緊急事態宣言を契機に急増した在宅ワーカー。この1~2ヶ月余りの間に自宅を“お仕事仕様”にカスタマイズして、ある程度効率的に作業を進められるようになったものの、いまだに生活リズムが狂いがちで疲れがたまりやすいという方も多いのではないだろうか。
そこで今回、医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニックの日比野佐和子統括院長が提案するウィズコロナ時代に欠かせない免疫力の維持や向上策について紹介していきたい。
<日比野佐和子医師>
医学博士
日本内科学会・日本皮膚科学会・日本眼科学会会員。
日本抗加齢医学会専門医
アジア・オセアニア抗衰老促進協会 理事長 などを務める。
医療法人康梓会Y’s サイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 特任准教授。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。
同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。
“Stay Home”で免疫力低下に注意
“Stay Home”はウイルスを拡散しないために有効な一方、免疫力の維持向上には注意が必要です。なぜなら、自宅にとどまることで運動不足になりストレスも溜まりやすくなるからです。在宅勤務が続く方にまずおすすめするのは、1日1万歩歩くことです。
1万歩は早歩きで約1時間。1時間も歩く時間がとれない。外を歩くのは感染の懸念が…そんな方には念入りなストレッチ運動をおすすめします。腹式呼吸で全身の筋肉、特にインナーマッスルを意識しながらゆっくりと時間をかけてストレッチ運動をしてください。
深い睡眠と規則正しい生活が鉄則
在宅勤務することで通勤に時間をとられません。ついつい睡眠時間が長くなり不規則な生活になってしまう方もいるのでは。でも不規則な生活やダラダラ睡眠は禁物。人の身体には体内時計があります。
夜になると睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンが増え、朝日を浴びることでこれがリセットされます。不規則な生活や太陽光を浴びないような生活を続けるとメラトニンが正常に分泌されません。メラトニンは免疫力を増強するという研究結果もあり、規則正しい生活はとっても大切です。また睡眠は時間の長さより深さが重要。深い睡眠には血液の循環をよくし腸内環境を整える効果があります。
在宅勤務でも適度な休憩と「笑い」が大切
在宅勤務ではついつい働きすぎてしまうという方もいるようですが、適度に休憩し安らぐ時間をとることが免疫力維持には重要です。人は笑うことで免疫細胞の一つであるナチュラル・キラー細胞(NK細胞)が活性化されるといわれています。
NK細胞は、全身をパトロールしながら体内に侵入するウイルス感染細胞などを見つけ攻撃する免疫細胞です。免疫力アップのためにも、適度に休憩をとりながら、自分が好きな動画、心から楽しめる友人や家族、職場の仲間と会話をすることは在宅勤務でも大切なことです。
腸内環境を意識したお手軽料理がおすすめ
在宅勤務をしていると実は時間があまりとれないのがランチ。でも食べ物をおろそかにすることは絶対にダメ。免疫細胞は腸内に6割以上あるといわれています。腸内環境を整えることで、免疫細胞を活性化することができます。腸内環境整備におすすめは発酵食品。納豆やみそ汁、ヨーグルトを意識して食べることが大切です。
とくに忙しい在宅勤務の方へのおすすめは「みそ玉」。みそに好きな具を入れて丸めておくだけで簡単にみそ汁の作り置きができます。免疫力を意識してみそ玉に体内の炎症を抑えるとされるオメガ3オイルを垂らしておくこともおすすめです。
こまめな水分補給も忘れずに
人の体内の60―70%以上は水でできています。出歩く機会がないときでもこまめな水分補給は大切です。水分が減ると血液がドロドロになります。体内に炎症を引き起こしやすくなり免疫力が低下します。家庭での飲用水では、管理医療機器として胃腸症状を改善する効果がある整水器もおすすめです。整水器でつくられた水は、抗酸化作用があるといわれる水素を多く含んでいるので、体内の炎症を抑える効果が期待でき、毎日習慣づけることが健康増進につながります。
在宅勤務が増える状況でも適度な運動と規則正しい生活、腸内環境を意識したお食事やお水を意識して、免疫力の維持向上に努めましょう。
出典元:株式会社日本トリム
http://www.nihon-trim.co.jp/
構成/こじへい