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台風の定義って知ってる?大きさや強さ、消滅の条件などを解説

2020.07.28

夏から秋にかけて増える台風は、日本人にとってなじみの深いものです。しかし、台風の定義について、詳しく知っている人は少ないでしょう。気象庁による台風の定義、台風の消滅や上陸の定義、大きさの定義などについて紹介します。

台風の定義とは?

どのような気象現象が『台風』とされているのでしょうか?また、ハリケーンやサイクロンとの違いについても紹介します。

気象庁による台風の定義

台風の定義は、『台風が存在する場所』と『最大風速』に関係しています。まず、赤道より北側で東経180度より西側の北西太平洋、もしくは南シナ海に存在している『熱帯低気圧』であることがポイントです。

また、低気圧域内の10分間の最大風速が、『約17m/s以上』と定められています。この二つの要素を兼ね備えている状態の熱帯低気圧が『台風』になります。

台風の多くは、赤道付近の熱帯地域で発生します。熱帯地域では海面の水温が高いため、上昇気流が発生しやい状態です。上昇気流によって発生した多数の積乱雲が渦上に形成され、中心部の気圧が下がり、熱帯低気圧になります。海面からの水蒸気をエネルギー源として勢力を増していき、台風となります。

参考:気象庁|台風とは

ハリケーン、サイクロンとの違い

台風とハリケーンやサイクロンは、どれも熱帯低気圧が勢力を増した状態です。つまり、気象状況的には、同じ現象なのです。大きな違いは、『発生場所』と『最大風速』です。

ハリケーンは、西経180度より東側の北東大西洋や北大西洋、メキシコ湾、カリブ海に発生する熱帯低気圧です。最大風速は、約33m/s以上と定義されています。

サイクロンは、アラビア海やベンガル湾といった北インド洋に発生する熱帯低気圧です。最大風速は約17m/sで、台風と同等です。なお、サイクロンについては、温帯低気圧も含まれる場合もあります。

台風が消滅するとはどうなること?

発生した台風の勢力が弱まり消滅することは珍しくありません。天気予報でも「台風の勢力が弱まり…」と、耳にしたこともあるではないでしょうか?台風が消滅するとは、具体的にどのような現象を指すのが紹介します。

最大風速が17m/s未満になったとき

先に述べた通り、台風は暖かい海面からの水蒸気がエネルギー源となり勢力を増していきます。しかし、台風は移動する際の海面や地上との摩擦で、常にエネルギーを失っている状態です。

また、台風が北上することで海面の温度が低下し、勢力を増すためのエネルギー源を充分に確保できないことでも弱まっていきます。そして、最大風速が約17m/s未満になれば、台風ではなく通常の熱帯低気圧と判断されるのです。

ただし、強い風が収まっても、激しい雨が降り、台風のような天候が続くこともあります。

温帯低気圧になったとき

台風が日本付近に接近すると、冷たい風が流れ込み、勢力を弱めます。そして、冷たい空気と暖かい空気の境目に前線ができ、『温帯低気圧』に変わります。

この時点で、低気圧中心付近での風は弱まっています。しかし、北からの寒気の影響により再び勢力を増し、強風などの被害を引き起こすこともあります。

また、台風が低気圧の中心で雨風が強くなるのに対し、温帯低気圧は広範囲に悪天候を及ぼすのが特徴です。従って、台風から温帯低気圧に変わったときは、低気圧の中心よりも強風や大雨が予測される位置に注意する必要があります。

熱帯低気圧と温帯低気圧の違い

熱帯低気圧と温帯低気圧の大きな違いは、『前線の有無』です。熱帯低気圧は、熱帯地域で発生するため、暖かい空気のみで作られています。

一方、温帯低気圧は、北側からの冷たい空気と南側からの暖かい空気がぶつかり合ってできます。そのため、境目に『寒冷前線』と『温暖前線』ができます。

また、熱帯低気圧の最大風速が約17m/s以上になると台風と呼ばれますが、温帯低気圧は最大風速が17m/sでも台風と呼ばれません。

参考:気象庁|台風とは

台風上陸の定義

台風の上陸に関しても定義があります。台風がどのような状態を上陸と呼ぶのでしょうか?また、台風の通過との違いについても紹介します。

台風の中心がどこに達したかで決まる

気象庁では、台風の中心が北海道や本州・四国・九州のいずれかの海岸に到達した時点で、『台風が日本に上陸した』としています。

広範囲に影響を及ぼす超大型の非常に強い台風などの場合は、上陸していなくても、強い雨や風の影響を受けることもあります。しかし、上陸の定義はあくまでも前述の通りのため、上陸とはならないのです。もし、台風の中心が半径300km以内であれば、『接近』になります。

なお、1951年以降2019年までで台風の上陸回数が最も多い地域は、鹿児島県の41回です。その後は、高知県の26回、和歌山県の24回と続きます。

上陸と通過の違い

台風上陸の定義に、沖縄諸島や他の日本領土の島が、含まれていないのを不思議に思った人もいるのではないでしょうか?

実は、北海道・本州・四国・九州以外は、たとえ台風が通っても『上陸』という言葉は使われないのです。代わりに『通過』という言葉を使う決まりになっているためです。ただし、沖縄を通過した後に、九州に上陸した場合は、上陸した台風として扱われます。

上記の決まりにより、台風の影響が大きい沖縄ですが、台風の上陸数はゼロなのです。なお、『接近』については、北海道や本州・四国・九州と同様に使われています。

台風の大きさと強さの定義

台風の勢力を表す大きさや強さは、どのように決められているのでしょうか?それぞれの定義を知り、台風に関する情報をより深く理解できるようにしましょう。

大きさは大型と超大型の2種類

台風の大きさは、『大型』と『超大型』の二つに分けられています。これは、強い風が吹く強風域とされる『風速15m/s以上』の風が吹いている、もしくは吹くことが予測される範囲の広さにより分けられています。

具体的には、半径500km以上から800km未満が強風域の場合は大型で、800km以上が超大型です。超大型の台風になると、日本列島のほとんどが強風域になります。

なお、強風域よりもさらに強い、風速が25m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある場合は、『暴風域』と区別されています。

天気予報の台風情報では、日本地図を使って現在の台風の位置や予報だけでなく、強風域や暴風域・暴風警戒域なども示されています。台風による被害を避けるためにも、注意して見るようにするとよいでしょう。

参考:気象庁|台風の大きさと強さ

強さは最大風速に応じて3段階

台風の勢力は、大きさだけではなく、最大風速の強さも関係しています。最大風速の強さは、10分間の平均の風速を基に、3段階に分けられています。

最大風速が33m/s以上44m/s未満が『強い』、44m/s以上54m/s未満が『非常に強い』、54m/s以上が『猛烈な』になります。

天気予報の台風情報では、大きさと強さを組み合わせて勢力を表しています。例えば、『大型で強い台風』『超大型で非常に強い台風』という具合です。なお、大きさが500km未満や最大風速が33m/s未満のときは省略され、『非常に強い台風』『大型の台風』と呼ばれます。

気圧の単位ヘクトパスカルは低いほど強力

先の述べた通り、台風の勢力は、大きさと最大風速により決められています。しかし、台風の風の強さは気圧の影響も受けるため、台風情報では中心気圧について触れることもあります。

中心気圧のを表す単位には、『ヘクトパスカル(hPa)』が使われています。ヘクトは100倍という意味で、パスカルは圧力の単位です。『圧力の法則』を考え出したフランスの科学者のパスカルから取られています。

ヘクトパスカルの数値が低いほど強い低気圧となるため、強風になる可能性が高くなります。なお、1951年以降に日本へ上陸直前の台風の計測で最も中心気圧が低かったのが、925ヘクトパスカルです。

構成/編集部

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