ただのカップでも安定して湯を注げる
森乃雫で注ぎ口を取り付けると、ドバッと湯が流れ落ちることがない。同じカップを使って比較してみた。
注ぎ口がないカップは、満水から細く注ごうとするとカップに沿ってたれそうになるし、狙ったところに注ぐのは難しい。時にはカップに沿ってしまうことも。
森乃雫を装着すると、注ぐ湯の量を調整しやすく、狙ったところに落とせる。
動画にしてみた。基本的にやわらかい流れだが、傾きによってポタポタから勢いよくまで調節できる。注ぎ終わったときにたれないのがうれしい。
カップを傾けると、森乃雫とカップのすき間から、毛管力を使い、湯が先端へと吸い上げられる。
吸い上げられた湯が内部の柱に沿って静かに注ぎ口に向かうという仕組み。
毛管力を利用するので、使う前に収納容器に水を入れ、森乃雫の磁石側を浸しておくといい。ちなみに、写真はわかりやすいよう上から水を注いでいるが、流水である必要はない。
ロッキーカップ、シェラカップだけでなく、キャンパー人気の高いメスティン、スタンレーのスタッキング真空パイント0.47L、そして紙コップにも装着できた。
ほぼ満水状態から注ぐと、細くやわらかく水が落ちる。まるで葉っぱに乗った朝露が転がるようなイメージだ。
ケトルに比べると森乃雫は高額だが、手で包むことができるこのサイズ感は魅力あり。
テント泊だけでなくホテル泊であっても、一杯ずつコーヒー豆が入ったドリップコーヒーバッグと紙コップさえあれば、客室のポットで湯を沸かして手軽にドリップコーヒーを楽しめる。
アウトドアでも日常でも使える汎用性の高さが魅力であり、そして何よりも使っていてテンションが上がる。そんな道具だ。
取材・文/大森弘恵