近年、安全意識やエコブームから人気が高まってきているIHクッキングヒーターだが、「電気代は高い」というイメージを持っている人も多いのではないだろうか。特にこれまでガスコンロを使用していて、IHクッキングヒーターへの買い替えを検討している人は電気代がどのくらいかかるのか気になるところだろう。そこで今回は、IHクッキングヒーターの基本と電気代、そして節約するコツを紹介していく。
IHクッキングヒーターとは?
IH(Induction Heating)は、「電磁誘導加熱」のことである。電磁誘導加熱は、磁力を使って発電する仕組みになっていて、鍋底を通過するときに電流が発生し“鍋底自体”が発熱するという仕組みになっている。すなわち、火の熱が鍋に伝わることで加熱するガスコンロとは根本的に加熱方法が異なっている。
IHクッキングヒーターのメリット
IHクッキングヒーターは上記のような加熱の仕組みにより、下記のようなメリットがある。
・火を使わないので安全性が高い
・鍋底全体が熱くなるので、加熱ムラが少ない
・弱火~強火まで、安定した火力で幅広い温度コントロールが可能
・トッププレートが平らで掃除がしやすい
また、このほかにも切忘れ防止、地震感知などの機能を搭載しているものあり、調理面、お手入れ面、安全面といったさまざまな側面から見ても、IHクッキングヒーターは多くのメリットを備えていると言えるだろう。
IHクッキングヒーターの電気代
IHクッキングヒーターでやはり気になるのは、電気代がいくらぐらいかかるのか、ということだろう。
一般社団法人日本電気工業会・IH調理器技術委員会調べ(電力料金目安単価 27円/kWhで算出)によると、標準的な4名家族世帯にて、朝・昼・夕食時に標準的なメニューでIHクッキングヒーターを使用した場合の1か月の電気代は約1020円(税込)となっている。また、カタログや製品本体に貼られたシールなどから消費電力が分かるのであれば、「消費電力(kW)×運転時間×電気料金」で算出することもできる。
IHクッキングヒーターの消費電力は?
IHクッキングヒーターの最大消費電力は5800Wで、ヒーター+グリルで使用している電気量の合計がこれを超えないように、自動で制御されている。しかし実際には、最大電力で使われることはほとんどない。ヒーター数や火力によって異なるが、例えば弱~中火で煮込み調理をする際の消費電力は500W前後となっている。
プロパンガスと比較するとどちらがお得?
IHクッキングヒーターの電気代とガスコンロのガス代に関しては、使用する製品や住んでいる地域、契約している電気・ガスの料金によってかかる費用が変わるので、どちらがお得ということは一概には言えない。ただ電気代には、夜間に使用するとお得になるプランなどがあるので、日中はほとんどキッチンを使用しないという場合には、ガスコンロよりもIHクッキングヒーターの方がお得になることもある。
IHクッキングヒーターの電気代を節約するコツ
IHクッキングヒーターの電気代を節約するコツはいくつかある。
まずは適した鍋を選ぶということだ。IHクッキングヒーターにはIHに対応した鍋を使うが、機種によってはすべての鍋が使える仕様のものもある。ただ、アルミや銅鍋の場合は、鉄・ステンレス鍋に比べて火力が弱くなり、加熱時間が長くなる可能性があるので、その分電気代がかかってしまう。またIHに限らないが、圧力鍋を使った調理は保温力が高く、電気代節約に最適である。
節電機能などを積極的に活用
IHクッキングヒーターの種類によっては、消費電力を切り替える機能や、調理を終えて電源を切った後、使った電気代の目安がディスプレイに表示される「電気代表示」機能などを搭載しているものがある。消費電力を制限したり、電気代をチェックしたりすることで、自分が調理に使う電気代の傾向をある程度把握することで、今後の節約につなげることもできるだろう。
そもそもの料金プランを見直す
また、そもそもの電気料金を見直す方法もある。一番電力を使う時間帯に合わせて電気料金プランを選択すると、IHクッキングヒーターだけでなく家庭全体の電気代節約につながる。詳細に関しては、自分が契約している電力会社のホームページで料金プランを確認してみるといいだろう。
調理の工夫次第でお得になる
ここまで、IHクッキングヒーターの電気代や節約のコツについて説明してきたが、“調理の工夫次第”で電気代は安く抑えることができる。キッチンリフォームの際は上記を参考にIHクッキングヒーターを検討してみてはいかがだろうか。
※データは2020年5月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/praia