2in1タブレットとして圧倒的な知名度・人気を誇るSurfaceシリーズ。2020年5月に発売となった「Surface Go 2」が記憶に新しいが、これはコンパクトでスペックをマイルドに仕上げ、低価格で販売されている端末。上位モデルとして最新のものだと「Surface Pro 7(第7世代)」と「Surface Pro X」が昨年10月に発表されている。
発表後、先に発売されたのは「Surface Pro 7」。その後約3か月後に「Surface Pro X」の発売が開始された。同時に発表されたため、新しくSurfaceの購入を検討している人の中には、「何が違うの?」と疑問に思った人もいるのではないだろうか。発売から半年が経過した製品ではあるが、この2機種をお借りできたので、使い比べながらその違いを紹介していこう。
見た目・デザインはどのくらい違う?
まずは、見た目やデザインに関する違いを紹介していく。
微妙に違うディスプレイサイズと質量
Surface Pro 7は、12.3インチのディスプレイを採用。本体サイズは201㎜(幅)×292㎜(高さ)×8.5㎜(厚さ)となっており、重量は約775g~。別売りのキーボード兼カバーは旧モデルとの互換性がある。カラーはブラックとプラチナの2色展開。
一方のSurface Pro Xは、13インチディスプレイながら、208㎜×287㎜×7.3㎜、重量774グラムと、Surface Pro 7よりも若干コンパクトで軽い。重量に関しては手にもってわかるほどの差ではないが、ディスプレイに関しては、Surface Pro 7と比較して少し大きい。ベゼル幅を狭くした狭額縁設計が採用されており、本体の大きさを抑えているため、映像に迫力が出る。カラーはブラックのみ。
※上がSurface Pro X、下がSurface Pro 7。Surface Pro Xの方がベゼル幅がかなり狭く、本体サイズもやや小さいのが分かる。
インターフェースの種類にも違いがある
左がSurface Pro X、右がSurface Pro 7
Surface Pro 7には、USB Type-CとUSB Type-Aが1つずつ採用され、microSDスロット、イヤホンジャックが搭載されているのに対し、Surface Pro XはUSB Type-Cが2つで、microSDスロットとイヤホンジャックは搭載されていない。
左がSurface Pro Xのキーボードで、右がSurface Pro 7のキーボード。Surface Pro Xのほうがやや大きく、タッチペンも付属する。
内部の構成には大きな違いが!?
では、CPUやメモリ、ストレージといった内部の構成の違いについても解説していこう。
処理速度を決めるプロセッサは全く別のものを搭載している!
Surface Pro 7には、一般的なWindowsのパソコンに搭載されている「x86プロセッサ」を採用。第10世代Intel Core i3-1005G1とi5-1035G4、i7-1065G7から選択できるようになっている。
Surface Pro Xでは、スマホのCPU開発で有名なクアルコムと共同開発した、ARMベースのSoC「Microsoft SQ1」を採用。省電力や薄型化に優れ、起動速度の高速化などにこだわった。
メモリ・ストレージ容量はあまり変わらない構成
メモリ容量は、Surface Pro 7が4GB、8GB、16GBから選ぶのに対し、Surface Pro Xは8GB、16GBのどちらか。4GBモデルの有無のみが違いとなる。ストレージ容量に関しては、どちらもSSD 128GB、256GB、512GBの3パターン。RAM・ROM共に自宅用、ビジネス用でも十分に活躍できる容量がラインナップされ、自分で適切なものを選べるのもありがたい。
バッテリー容量、カメラ性能、スピーカー性能はどれもSurface Pro Xが上
細かい性能については、Surface Pro Xの方が上のようだ。バッテリー容量はSurface Pro 7が最大約10.5時間の駆動となっているのに対し、Surface Pro Xは最大約13時間。インカメラはどちらも500万画素だが、背面カメラはSurface Pro 7がオートフォーカス対応の800万画素なのに対し、Surface Pro Xはオートフォーカス対応の1000万画素で、4Kの動画撮影にも対応している。1.6Wステレオスピーカー搭載のSurface Pro 7に対し、Surface Pro Xは2Wステレオスピーカーを搭載した。
一番の違いはLTEに対応しているか否か!?
使い勝手に大きな差が出る点として挙げられるのが、Surface Pro 7にはSIMカードが挿入できないのに対し、Surface Pro XはLTE通信に対応しているという点。SIMカードを挿入してLTE通信ができるようになると、移動中や外出先などWi-Fi環境が安定しない状況でも、動画視聴などのオンラインサービスが利用できる。当然、チャットやメールの確認もできるので、出勤中にメールチェックといった作業が快適にこなせるのだ。
汎用性の高いSurface Pro 7・ハイスペックなSurface Pro X
比較した内容を改めて確認すると、Windowsデバイスとして安定した運用が見込めるプロセッサを搭載し、microSDスロットやイヤホンジャックが付いているため、汎用性の高いSurface Pro 7に対し、プロセッサこそオリジナルのもので、対応していないアプリなどが存在する可能性があるものの、SIMカードを使用したLTE通信が可能なほか、大画面でコンパクトながら様々な性能がグレードアップした、ハイスペックなSurface Pro Xとなっているようだ。
どちらのSurfaceも、メモリやストレージ容量が自分好みに設定できるため、ビジネス用にも自宅用のサブ機としての運用にも期待できる。価格は、Surface Pro 7が10万9780円~、Surface Pro Xが14万2780円~となっている。
取材・文/髙見沢 洸