御酒印
神社仏閣の「御朱印」や、お城の登城記念にもらえる「御城印」の収集に続いて、流行しそうなのが「御酒印」集めだ。登録されている蔵元で日本酒を購入したり、飲食・見学をすることで、その蔵元の日本酒の瓶に貼られているものと同じラベルがもらえるというもの。御酒印帳ホームページや一部書店で販売されている『御酒印帳』にラベルを貼り、訪問の感想なども記して思い出の1ページにできる。
仕掛けたのは、京都市で紙卸商を営む柿本商事。同社は御朱印帳の用紙や日本酒のラベルも扱っており、これら2つの要素を掛け合わせて『御酒印帳』が実現した。
スタートは2017年11月。以後、近畿を中心に参加する蔵元が増えるとともに、ファンも増加。旅行会社や鉄道会社とコラボした蔵元ツアーも人気で、参加者も男女半々、30~50代と幅広い。
『御酒印帳』事業を立ち上げた柿本商事の取締役・室門陽介さんは、「名産地の登録蔵元を増やすなど全国的に広げ、日本酒の需要喚起を図りたい」と意気込む。人気を受け、昨年11月には『御酒印帳 公式ガイドブックvol.1』も刊行した。御酒印集めも新たな趣味として人気を呼びそうだ。
需要が落ち込んで久しい日本酒だが、若年層にも飲む人が増えており、各地で開催される日本酒フェスもにぎわいを見せる。『御酒印帳』は、その勢いに弾みをつけるツールとして期待される。
大手書店などで販売されている『御酒印帳』。カバーのカラーバリエーションは5種類あり、1冊1500円(税別)。
『御酒印帳』のページの一例。左ページにラベルを貼り付け、右ページに感想やイラストなどを記入していく。
取材・文/鈴木拓也