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空き家の運用者で運用益を出せている人の割合は?

2020.05.31

どんな資産も、適切に運用しなければ宝の持ち腐れ。なんらかのかたちで所有することになった「空き家」も有効活用しなければ、固定資産税や都市計画税がかかるだけのただのお荷物だ。

このほど「空き家運用者」の意識・実態に関する調査が行われたところ、空き家運用者のおよそ3人に1人が現状の運用方法に満足していない状況であり、また、“運用益”を出せていない人の割合は3割以上にのぼることが明らかになった。

現状の空き家運用に対して、およそ3人に1人が「不満」を抱いている状況

自己所有の空き家の運用状況に関して、利益や管理の手間など、総合的にどの程度満足しているか尋ねる調査が行われたところ、「満足している」と回答した人は全体で67.9%(「満足している(28.4%)」「やや満足している(39.5%)」)であるのに対して、「満足していない」と回答した人は、全体の32.1%(「あまり満足していない(14.2%)」「満足していない(17.9%)」)だった。

およそ3人に1人の割合で現状の空き家運用に満足していない人が存在する実態が明らかになった。

年代別でみると、60代の29.9%(「満足している(10.4%)」「やや満足している(19.5%)」)が現状の空き家運用に「満足していない」と回答しているのに対して、30代ではその割合が40.0%(「満足している(10.0%)」「やや満足している(30.0%)」)となり、若い世代ほど現状の運用に関して不満を持っていることがわかった。

Q. 現在空き家を運用していて、利益や管理の手間など、総合的にどの程度満足していますか。

※回答者「どちらでもない」110名を除外して集計

「空き家運用者」の3割以上、30代に至っては半数以上が「賃料は得られていない」と回答

現在空き家を運用して、毎月どの程度の賃料を得ているか尋ねる調査が行われたところ、全体で3割以上となる32.3%が「賃料は得られていない」と回答した。

年代別でみると、30代の半数以上となる 54.5%が同選択肢を選んでおり、自己所有の空き家を何らかのかたちで運用はしているものの、賃料は得られていない現状が明らかになった。

一方で、賃料を得ている人たちの中で、最も多く選ばれた選択肢が「10万円~15万円未満(18.6%)」となり、次いで「5万円~10万円未満(15.9%)」という結果だった。

Q. 現在空き家を運用して、毎月どの程度の賃料を得ていますか。

※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計

「戸建て」所有者の半数以上は実需に、「区分マンション」所有者の約8割が賃貸として運用

空き家の運用方法については、「戸建て」所有者の半数以上(52.3%)が、「自分や家族だけで住んでいる(住居やテナントとして貸している部分はない)」と回答。

特に60代の「戸建て」所有者にその傾向は強く見られた(30代:28.6%に対して60代:63.5%)。

「区分マンション」所有者の運用方法としては「すべて住居として貸している」が 77.3%と最も多く、自身の物件を賃貸として運用する割合が極めて高いことが特徴として挙げられる。

Q. あなたが一都三県に所有している不動産の状況として、あてはまるものをお知らせください。【複数回答】

※複数所有されている場合は、あてはまるものをすべてお知らせください。

※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計

空き家運用方法の探し方、半数が「不動産会社へ相談」。他の選択肢は少なく

1位 不動産会社に相談した(47.0%)
2位 インターネットなどで情報を収集した(22.3%)
3位 家族や友人、知人などに相談した(17.0%)

空き家を運用するためにどのような行動をとったのか尋ねる調査が行われたところ、最も多かった回答が「不動産会社に相談した」で47.0%だった。

次いで、「インターネットなどで情報を収集した(22.3%)」、「家族や友人、知人などに相談した(17.0%)」の順となった。

全年代を通じて、約半数が不動産会社へ相談をするケースが多い一方で、30代の3割強(31.6%)が「インターネットなどで情報を収集した」を選んでおり、60代における 19.0%と比較すると 12.6pの開きが生じている。

また、30代、40代の約10人に1人が「自治体に相談した」を選んでいることも特徴として挙げられる(30代:10.5%、40代:10.3%、50代:4.1%、60代:5.0%)。

このことから、空き家運用にあたっては若年層の方が比較的広く視野を持ちながら、運用方法を模索していることが読み取れる、

Q. 空き家を運用するために、あなたご自身がとった行動をすべてお知らせください。(いくつでも)【複数回答】

リフォーム/リノベーション費用の相場は「100万円~200万円未満」

1位 100万円~200万円未満(16.4%)
2位 200万円~300万円未満(15.5%)
3位 300万円~400万円未満(12.4%)

自己所有の空き家をリフォームまたはリノベーションした際に掛かった費用について尋ねる調査が行われたところ、全体としては「100万円~200万円未満(16.4%)」と回答した人が最も多く、次いで「200 万円~300万円未満(15.5%)」、「300 万円~400 万円未満(12.4%)」という結果になった。

物件のリノベーションを数多く手掛ける株式会社ジェクトワンが、区分マンションの一部改修(クロス張替、フローリング、一部設備入れ替)に掛かる平均費用を 100万円~200万円、フルリノベーション時を500万円~600万円としていることから、本調査における「空き家運用者」の多くが大掛かりなフルリノベーションではなく、必要最小限の修繕を物件に施して運用している実態が伺える。

Q. あなたご自身で所有/運用している空き家をリフォームまたはリノベーションした際に掛かった費用はどの程度ですか。

※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計

空き家のイメージ「火災の危険性がある」など、ネガティブ要素が上位に

1位 火災の危険がある(33.7%)
2位 不審者が住み着く危険がある(30.0%)
3位 固定資産税が高い(28.3%)
住居の賃貸にして家賃収入が得られる(28.3%)

空き家に対するイメージを複数回答について尋ねる調査が行われたところ、「火災の危険がある(33.7%)」「不審者が住み着く危険がある(30.0%)」など、空き家を放置することで発生し得るリスク、空き家を所有することで発生する「固定資産税が高い(28.3%)」といったお金に関するネガティブなイメージが先行していることがわかった。

この傾向は30代に最も顕著にみられ、対して40代が最も数値が低く表れている。火災の危険がある (30代:47.4% → 40代:25.6%) 21.8pの開き不審者が住み着く危険がある (30代:42.1% → 40代:23.1%) 19.0p の開き固定資産税が高い(30代:47.4% → 40代:17.9%) 29.5pの開きネガティブなイメージが上位に並ぶ。

一方で、「住居を賃貸にして家賃収入が得られる」といった、運用を意識したポジティブな意見も同率の3位(28.3%)に見られるなど、「空き家運用者」ならではの考えが回答に反映される結果ともなっている。

Q. あなたは空き家に対してどのようなイメージをお持ちですか。あてはまるものをすべてお知らせください。(いくつでも)【複数回答】

※ご自身で所有している不動産に関わらず、一般的なイメージをお知らせください。

空き家を地域貢献に活かしたい人の割合は1割にも満たず、60代の 100%近くが賃料を優先したいと回答

自己所有の空き家を地域貢献に活かすことにどの程度興味があるかを尋ねる調査が行われたところ、全体で42.2%もの人が「興味がある」と回答した。

年代別で見ると、若い30代ほどその傾向は強く、半数に当たる50.0%が「興味がある」と回答しているのに対して、その傾向は年代が上がるにつれて次第に薄れ、60代で「興味がある」と回答した人は16.3p も低い33.7%となった。

自身の空き家運用に際して、「賃料を優先したい」または、「地域貢献を優先したい」か、という問いに対しては91.9%が「賃料を優先したい」と回答。「地域貢献を優先したい」は1割にも満たない8.1%という結果になった。

年代別にみると、30代では15.4%が「地域貢献を優先したい」を選択しているのに対して、60代に至ってはほぼ100%に近い97.6%の人たちが「賃料を優先したい」と回答しており、空き家運用に際しては「社会/地域貢献」に対する考えをほぼ持ち合わせていないことを裏付ける結果となった。

Q. あなたが所有している空き家を地域貢献に活かすことにどの程度興味がありますか。

※回答者「どちらでもない」89名を除外して集計

Q. あなたが所有している空き家の運用について、賃料と地域貢献のどちらを優先したいと思いますか。

※回答者「どちらでもない」91名を除外して集計

■まとめ

今回は、空き家の“運用実態”に焦点を当て調査が行われたが、現在の空き家運用に関しては半数以上が満足していると回答したにも関わらず、しっかりと賃料(=運用益)を得て運用している人の割合はさほど高くない現状が明らかになった。

自身の空き家を運用して賃料を得たい(優先したい)と考える人9 割近くにのぼるにも関わらず、多くの人が運用益を得られていない背景としては、物件の形態や劣化状況を理由に、他人に貸したり、他の運用方法を断念する人たちが一定数存在しており、必要最小限の修繕を物件に施して、自身の家族を住まわせたり、セカンドハウスとして自身が利用したりと、実需としての運用を選択する人が多い、という状況があるのかも知れない。

前回、「空き家所有者」に対して実施した調査では、「空き家は(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ」というイメージが強く存在していることがわかったが、「空き家運用者」に関しても同様の傾向が見られ、空き家には「人に貸すにも、運用するにもお金(修繕費)がかかる」という考えが根付いているのかも知れない。

空き家問題解決の糸口は、空き家を“負動産”として捉えないこと、そして、様々な機関や企業が提供している制度やサービスを利用して空き家を再生させることで、新たな運用方法への活路を見出していくことが重要だと言えるだろう。

<調査概要>
調査対象:一都三県に空き家を所有し、かつ、何らかのかたちでその空き家を運用している
30代~60代の男女 300名
調査方法:インターネットリサーチ (調査地域:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)
調査時期:2020年1月27日(月)~1月30日(木)
※本調査における「空き家」とは、戸建て、区分マンション、1棟マンション・アパート、1 棟ビル、セカンドハウス(別荘)、店舗を対象とし、所有者が「空き家」と認識している物件のことを指す。

出典元:株式会社ジェクトワン

構成/こじへい

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