あなたにとって「良い街」はどこだろう。治安がいい、子育てしやすい、生活費が安いなど、一言に「良い街」といっても人の定義はさまざまだ。
そこでLIFULLは、首都圏7万人を対象にした『なんでも街ランキング』を発表した。ぜひ、自分に合った街を見つけてみてほしい。
首都圏7万人に聞いた「なんでも街ランキング」
生活費が安い街ランキング
「生活費が安い街」は、1位「赤羽」(東京都)、2位「北千住」(東京都)、3位「小岩」(東京都)となった。都心へのアクセスが良い割に、庶民的な印象が強いエリアがランクインし、経済的にも心理的にも生活面でのハードルが低いイメージのあるエリアが上位に登場しているといえる。
1位の赤羽は「生活費」以外にも「新参者」「昼呑み」「シニア」でそれぞれ最上位に登場することから、「楽しく安心して暮らせる」というイメージが強いエリアであることがわかる。
北千住、小岩、蒲田、十条、巣鴨などについては駅前に大きな商店街があって飲食店や日用品の物販店が多いことから、生活コストが抑えられるイメージに直結していると考えられる。
子育てしやすい街ランキング
「子育てしやすい街」は、1位「流山おおたかの森」(千葉県)、2位「武蔵小杉」(神奈川県)、3位「二子玉川」(東京都)、4位「浦和」(埼玉県)と、一都三県がそれぞれランクインした。首都圏の近郊~郊外で、駅の周囲が大規模開発され、生活利便性と居住快適性のバランスが整ったエリアが上位に登場しているといえる。
1位の流山おおたかの森は、駅周辺にマンションと生活利便施設が同時に開発され、医療機関や進学塾、様々な習い事に対応する施設も満遍なく揃っていて子育て世代にとても人気のある新興住宅地に成長している。
同様の傾向にあるエリアとして2位の武蔵小杉以下、豊洲も上位に登場。また、二子玉川、浦和、たまプラーザなど、お受験に強いと言われる予備校や塾が数多く集積し教育熱心な家庭が多いとされるエリアもランクインした。
シニア世代が住みやすい街ランキング
「シニア世代が住みやすい街」では、1位「巣鴨」、2位「吉祥寺」、3位「赤羽」となった。吉祥寺、浦和、鎌倉、藤沢、川越などについては、首都圏近郊~郊外で、駅周辺が整備され住宅地としても生活利便施設が整っている街として印象の強いエリアであることが上位になった要因であることがわかる。
赤羽はこの調査でも3位となり、JR線だけで6路線が乗り入れる交通利便性の良さと庶民的で暮らしやすい雰囲気などが高く評価されていると考えられる。
災害に強そうな街ランキング
近年の自然災害発生により多くの人の関心を集めた「災害に強そうな街」は、1位「東京」(東京都)、2位「新宿」(東京都)、3位「大宮」(埼玉県)と国や自治体の拠点となる施設が周辺に立地する街や、再開発によって新しい建物が駅周辺に立ち並んでいる街が支持を集めた。
加えて、5位「横浜」、6位「浦和」、7位「品川」、8位「渋谷」なども首都圏屈指のビッグターミナルで、駅周辺には大規模オフィスビルが数多く建ち並んでおり、建物自体が強固であるだけでなく、防災体制も整っている。
また立川、八王子が上位にランクインされたのは武蔵野台地の上に位置していて地盤が比較的強固なことに加え、立川広域防災基地などの防災関連施設が充実していることに起因するものと考えられる。
治安がいい街ランキング
「治安がいい街」は、1位「東京」(東京都)、2位「浦和」(埼玉県)、3位「田園調布」(東京都)となった。一人暮らしや子育て世代は、交通や生活面で暮らしやすいかどうかに加えて安全性を重要視するケースも多く、「治安」は物件選びの際に重要なポイントだ。
安全性=日常の防犯性について、田園調布、自由が丘、二子玉川、成城学園前、鎌倉など高級住宅地を擁するエリアが上位に登場したのは居住者の属性イメージが反映された結果と考えられる。
1位の東京のほか、品川、銀座などは大商業地で、観光客を含めて人通りも極めて多く、それに応じた警備の手厚さが治安面での安心感につながっているようだ。
ジョギング好きが多く住んでいそうな街ランキング
今年開催される五輪に向け関心が高まる、「ジョギング好きが多く住んでいそうな街」は、1位「東京」(東京都)、2位「二子玉川」(東京都)、3位「駒沢大学」(東京都)となった。
1位東京と5位大手町は皇居周辺の数多くのジョガーをイメージした回答と考えられるが、東京駅周辺には住宅はほぼ皆無で、住んで「いそうな」イメージが先行した結果だった。
2位二子玉川および6位多摩川は多摩川河川敷、3位駒沢大学は駒沢オリンピック公園の存在がジョギングに結びついているようだ。他にもお台場海浜公園や代々木公園、みなとみらいエリア、幕張稲毛シーサイドなど人気の高いランニングコースがあり、それらの最寄りの駅が上位に登場していて、2位以下はランニングコースの存在が反映された結果となっている。
新参者にやさしい街ランキング
「新参者にやさしい街」は、1位「吉祥寺」(東京都)、2位「赤羽」(東京都)、3位「大宮」(埼玉県)と拠点性のある街がランクイン。
「新参者」というと、進学や就職・転勤などで新しい街に暮らす際に、馴染みがなくても暮らしていけるかどうかが重要なポイントになるが、上位に登場する吉祥寺や北千住、中野などは、もともと周辺に大学や専門学校が多く、若年層が数多く住んでいて暮らしやすいイメージが強いエリアだ。
また、赤羽、大宮、船橋など都心にアクセスが良く駅の周辺に生活利便施設がたくさんあるエリアの駅も上位にランクインしており、近郊エリアで人口の流入が続き駅の乗降客数が順調に増加している駅の名前が並んでいる。
意外と昼飲みが楽しめる街ランキング
「意外と昼飲みが楽しめる街」は、1位「赤羽」(東京都)、2位「上野」(東京都)、3位「新橋」(東京都)と都内近郊で、昼間から営業している居酒屋が多いイメージがあるエリアが上位に登場した。
赤羽は「センベロの聖地」として雑誌やTVでも度々取り上げられる人気ぶりで、同じく上野はアメ横、新橋はガード下横丁、浅草はホッピー通り、新宿はゴールデン街など観光客も数多く訪れる人気の飲み屋街がある。
まとめ
平成の人気エリアで定番だった吉祥寺は、今回の調査で6項目に登場し、令和となった現在も依然人気が高いことがわかる。
一方で、8項目中4項目で北千住、赤羽が上位(ベスト10位以内)に登場するなど、近年北千住や赤羽が徐々に人気を伸ばしており、令和の注目エリアになっている。
これには、平成は吉祥寺のほか恵比寿や二子玉川など都心~城南・城西エリアに人気の街が集中する傾向が強かったのが、近年にかけてスカイツリー効果や庶民的な暮らしやすさが評価されるようになり、その代表的・象徴的な城東・城北エリアの北千住や赤羽の人気が高まったからであると考えられる。
また、街の安全面について「治安」=防犯性と、「災害」=防災性の各方面から調査したところ、街と駅の規模や機能から東京、品川などのビッグターミナルが双方にランクインすると共に、「治安」については城南・城西エリアの高級住宅地を擁する街、「災害」については八王子、所沢など内陸部の事業集積地が挙げられ、「安全」に対する意識とイメージの違いが浮き彫りになった。
調査概要
調査実施期間:2019年11月29日 ~ 2019年12月3日
調査対象者:18 ~ 74歳男女
首都圏は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
調査方法:インターネット調査
有効回答者数:首都圏7万人
集計方法:実際の都府県×性×年代の人口構成比に合わせ、回収数にウェイトバックを実施
「街(駅)」の回答は、入力した文字から合致する候補を提示し、その中から1つを選ぶ選択式設問形式
分析:LIFULL HOME’S 総研
構成/ino.