すっかり長引いた在宅勤務・外出自粛で、自分に起きた変化として多いのが「少し太った」という声。あるラジオ局のアンケート調査では「Stay Homeで太った」と回答した人の割合は実に4割。ふだんはしない自炊を頑張ったはいいが、カロリーの高いものを作りがちになるのも一因としてありそう。
そこで今回おすすめしたいのが、自炊で簡単に作れる新感覚のこんにゃく料理。考案したのは、『やせるおかず 作りおき』シリーズで大ヒットを放った、料理研究家の柳澤英子さんだ。著書の『映える! おいしい! こんにゃく食堂』(小学館)には、おでんといった定番とは違う「意外性たっぷり」の料理が、50品以上掲載されている。
今のこんにゃくは、アク抜き不要ですぐに調理できる商品が主流。低糖質、低カロリー、食物繊維が多いなどダイエットの味方で、価格も安め。
「52歳で26キロの減量に成功」してリバウンドなしの柳澤さんだが、現在もこんにゃく料理を重宝し、体重と健康をキープしている。
そんな柳澤さんが生み出したこんにゃく料理で本書に収載のものから、以下4品を紹介しよう。コロナ太りを解消したい人には、どれもおすすめだ。
担々こん
柳澤さんは、本書で「ハマるきっかけになったこんにゃく料理BEST 10」と銘打って10品のレシピを掲載。1位はえびチリにカットした板こんにゃくが入った「えびチリこん」、2位は粒こんにゃく入りのハンバーグである「こんバーグ」、そして3位がここで紹介する「担々こん」だ。担々麺のカサ増しに使っていたしらたきの代わりに糸こんにゃくにしたら、「まるで別物のおいしさ!」ということで上位にランクインした。
【材料(2人分)】
・糸こんにゃく(長さを適宜切る):1袋
・豚ひき肉:150g
・長ねぎ(みじん切り):1/2本
A-にんにく、しょうが(みじん切り):各1かけ、ごま油:小さじ2、豆板醤:小さじ1~2
B-白練りごま:大さじ3、みそ、酢:各大さじ1
C-ごま油:小さじ1、塩、こしょう:各少々
ラー油、香菜(好みで):各適量
【作り方】
1 フライパンに豚ひき肉、Aを入れて混ぜ、中火にかけ、混ぜながら炒める。
2 肉の色が変わったら、長ねぎ、Bを加え混ぜる。汁けがなくなるまで炒め合わせる。
3 フライパンに糸こんにゃく、Cを入れ、さっと炒めて器に盛り、2をかける。好みでラー油をかけ、刻んだ香菜をふる。
こんグラタン
柳澤さん「簡易ホワイトソースとチーズのコクでこんにゃくがこんなにおいしくなるなんて。こってり料理に見えて実は胃もたれしないのも魅力です」
【材料(2人分)】
・玉こんにゃく(小):1袋
・玉ねぎ(薄切り):1/4個
・かに風味かまぼこ(ほぐす):4~5本
・バター:大さじ1
・顆粒コンソメ:小さじ1
・小麦粉:小さじ2
・塩、こしょう:各少々
・牛乳:150ml
・ピザ用チーズ:60g
【作り方】
1 フライパンに玉こんにゃく、玉ねぎ、顆粒コンソメ、バター、塩、こしょうを入れて中火にかける。
2 バターが溶けたら小麦粉を加えて炒め合わせ、牛乳を少しずつ加える。とろみがついたらかに風味かまぼこを加える。
3 耐熱容器に入れ、ピザ用チーズをのせ、オーブントースターでチーズに焦げ目がつくまで5分ほど焼く。
かにたまこん
柳澤さん「中華風の卵焼きに粒こんにゃくをイン! 卵液と粒こんにゃくがほどよくなじみ、焼くのも簡単です。Bの代わりにマヨネーズを使っても」
【材料(2人分)】
・粒こんにゃく(ザルにあげる):1/2袋
A-卵:3個、かに風味かまぼこ(ほぐす):3本、白だし:小さじ2
ごま油:小さじ2
B-トマトケチャップ:小さじ2、豆板醤、ごま油:各小さじ1/2
【作り方】
1 粒こんにゃく、Aを混ぜ合わせる。
2 直径18cmのフライパンにごま油を入れ、1を加えて中火にかける。混ぜながら火を通し、半熟状になったら平らにならす。
3 縁をヘラでととのえて焼き、上下を返して3分ほど焼く。器に盛り、混ぜ合わせたBをかける。
オクラのピリ辛こんスープ
柳澤さん「オクラの粘りけでスープにかすかなとろみをつけて食べやすく。こんにゃくもするんと口に入ります。食物繊維たっぷりのスープです」
【材料(2人分)】
・板こんにゃく(1cm角に切る):1/2枚
・オクラ(1cm幅に切る):6本
・エリンギ(1cm角に切る):2本
・玉ねぎ(1cm角に切る):1/2個
・赤唐辛子(種を取る):1~2本
・オリーブオイル:小さじ2
・塩、こしょう、ガーリックパウダー:各少々
・顆粒コンソメ:小さじ2
・水:2カップ
【作り方】
1 鍋に水、オクラ以外の材料をすべて入れ、中火にかける。
2 3分ほど炒めたら、水を加える。
3 煮立ったらアクを除き、オクラを加えて2分ほど煮る。
料理写真/鈴木正美
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)