なぜスイカは夏の風物詩として定着したのか?
夏の食べ物というと、スイカを思い浮かべる人も多いでしょう。また、お祭りなどで出されたり、暑中見舞いのハガキのデザインに使われたり、夏の風物詩として定着しています。日本の夏に欠かせないスイカの出回る時期や豆知識を紹介します。
出荷時期は梅雨入り前から8月ごろまで
スイカは夏に食べる機会が増えることから、夏に出回る印象が強いでしょう。しかし、実際のスイカの出荷時期は、梅雨入り前から始まっています。
国内の主なスイカの生産地は、『熊本県』『千葉県』『山形県』です。熊本県など南側の地域では、3月ごろから出荷が始まり、6月ごろまでがピークになっています。また、千葉県は5~7月、山形県は7~8月が主な出荷時期です。
なお、最も出荷数が多いのは7月で、2番目が8月、3番目が6月になります。真夏に限らず、梅雨時期も高温多湿の日がありますし、スイカを食べてさっぱりするのもよいのではないでしょうか?
長い間、庶民の食べ物として人気
江戸時代には、スイカが庶民の食べ物として広まっていたとされています。現代までのスイカの流通で、大きな品種改良の一つが『種なしスイカ』でしょう。種なしスイカができたのは1935(昭和10)年で、その後も研究が続けられ、1947年には良質な種なしスイカが誕生したとされています。
また、スイカは冷やして食べますが、家庭用の冷蔵庫に収まらない大きさが欠点でした。そのため、冷蔵庫に入れやすい小さいスイカへの改良が進められ、小玉スイカが誕生したのです。
現在は、スーパーなどで1/6にカットされたスイカや、一口サイズにカットされパックされたスイカなどが販売されています。このように、スイカは人々の生活を通して、時代とともに変化してきた人気の食べ物なのです。
7月27日はスイカの日
夏には、さまざまなイベントがありますが、7月27日には『スイカの日』のイベントも開催されています。スイカの日は、全国のスイカ愛好家達が『もっとたくさんの人にスイカを食べてほしい』という願いを込めて制定しました。
スイカの日が7月27日である理由は、『夏の綱(なつのつな)』という語呂合わせが由来で、スイカの皮の縞模様を綱に見立てているのです。イベントは全国各地で行われていますが、新潟県で開催されている『八色スイカまつり』が有名です。現地で栽培された、採れたての甘いスイカが食べ放題になります。
栄養はある?スイカは夏バテ防止におすすめな理由
スイカは、夏バテ予防が期待できるだけでなく、美容にも役立つ食べ物とされています。スイカのおすすめポイントを紹介します。
水分補給にピッタリ
高温多湿な梅雨時期や夏場は、汗をたくさんかくため、水分不足になりがちです。水分不足になると、夏バテだけでなく、熱中症など深刻な健康トラブルの原因になることもあります。そのため、こまめに水分補給をすることが大切なのです。
スイカは、英語で『ウォーターメロン』と呼ばれる通り、水分が豊富です。なんとスイカの90%以上が水分でできています。つまり、スイカを食べることで水分補給ができ、夏バテ予防につながるのです。
なお、スイカは甘いことから、カロリーが高いと思われがちですが、実際にはほとんど水分のため、低カロリーです。むしろ、少量で満腹感を得られ、食物繊維やビタミンなどが豊富なことから、ダイエットのサポートになる食べ物とされています。
ミネラルとビタミンが豊富
汗をかくと、水分だけでなく、ミネラルも失われます。スイカは水分だけでなく、カリウムやカルシウムなどのミネラルも含まれています。そのため、スイカを食べれば、失われた水分だけでなくミネラルも同時に取れるのです。従って、スポーツドリンク的な役割も期待できるといえるでしょう。
また、疲労回復に役立つビタミンCやビタミンB1・B2なども含まれているので、夏バテ予防にもなります。
むくみ解消など美容も期待できる
ハリウッドセレブが飲み始めたことで、数年前に話題になったのが、『スイカジュース(スイカウォーター)』です。度々メディアで取り上げられていたので、知っている人も多いのではないでしょうか?
むくみに悩んでいる女性は少なくありませんが、スイカはむくみ解消が期待できる食べ物として知られています。むくみの原因はさまざまですが、大きな原因の一つは血流が悪くなることで、余分な水分が排出されづらくなり、たまってしまうことです。
スイカはミネラルの働きで利尿作用が期待できるので、水分の排出が促され、むくみが解消されやすくなるとされています。
構成/編集部