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メリットは?実家の空き家対策にもなる「民事信託」の存在

2020.06.15

空き家は地方に多いイメージですが、総務省の2018年住宅・土地統計調査によると、空き家の数自体は東京23区や県庁所在地が多くなっており、空き家率でいえば過疎が進む地域が多くなっています。親と子が離れて暮らしているなら、空き家対策について考えておきたい問題です。

空き家になってしまう原因

空き家になるきっかけのほとんどが相続となっています。離れた場所に子が住んでおり、親が住む実家が親の死亡により空き家になってしまうことが多いようです。

また、高齢化または認知症などにより介護施設に入居することとなり空き家になってしまうということもあります。

空き家をほうっておくと?

2015年5月26日に施行された「空家等対策特別措置法」によると、倒壊等の危険がある、衛生上有害となる恐れがある、景観を損なっている、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切と認められる等、適切に管理されていない空き家は、国土交通省のガイドラインに基づき『特定空家』に認定され、不適切な箇所を改善する必要がります。従わない場合には、固定資産税のペナルティ(更地並の固定資産税となり約6倍の固定資産税となる)、最大50万円の罰金、行政代執行となる可能性もあります。

上記のように特定空家に認定されないまでも、空き家の草木の手入れが行き届かず近隣に迷惑をかけている、空き家への放火や空き巣、不法投棄、空き家の老朽化による近隣への損害等があれば、所有者は損害賠償の義務が生じる可能性があります。

空き家対策となる民事信託とは?

平成19年より信託法が改正され、信託銀行などではなくても営利を目的(商業信託)としない民事信託ができるようになりました。

委託者(親)→受託者(子)→受益者(親)
委託者=受益者=親

民事信託とは、委託者が受託者に民法上所有権が移転され(所有権は移転されるが財産管理のみ行う)、受益者のために財産管理を行う旨の契約です。信託契約を成立させるためには、委託者と受託者との間で民事信託契約を締結します。

上記のように委託者と受益者が同じである場合、民法上の所有権は親から子へ移転するものの、管理は親のために行われ、例え家を売却したり、貸し出したりしてもその売却代金や収益は親名義となることから、民事信託の契約を行っても贈与税、不動産取得税はかかりません。

ただし、家など登記しなければならない不動産の資産を信託する場合には、信託の旨を登記する必要があるため登記時に登録免許税などの登記費用がかかり、そして所有権が子に移ることから固定資産税の納付書は所有権のある子に送られてきます。ただ、課税されるべきは実際の所有者である親であるため、信託財産の中から支払っても良いことになっています。

民事信託契約をするメリットとは?

空き家になる原因として相続が最も多くなっていますが、親が高齢になり認知症などで判断能力が不十分となり、財産管理ができなくなってしまったり、または介護施設に入居することで空き家になってしまったりする可能性があります。

そんなときに今後使う予定の内自宅を売却して介護施設の利用料などに充てたいと思っても、成年後見制度による申し立てを行い家庭裁判所が指定する後見人により、処分せざるを得ません。そして、成年後見制度による大きな財産の処分には家庭裁判所の許可が必要となり、自宅の売却は難しいと考えられます。

そんなとき、判断能力があるうちに親と民事信託契約を結んでおくと、親が介護施設に入ったり認知症等になったりした場合にも、親の代わりに財産処分を行うことが可能です。

あくまでも、親のために財産管理を行わなければなりませんが、相続となってしまってから兄弟と共有財産となってしまって折り合いがつかず処分できないなどで結局空き家として放置されてしまうことを防げますし、何よりその売却代金で親の施設利用料等の介護費用に有効活用することができます。

また、民事信託を行わずに判断能力を失い成年後見制度による財産管理となってしまった場合には、相続対策、孫への贈与など本人以外のための支出なども行えなくなってしまうため、民事信託であれば親の意思を引き継いで柔軟な財産管理を行うことができるのもメリットです。

なお、民事信託契約を行う際は、弁護士、司法書士、信託銀行などの専門家の意見を聞いて行いましょう。

文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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