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絞りの浴衣の魅力とは?独特の風合いを維持する秘訣、自宅でのお手入れも解説

2020.07.25

夏の花火大会や盆踊りなどのイベントに着ていく浴衣を、新調したいと考えている人もいるのではないでしょうか?浴衣は多種多様ですが、独特の風合いを楽しめる『絞り浴衣』もおすすめです。絞り浴衣の特徴や魅力、手入れの方法などを紹介します。

絞りの浴衣とは

『絞り浴衣』という名前を、初めて聞く人もいるのではないでしょうか?また、「どんな浴衣なんだろう?」と思う人もいるかもしれません。しかし、夏に絞り浴衣を着ている人は多いため、実は目にしたことがある人も少なくないのです。まずは、絞り浴衣がどのような着物なのか特徴を紹介します。

絞り染めで作られた浴衣

絞り浴衣は、染色方法の一つである『絞り染め』という技法を用いて作られた浴衣のことです。絞り染めの特徴は、生地表面の絞りのでこぼこです。平滑でないため、肌にペタッと張り付くことが少なく、サラリとした着心地が魅力です。見た目も涼しげな印象になります。

また、絞りのでこぼこによって立体感が生まれ、高級感のある華やかな印象になるのも魅力です。絞り浴衣の代表的な色合わせである紺と白のシンプルな浴衣は、比較的どんな帯とも合わせやすく、年齢問わず着られるのもメリットです。

絞り染めとは

絞り染めは、糸で生地を縫い締めたり、くくったりして、生地に絞り模様を作る技法です。糸で縫い締めたり、くくったりした部分は染料が付かないため、染め残しができます。この染め残しが、独特な模様や風合いを生み出すのが魅力の一つです。

絞り染めのルーツはインドにあり、7世紀頃に日本に伝わってきたとされています。奈良時代には、生地に模様を染める多種多様な技術が生まれました。その後もさまざまな技術が発達し、江戸時代になると多数の優れた技術が完成したとされています。

代表的な絞り染めの技法

絞り染めと一口にいっても、実際には多数の技法があります。中でも代表的な技法について紹介します。

有松絞り

絞り染めで有名なのが、400年以上もの歴史がある『有松絞り』です。多くの技法を有し、高い技術を誇る有松絞りは、国の伝統工芸としても認定されています。

有松絞りの始まりは、生産地である愛知県名古屋市の土地柄にあります。有松地方は、農地に不向きな土地だったため、収入源として絞り染めを始めたのがきっかけとされています。

美しい自然の風合いが魅力の有松絞りは、次第に東海道を行き来する旅人が競って買い求めるほどの定番のお土産となり、名産品として広まっていったのです。現在も昔ながらの伝統的な技法を大切にし、卓越した技術を持つ職人が1年近くかけて丁寧に手作りしています。

縫い締め絞り

絞り浴衣の代表的な技法の一つが『縫い締め絞り』です。縫い締め絞りは、まず、生地の絵柄や模様に沿って、生地の一部を糸で縫い、その糸をギュッと引き締めるようにします。糸を引き締め布が重なり合うようになることで、絞り模様を作る技法です。

糸でどのように生地を縫うかによって、異なる特徴の絞り模様が出来上がります。糸の縫い方により、『平縫い締め』『合わせ縫い締め』『巻き縫い締め』と呼び分けられています。

小帽子絞り

小帽子絞りは、生地の一部を白く残し、絵模様を付けるときに用いる技法の一つです。染料が染み込むのを防ぐために、模様になる部分に芯を入れ、帽子のようにビニールなどでしっかり保護し、糸で巻きつけて染めます。

小帽子絞りは、通常、模様の大きさが2~3cmと小さいため、芯を使わずにビニールと糸だけで染料が染み込まないようにすることもあります。

なお、おおむね3cm以上は『中帽子絞り』、もっと大きな模様になると『大帽子絞り』と呼び分けられています。

絞りの浴衣の手入れ方法

絞り浴衣は手間や時間をかけて作られているため、「手入れが大変そう…」と思う人もいるでしょう。しかし、実際には自宅でも簡単に手入れが可能です。

自宅で洗濯する方法

洗濯機で洗うときは、絞り浴衣を大きめに平らになるように畳み、洗濯ネットに入れて洗濯します。洗濯ネットは、浴衣に合わせて大きめの四角いタイプを選ぶと使いやすいです。

洗濯機の設定は、『ドライ』や『ソフト』『おしゃれ着』など、できるだけ手洗いに近い優しい設定にします。洗剤は、おしゃれ着などに使用する中性洗剤を選び、漂白剤が入っていないタイプを選びましょう。

また、脱水も布地を傷めたり、形崩れの原因になったりするため、緩やかな脱水設定にして短時間で済ませるようにします。

脱水が終わったら、さおの長い浴衣(着物)用のハンガー、もしくは物干しざおにかけて、生地の前と後ろを手で挟んでパンパンとたたくようにして形を整えます。風通しのよい日陰に干して乾かしましょう。

シボの戻りも特徴の一つ

絞り浴衣の技法によっては、洗濯したときに、絞った部分である『シボ』が戻り気味になることもあります。特に蜘蛛絞り、鹿の子絞り、三浦絞りの浴衣は、シボが戻りやすくなります。ただし、シボの戻りも絞り浴衣の風合いの一つのため、特にアイロンで伸ばす必要はありません。

シボの戻りが気になる人は、干すときに縦にシボを伸ばすように形を整えるとよいでしょう。また、半乾きの状態でシボが縮んでいるようだったら、アイロンを浮かせてアイロンがけすることで防げる場合もあります。

心配な人は専門店に任せるのが安心

洗濯機で洗える絞り浴衣でも、多少縮んだり、形崩れが起こったりすることも考えられます。自分できちんと手入れができるか心配な人は、後悔しないためにも、専門店に任せるのがおすすめです。

できれば、浴衣や着物のクリーニングに慣れている専門店に任せるようにしましょう。特に染色補正技能士がいる専門店であれば、より安心です。

専門店については、ネットで検索したり、浴衣を購入したお店などに聞いたりしてみるとよいでしょう。

構成/編集部

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