就職や引っ越し、車の購入など、日常のさまざまなシーンで必要となる住民票。平日に休みが取れなかったり、仕事で帰りが遅くなったりした場合、役所になかなか行くことができず、不便さを感じた経験がある人は多いだろう。
実は、マイナンバーカードを作成しておくと、住民票や印鑑証明などの公的証明書をコンビニで取得できるようになる。本記事では、マイナンバーカードを持つことでどんなメリットがあるのかを解説しつつ、コンビニで住民票を取得する方法を紹介する。
マイナンバーカードを持つメリット コンビニで住民票が取れる!
新型コロナウイルス関連の「特別給付金」のオンライン申請に必要という点で注目され、最近話題になることも多いマイナンバーカード。具体的に、保有することでどのようなメリットがあるのだろうか。代表的なものを挙げてみよう。
・運転免許証などと同様に、公的な身分証明書として使用できる
・スマホやパソコン(オンライン)で行政手続きや確定申告が行える
・2020年9月から実施予定のマイナポイント(キャッシュレス決済で付与されるポイント)が最大5000ポイント付与される
・オンラインバンキングなど、民間のオンライン取引にも利用できる
・2021年3月から、健康保険証としても利用できるようになる(予定)
・対応している自治体のコンビニで、公的な証明書が取得できる
上記のようにさまざなメリットがあるが、特に今回は「コンビニで住民票等の公的証明書が取得できる」という点に注目し、具体的な方法について紹介したい。
住民票の取得方法
住民票などの公的証明書を取得できるのは、「マルチコピー機」を設置しているコンビニ。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどの主要なチェーンをはじめ、全国で54,000店舗以上が対応している。
土日や祝日も含め、毎日6:30~23:00まで受け付けを行っているので、自分の都合のいい時間に気軽に立ち寄れるのが最大のメリット。マイナンバーカードを持っていない場合は、暗証番号が設定された「住民基本台帳カード」でも取得可能だ。
コンビニで住民票を取得する手順
1.コンビニ店内に設置されているマルチコピー機の画面に表示されている「行政サービス」のボタンを押し、利用上の同意事項を確認し、「同意する」を選択する。
2.メニューから「証明書交付サービス」を選択し、マルチコピー機の所定の場所にあるカード置き場にマイナンバーカードを置く。
3.証明書を交付する市区町村を選択する。住民票の場合は、「お住まいの市区町村の証明書」を選択し、その後、マイナンバーカード交付時に設定した暗証番号を入力する。
4.マイナンバーカードを取り外し、証明書の種別(「住民票」を選択)、交付種別(本人のみ、世帯全員、世帯の一部のいずれか)、証明書に記載する項目の有無、必要部数を入力する。
5.これまで入力した項目の確認画面が表示されるので、入力に間違いがないか確認。訂正が必要な場合は、該当項目の入力画面に戻って訂正する。
6. 必要部数分の証明書の交付手数料をコインベンダー(投入口)に入金すると、証明書が必要分発行される。最後に領収書を受け取り、手続き完了。
申請から取得までの手続きを簡潔に行えて、入力した情報も自動消去されるため個人情報も残らない。また、コンビニで住民票を取得する場合、窓口で発行するよりも料金が安いケースも多い。これもメリットのひとつで、特に複数枚発行する場合はコンビニを利用するのがお得だ。
ちなみに、ほぼ同じ手順で「印鑑証明」や「戸籍証明書(本籍と住所が同じ市内にない場合、別の手順が必要)」なども発行できる。
住民票取得が上手くいかない時のチェックポイントと対処法
コンビニで住民票を取得する際、エラーが出た場合や印刷が上手くいかない場合の対処法をまとめた。困ったときは参考にしてみてほしい。
・「ご利用いただけないカードです」とエラーメッセージが出る
マイナンバーカードや住基カードではない、あるいはカードの外部か内部が破損している、カードのかざし方が不十分などの原因が考えられる。また、コンビニ交付サービス登録や利用者証明用電子証明書を発行していない場合もこのメッセージが出る。この場合は、住んでいる市区町村の窓口で手続きが必要だ。
・「暗証番号が間違っています」とエラーメッセージが出る
コンビニ交付サービス利用登録、利用者証明用電子証明書を発行した際に設定した暗証番号ではない可能性がある。暗証番号を忘れてしまった場合は、住んでいる市区町村の窓口で手続きが必要だ。
・「暗証番号ロック中のためご利用いただけません」というエラーメッセージが出る
暗証番号を3回間違ったため、ロックがかかってしまっている。ロック解除のためには、住んでいる市区町村の窓口で手続きが必要。
・コンビニで印刷した証明書の印刷状態が良くなかった
持ち帰らずにその場で確認した場合は、コンビニの店舗従業員に申告すれば証明書に無効印を押印の上、返金してもらえる。
持ち帰った後で確認した場合は、発行したコンビニでは対応することができない。発行した証明書を持参し、発行元の市区町村の窓口に問い合わせをしよう。
上記の場合以外にも、「手書き追記」が必要な場合や世帯内に転出予定者が含まれる場合など、システムの関係上利用できない時もある。その場合も、市区町村の窓口に問い合わせよう。
文/oki