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全国的には8月でも、東京でお盆を7月に行う風習がある理由とは?東京のお盆の迎え方と過ごし方を解説

2020.07.24

お盆というと真夏の盛りの8月というイメージが強いですが、東京では7月にお盆を行う風習が残っています。東京のお盆の時期や時期が異なる理由や風習を紹介します。また、安心してお盆を迎えられるように、準備や過ごし方についても把握しておきましょう。

東京のお盆が7月に行われる理由

お盆の時期が異なるのには、どのような背景や理由があるのでしょうか?また、全国的なお盆の時期と東京のお盆の時期についても紹介します。

お盆と旧暦・新暦の関係

お盆の時期に違いがあるのは、『旧暦』と『新暦』と深い関係にあります。明治時代に、旧暦から新暦に切り替わり、約1カ月のズレが生じたことが理由です。

旧暦では、7月15日前後にお盆が行われていました。新暦が採用されたことで、旧暦の7月15日前後が、新暦の8月15日前後に変わったのです。そして、新暦になっても旧暦のお盆の時期に合わせて8月にお盆を行う地域と、新暦に合わせて7月にお盆を行う地域に分かれいきました。

なお、新暦に改暦されたのは、近代化を進めていた明治政府が、暦についても西洋の制度を取り入れる方針を決めたためです。そして、明治5年12月2日(1872年12月31日)をもって、それまで使われてきた『太陰太陽暦(天保暦)』は廃止され、翌日から明治6(1873)年1月1日として新暦『太陽暦(グレゴリオ歴)』に切り替わりました。

一説には明治5年の12月を実質的になくすことで、明治政府が公務員給与の支払いを免れるのが改暦の目的だったとも言われます。

全国的にお盆の時期は8月

改暦になっても、ほぼ1カ月繰り上げという突然の制度変更でしたので、新政府の意向が浸透していない地域では、旧暦のお盆の時期をずらすことなく、8月15日前後に行われていました。

昔から続く風習をすぐに切り替えるのが簡単ではなかったことや、新暦の7月は、まだ農業が忙しい時期であったことなどが理由とされています。

徐々に全国的に8月にお盆を行う風習が定着し、現在に続いています。なお、8月のお盆は、『旧盆』もしくは『月遅れ盆』『8月盆』と呼ばれています。

東京など7月13〜16日に行う地域も

新暦に合わせて約1カ月時期を早めて、7月にお盆を行う地域もあります。現在は、『新盆』もしくは『7月盆』と呼ばれています。

新盆が行われている地域は、主に東京・神奈川・静岡・北海道などの一部のみです。具体的には、東京で4割程度、神奈川で3割程度とも言われています。

なお、東京周辺の地域が多いのは、新暦の徹底を推進していた明治政府の影響が強かったことが、大きな要因とされています。

7月のお盆は、通常7月13日~16日で、その時期にお祭りや盆踊りなどのイベントも行われています。

東京のお盆の風習とは

『先祖の霊を迎え入れ供養する』というお盆の趣旨は、どの地域でも同じです。しかし、お盆には、地域に根付いたさまざまな風習が存在します。東京では、どのような風習があるのでしょうか?

地域によって風習も異なる

お盆は、人々の生活に根付いて受け継がれてきたため、その土地ならではの風習も珍しくありません。

例えば、毎年、全国各地から観光客が訪れ、夏の風物詩となっているほど有名な風習が、京都の『五山の送り火』です。先祖の霊を見送る行事で、山に大きく『大』『妙』などの文字や形に火がともされます。テレビ中継されることも珍しくないため、見たことがある人も多いのではないでしょうか?

また、岩手県には約400年前から続く『しし踊り』と呼ばれる風習があります。獅子や鹿をかたどった被り物を付けて、供養の踊りを踊るのが特徴です。

お盆の時期に旅行をする予定の人は、訪れる地域のお盆の風習に触れるのもよいのではないでしょうか?

東京では送り火をまたぐ文化がある

お盆の風習で欠かせないのが、初日の儀式である『迎え火』と最終日の儀式である『送り火』ですが、地域により異なる風習もあります。例えば、東京では、迎え火や送り火を3回またぐ風習があります。これには『病気から身を守る』という厄除けの意味があるとされています。

また、お盆には、キュウリやナスを使った『精霊馬』を飾る風習があります。精霊馬は、ご先祖様を早くお迎えしたいという意味からキュウリを馬に見立て、お戻りの際はゆっくりお送りしたいという気持ちからナスを牛に見立てます。東京では、この精霊馬の手綱に、うどんを使用する地域もあるようです。

東京のお盆の迎え方と過ごし方

お盆には、その土地に受け継がれている風習があります。一般的な東京のお盆の準備や過ごし方について紹介します。

お盆飾りの準備

お盆の準備は、まず、お盆飾りから始めましょう。お供え物などを置く『盆棚(精霊棚)』を用意します。経机や漆塗りの机などに、ゴザなどを敷いて祭壇に見立て、仏壇の前に置くのが一般的です。地域によっては、玄関や庭先に置く場合もあるため、確認しましょう。

次に、仏壇に置いてある位牌を祭壇の中央奥に安置します。そして、位牌の周りに花立や香炉・燭台を置きます。棚の四隅には、干昆布・ほおずき・竹などを飾り、さらに果物や生花をお供えするのが基本です。

なお、準備に取り掛かるタイミングは、宗派や地域により異なります。ただし、慣れていないと必要な物を準備し忘れたり、時間がかかったりすることもあるため、早めに準備を始めると安心でしょう。

迎え火と送り火の実施

7月13日の夕方に『迎え火』の儀式を行います。迎え火は、ご先祖様が戻ってくるための道しるべ的な役割があります。そのため、玄関先や門の前で行うのが一般的です。

迎え火の行事には、素焼きのお皿のような『焙烙(ほうろく)』と呼ばれる物と皮をむいた麻の茎である『おがら』が必要です。焙烙の上におがらを置き、火をともします。

7月16日には、玄関先や門の前で『送り火』の儀式を行います。これは、ご先祖様を再びあの世へお送りするためのものです。迎え火同様に焙烙の上におがらを焚きます。

なお、送り火を15日に行う場合もあるため、確認しましょう。

期間中にお墓参りに行く

お盆期間中に、お墓参りに行きましょう。基本的には7月13~16日のいずれかであれば、いつでもよいというのが一般的です。しかし、地域の風習や宗派によって決まっていることもあります。

例えば、お墓までご先祖様をお迎えに行く風習がある地域では、13日にお墓参りに行きます。また、2日目や3日目にお墓参りをする地域や、お見送りする意味を込めて、最終日にお墓参りに行く地域もあります。

お墓参りのタイミングが分からないときは、周りに人に確認してみましょう。

構成/編集部

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