緊急事態宣言が解除されたことを契機に、今後、営業を再開する店舗や、リモートワークをやめて再びオフィスワークに切り替える会社は増えていくに間違いない。通常営業に戻るからには、いずれの事業者も適切な対策を講じて感染症予防に努めたいところだろう。
そこで今回、店舗やオフィスで実践できる上手な換気の方法を、空気のプロ・ダイキンがわかりやすく紹介していく。
今日から実践!小型店舗で簡単にできる「窓開け換気方法」
換気設備を使いながら、窓開け・ドア開けで換気する方法を紹介する。
窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に10分程度と言われている。1時間で10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は大きくなる。できるだけ回数を多く換気すると効果的だ。店舗の営業時間前や休憩時間なども有効に使って換気しよう。
■良い例:対角線上にある窓を開けると効率的
■悪い例:近くの窓を開けると狭い範囲で空気が循環して非効率的
■窓を開けても風が入りにくい場合の工夫
いつも空気が入ってくる窓を小さく開け、外に出る窓を大きく開けると効率的な換気ができる。
換気設備のリモコンはONに!フィルターつまりも換気力低下に
店舗が入っている建物は、建築基準法で定められた換気設備が設置されているため、基本的には換気がしっかりできている。
建物によって、入居者が換気設備を個人で操作できる場合と、建物の管理会社などが操作する場合があり、小型の店舗では、働いている人が換気設備をリモコンで操作することがほとんど。
まず、設置している換気設備がどんなタイプで、リモコンや換気設備、換気口がどこにあるか、どんな風に換気されているかなどを把握しよう。
換気設備のリモコンには注意が必要。換気設備のリモコンは、エアコンのリモコンと一体になっていることがある。
春や秋などの過ごしやすい季節には冷房・暖房だけでなく、換気も停止させてしまっていることがあるのでご注意を。
■電源がONになっているか、確認しよう
■エアコンと換気設備がひとつのリモコンで制御されている場合の「換気」運転の確認・操作例
「全熱換気」(もしくは普通換気、自動換気)という文字が標記されている場合は、エアコンと換気のリモコンが共通。エアコンを切ると換気も止まってしまう。
春や秋などの中間期には運転切替画面から「換気」モードを選択して、電源をONにしよう。
換気に使う壁や天井の換気口には必ずフィルターがついているが、フィルターなどのお手入れをしておらず、換気能力が低下していても気がつかないことがある。
フィルターがつまると換気の効率が落ちるので、定期的に清掃をすることも大切なポイントだ。
窓がない個室はどうするのか?
飲食店の個室などで窓がない部屋の場合は、まず、その部屋の周辺の天井にある換気口(排気)の位置を確認しよう。
部屋のドアを開けて、扇風機やサーキュレータなどを置いて部屋の外か中に空気が流れるようにしよう。
■例1:換気口(排気)が部屋(個室)の外にある店舗の場合
ドアを開けて扇風機などでその部屋の外に空気を出すようにしよう。個室奥とドア部分両方に扇風機やサーキュレータがあるとより効率的だ。
■例2:換気口(排気)が部屋(個室)の中にある店舗の場合
ドアを開けて、扇風機などでその部屋の中に風を送り込むようにしよう。
出典元:ダイキン工業株式会社
構成/こじへい