■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
焚き火や屋外での作業に便利なキャンプ用エプロンが増えている。
軽くて速乾性にすぐれた化繊ウエアは、動きやすく、汗や雨で濡れてもすぐに乾くのでキャンプ向きではあるが、一方で焚き火のそばで使うとポツポツ穴があくのが悩みの種。焚き火向きのジャケットを羽織る手はあるが、パンツはそうもいかない。
そこで、焚き火や設営作業時など、パンツをカバーしたいときにキャンプ用エプロンを巻いて、不要なときは取り外すというわけだ。
2月半ばのキャンプ場で試してみた。着用しているのは国産スポーツ手ぬぐいの開発・販売をしているチャオラス製。新たにコットン製のエプロン「CAMP前掛け」(6200円+税 http://chaoras.jp)を開発したという。
サイズは47×72cm。デニム風化繊パンツの上に巻き付けると、膝下まで届いた。焚き火の火の粉は上方向に飛ぶので、直火でもない限りカバーできそう。
丈が長めなので、設営で膝をつくときもエプロンでカバー。写真のようなカラカラに乾いた地面ならいいが、草地のキャンプサイトで膝をつくと膝が濡れてしまう。寒い時期は膝の濡れが身体の冷えにつながるので、できるだけ避けたいところ。エプロンがあれば汚れだけでなく濡れ防止にも役立つというわけ。
エプロンを調理で使えば、熱、油はねから守ってくれる。ロング丈なら立って作業するときも、座ったままでも裾がバーナーに触れることがなくて安心だ。
調理だけでない。クラフトや焚き火など刃物を扱うときにも厚手のエプロンを巻いておくとケガ防止に役立つ。帆前掛けは男性でも抵抗感がないデザインなので、自宅でのDIYやガーデニングにも積極的に使えるだろう。
チャオラスのエプロンは、伝統的な帆前掛けをベースに、両側にペグハンマーやペグが入る大きなポケット、ポケットの上にはループをもうけていてナイフや手ぬぐいを引っかけておける。
胸当て付きのエプロンだと、ポケットにあれこれモノをいれると首が痛くなるが、帆前掛けのような腰で支えるものであれば、重いものをいれても大丈夫。ポケットは中央よりが深さ約29cm、端のほうが約23cm(ともに実測)なので長いペグでもまとめてポケットに入れておけば設営時にいちいちペグをとりに動かずにすむ。また、撤収時にはエプロンでサッとペグの泥汚れをぬぐってもいい。
生地は帆布なので、缶バッチ、ピンズ、ワッペンでカスタムするのも楽しい。コットン100%なので、洗うたびにくったりした風合いに変化する。
使ってみたのは2月。昼間はぽかぽかしていたが、それでも1枚エプロンを巻き付けると前面だけではあるが風を遮るので、冷え防止にかなり役立った。
真夏の着用は少々厳しそうに思えるが、蒸し暑い時期にわざわざ焚き火をすることはないし設営時だけ巻けばいい。それに、道具をポケットに詰めておけばテント設営時にいったりきたりする手間がなく、その分、早く設営が完了する。
身体になじむアウトドアウエアとの出会いはまれ。せっかく見つけた着心地のいいウエアは、なるべく長く着続けたい。そういう意味でも、キャンプ用エプロンは間違いなく“買い”だ。
チャオラスほか、いろいろなメーカーからキャンプ用エプロンが販売されているので、自分好みの1枚を探してみては。
取材・文/大森弘恵