)に節約・貯金の極意を聞いてみた。
普段は会社員として働いているくらまさんは、独自の節約術を駆使して収入の8割もの金額を貯金しているという。
【取材協力】
くらま・・・節約・貯金情報を配信するYouTubeチャンネル『倹者の流儀』運営者。会社員として働きながら、副業でYouTuberとして活動している。独自の節約術を駆使して奨学金を1年で完済、さらに年間300万円以上の貯金にも成功。ファイナンシャルプランナー資格保有。
YouTube:『倹者の流儀』
貯金にもっとも大切なのは、“自分にとっての目標・目的を明確にすること”
日々倹約に励みながら、驚異的なスピードで貯金額を増やし続けているくらまさん。節約・貯金にもっとも大切なことは、一体何なのだろうか。
「自分にとっての目標・目的を、明確にすることです。最低限の老後の生活資金が欲しいのか、贅沢で優雅な暮らしをしたいのか、家を買う、借金返済したい……など、一人ひとり人生の目標って違うと思うんです。
目標によって、必要な貯金額も変わってきますよね。必要な貯金額がわかれば、自分に合った節約方法もわかるはず。
僕がYouTubeで提供しているのはあくまでもひとつの手法であって、皆さんが僕と同じ価値観ではありませんから」
では、くらまさん自身は、何を目標に節約・貯金に取り組んできたのだろうか?
「僕の場合だと、“平穏な心で、平穏な暮らしをしたい”というのが目標でした。なぜかというと、昔奨学金という多額の借金を背負っていて、なおかつ収入も少なかったという事情がありました。
ずーっと、何年も何年も悩んでいました。お金について慢性的な悩みを抱えていると、人生って本当に楽しくなくて。何をしていても満足できないし、幸福感を味わえなかった。人間関係とか健康とかも、正直どうでもよくなっていた時期もありました。
それを解決するためには、やっぱりお金の悩みを消さないといけないな、と思って節約・貯金を始めたんです」
節約・貯金を開始してからは、少しずつ精神的な余裕が生まれ、人生がより良いものに変わったそうだ。
「節約・貯金を始めて金銭的に余裕ができてからは、人生が格段に楽しくなりました。将来の不安がなくなったことによって、心が自由になったんです。そうすると、いい循環が生まれて、人間関係にも気を遣うようになるし、余裕ができたから健康にも気を遣うようになってきて、好循環が生まれました」
まずは自分自身と向き合って、何のためにお金を貯めているのか、しっかり確認してみよう。
お金を払って買ったもの=自分の命!“今持っている物を使い切る”ことが大切
もうひとつ非常に重要なのが、自分の持ち物を大切にするということ。
「まずは、自分が今持っている物を把握しましょう。そうすれば、無駄な出費がなくせるはず。どんな物をどれぐらいの量持っているか把握していないと、“あれ、こんなものあったかな?”となって、無駄なものを買ってしまいがち。“自分が今持っているもの=在庫”と考えて、常に在庫確認をしておくべきです」
くらまさんによると、お金を払って手に入れた物は、自分の命に等しいそうだ。
「そもそも自分の持ち物というのは、大切なお金を払って得たものなので、“物=お金”でもあると思うんです。
僕の価値観としては、“お金=時間=命”。お金を得るために、多くの人は時間を使って働いている。人はいつか必ず亡くなるので、時間は有限です。時間を使って得たお金は、命に等しいと思うんですね。
お金を払って得た物というのもまた、“時間であり、お金であり、命”。ちょっとオーバーかもしれませんが、“物=命”だと考えると、物を大切に扱うようになり、結果的に無駄遣い防止に繋がると思います」
節約が捗るオススメのアイテム3つ
次に、節約・貯金が捗るオススメのアイテムをくらまさんに聞いてみた。くらまさんによると、以下の3つが欠かせないそうだ。
① ポイントが貯まるクレジットカード
② 使いやすい調理器具
③ 利率の良い銀行口座&証券口座
「クレジットカードは、“ポイ活”ができるのが大きいですね。工夫してポイントを沢山貯めることができると、節約がどんどん楽しくなってくる。
クレジットカードを持つことによって、どうやったらもっとポイントを貯められるのか、お得に購入できるのかを考えながら買い物をするようになりました。クレジットカードによって、節約の楽しさを知ったと言っても過言ではないかもしれません」
使いやすい調理器具も、節約の味方。
「自炊が楽しくなれば外食しなくなるので、節約に繋がります。僕の最近のお気に入りは、ホットプレートとケーキの型、そして上質な包丁。よく切れるので、料理をしていて気分がいいです」
金利の高い銀行口座&証券口座のセットも、欠かせないそうだ。
「少しでも金利の高い口座、自分にとって使いやすい口座を選ぶことが重要。節約で貯まったお金は、証券口座にも回すようにしています。お金でお金を増やせるとなると、さらに節約・貯金のヤル気が出てくる。その結果、今まで以上にお金を大切に扱うようになりました」
挫折を防ぐ!節約・貯金のモチベーション維持のコツ
意気込んで節約・貯金を始めたものの、誘惑に負けて挫折してしまう人は多い。モチベーションを維持し続けるためには、どうすればいいのだろうか。
「一番重要なのは、小さな成功体験の積み重ねだと思います。何をもって成功体験かというと、節約・貯金の場合は“支出を絞れていること”、そして“貯金残高が増えていること”。
まず家計簿をつけて、支出が絞れているかチェック。次に、貯金残高を確認して、増えているかチェック。
頑張った成果を数字で確認できたら、たとえ少額でもきっと嬉しくなるはず。モチベーションがアップし、ゲームみたいに楽しくなってくると思います」
節約・貯金は、ダイエットに似ているという。
「ダイエットも、こまめに体重計に載って成果を確認しながら取り組んだ方が、成功しやすい。節約・貯金の場合は、貯金残高が体重計に相当します。とにかく、まずは小さな成功体験を味わってみましょう」
映画や本を活用して、楽しみながらお金の勉強をするのもオススメだそう。
「映画なら『闇金ウシジマくん』シリーズ、『殿、利息でござる!』。本なら『となりの億万長者: 成功を生む7つの法則』、『バビロンの大富豪: 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』。
特にオススメなのが、映画『闇金ウシジマくん』です。ドラマ版も観ました。ストーリーは怖いですが、登場する多重債務者を自分だと思いながら、お金の教訓を学びました。欲望のコントロールができないとこうなるんだな、と」
節約・貯金を当たり前の習慣にできれば、そもそもモチベーション云々を考えなくてよくなるとくらまさんは語る。
「歯磨きと同じレベルの習慣にまで落とし込めるのが、本当は一番楽なのかもしれません。節約・貯金を習慣化するためには、自分にとって心地良い節約水準を探っていくことです。
僕みたいに、手取りの8割も貯金する必要はありません。皆さん一人ひとり趣味やライフスタイル、人生の目標に合ったベストな節約水準を知ってください」
くらまさんオススメ!お金がかからないストレス解消法3選
飲み会やショッピングなど、お金のかかるストレス発散は節約の大敵。“節約の達人”くらまさんが取り入れているストレス解消法は、以下の3つだ。
① 筋トレ
② ウォーキング
③ 料理
「筋トレについては、僕はジムには通っていません。自宅でトレーニングするか、公園の鉄棒で懸垂するか、会社の階段で筋トレするか。僕にとっては、街中が筋トレスペースです」
ウォーキングは、景色を楽しむことで気分転換にもなる。
「ウォーキングは足腰も鍛えられるので、将来の健康への投資に繋がります。行ったことがない街を歩いて、新しい発見もできる。ビル街を歩くのが、とくに好きです。たまにはちょっとだけお金をかけて、自然散策をするのも良さそうです」
料理は節約とストレス解消を兼ねているので、一石二鳥だそう。
「料理は、娯楽でもあり、生活スキルを磨くことにもなります。好きなものを作れるようになって、外食が激減しました。お店で食べれば3,000円する流行のメニューも、自分で作れば1,000円以下に収められます」
節約・貯金を妨げる!やめるべき3つのこと
くらまさんによると、節約・貯金に成功するためにやめるべき行動が3つあるそうだ。
① 見栄を張る
② 広くて浅い人間関係
③ 酒・タバコ・ギャンブル
「見栄を張るのをやめると、めちゃくちゃ節約・貯金に繋がります。僕もそうだったのですが、見栄を張っていた時はとにかくお金が出ていきました。
自分を強そうに見せるために、どうしても実力以上の出費をしてしまうんですよ。
でもそれって、結局他人の基準で生きていくことになってしまうので。人は人、自分は自分。自分の価値基準で生きることが重要だと思います」
交友関係が幅広いのは一見良いことのように思えるが、節約・貯金を妨げる大きな要因になる。
「僕は大学時代、どんな人にもいい顔をして仲良くして、過剰に人間関係を広げていました。色々なグループに所属して、知り合いはどんどん増えていくけれど、一人ひとりと親密な連絡をする関係ではなかった。結局、未来にも繋がらなかったし、時間もお金も失うことになった。節約・貯金に成功したいのであれば、薄くて広い人間関係は避けるべきだと思います」
最後は、昔ながらのストレス発散法としてお馴染み“酒・タバコ・ギャンブル”の3点セット。
「ちゃんと節度を守れるのなら必ずしも悪いとは言えませんが、本気で節約・貯金したいならオススメできないです。健康にも悪いし、いいことはないと思いますね。
僕の経験上、貯金がある程度貯まってくると、今度は健康が非常に気になってきます。努力して貯めたお金を守るためには、“健康な体”という資本が必要だから。不健康な行為を辞めるのは、絶対に重要です」
さらに、“辞めるとは言わないけれど、よく考えるべきこと”も3つあると、くらまさんからアドバイス。
「それは、“マイホーム・マイカー・保険”です。
日本ではこの三つを購入して当然という風潮がありますが、くれぐれも周りの人に流されないようにしてください。あくまでも自分の価値観で、買うか買わないか決めましょう。人によっては、必要でない場合もあるからです。中古住宅で十分な場合もあるし、中古車でいい場合や、車をシェアすれば済むケースもあります」
節約・貯金がつらくなった時は、どう乗り越えればいい?
周囲の人が海外旅行やコンサートやショッピングなどの趣味を楽しんでいる中、自分だけが節約・貯金に励むことがツラくなる人もいるだろう。
我慢しすぎて爆発しないための秘訣とは。
「消費・浪費・投資のバランスを、見直してみましょう。お金の使い方って、だいたいこの三つに分類されるんですね。節約・貯金を一生懸命しているときは、たぶん浪費が少なめになっていると思うんです。
実は、浪費というのは、必ずしも悪いものではありません。適度に自分を許して、楽しいお金の使い方をするのも大切。自分が本当に“これ、やりたいな”と思うことに関しては、お金を使っても問題ないです。
適度に自分を許しつつ、自分にとって心地良い節約水準を探っていくことです。浪費を適度にするということも、節約・貯金に繋がります。
“0か100か”だと極端すぎますし、人間はそんな風にはできていないので。節約と浪費のグラデーションが大事ですね」
超節約家のくらまさんも、浪費をすることがあるのだろうか?
「僕の場合は、“月10,000円以内なら好きに使ってもよい”をマイルールにしています。
好物である大福を買ってみたり、Amazon Prime Videoに登録して好きな映画を観たり。趣味の料理をとことん楽しむために、新しい調理道具や珍しい外国の食材を買ってみたりもします。
最近は、YouTube動画内で着る衣装としてオリジナルTシャツも作ってみたりしました。新型コロナウイルス流行前は、旅行も時々楽しんでいましたよ。
ほどほどに浪費をすることによって、欲望をうまく解放してコントロールする方法も学ぶことができると思います」
お金は、生きていく上で誰もが真剣に向き合わなくてはならないテーマだ。最後に、今お金の悩みを抱えている人に向けて、くらまさんからメッセージをもらった。
「お金に向き合うことは、自分の人生に向き合うことです。今お金で苦しんでいる人、将来が不安だけどなかなか貯金ができない人は、ぜひ自分の現状に向き合ってください。
お金だけが人生の全てではありませんが、お金は間違いなくあらゆる場面で必須なものです。
貯められない人は、なぜ貯められないのか原因を突き止めて、“貯めなきゃダメだ”と気持ちをしっかり切り替えて、節約・貯金に取り組んで欲しいです。
もしツラくなったら、その時はぜひ僕のチャンネルを観ていただければと思います!」
文/吉野潤子