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イヤホンの内部に搭載されている「ドライバー」って何?

2020.06.01

イヤホンの購入を検討する際、どのようなポイントに注目しているだろうか。価格はもちろん、音質の良さやコードの有無、スポーツ時に着用する人は防水機能が付いているかなども重要なポイントだろう。

こうしてイヤホンを探している際、「ドライバー」という単語を目にした経験はないだろうか。「イヤホンの中にドライバー? プラス? マイナス?」と思う人もいるかもしれないが、このドライバーはイヤホンの音質を左右するとても重要なパーツ。では、ドライバーとはどのような部品で、どのような働きをしているのか解説していこう。

イヤホン内部の構造を解説!

まずは、ドライバーのみならず、イヤホンの内部の構造を解説していこう。聞きなれない単語もあるとは思うが、ライトな理科の教科書だと思っていただけると幸いだ。

イヤホンの内部構造【ドライバー】

まずは今回のテーマであるドライバーについて。ドライバーとは電気信号を音に変換する部品で、デバイスから届けられた電気信号は、ドライバーによって発音し、我々の耳に届く。いわば、イヤホンの音を左右する最重要パーツというわけだ。後述するが、大きく分けてドライバーには3つの種類が存在する。

イヤホンの内部構造【コネクタ・ケーブル】

ケーブルは、その名の通り有線イヤホンに用いられているコード部分。中には銅や銀といった素材が使われており、この素材によっても音質は変化する。

コネクタは、ケーブルが着脱可能なイヤホンについているパーツで、ケーブルとイヤホンの本体を接続する部分と捉えてもらえればいい。

イヤホンの内部構造【イヤーピース・ノズル】

厳密にはイヤホン内部ではないが、耳に装着するイヤーピースと、イヤーピースをイヤホンに装着する部分であるノズルも重要なパーツ。特にイヤーピースは、ただ装着感を左右するだけでなく、耳の密閉具合が変化するため音質にも関わる。音質がいまいち自分の好みに合わないという場合には、まずイヤーピースを変えてみるといいだろう。

イヤホン内部の構造【磁石・コイル】

いよいよ理科の教科書らしくなってきたが、イヤホンの内部には磁石とコイルも組み込まれている。コイルは簡単にいえば電線をグルグルと巻いた構造で、磁石はネオジム磁石という強力な磁力を持つものが使用されている。ケーブルから流れてくる電流が変化すると、金属の振動板を取り付けた磁石が前後に振動し、音が出る仕組みだ。

ドライバーには3種類が存在!?

では、前述した通り、イヤホンに内蔵されるドライバーの主要3種類を紹介しよう。

イヤホンのドライバーの種類【ダイナミック型】

イヤホンとして多く出回っているのが、このダイナミック型のドライバーを搭載したモデルだ。ダイナミック型は、音の信号をダイヤフラムとも呼ばれる振動版に伝え、音を出力する仕組み。一般的なヘッドホンやスピーカーにもこの構造が使われている。音の特徴として、幅が広く低音域を出すのが得意。比較的安価なイヤホンには、このダイナミック型が採用されている場合が多い。

イヤホンのドライバーの種類【バランスド・アーマチュア型(BA型)】

BA型と略される場合が多いバランスド・アーマチュア型。ハイエンドモデルのイヤホンに採用されている場合が多く、アーマチュアと呼ばれる小さな鉄板に電流を流して振動させ、その振動がダイヤフラムへ届き音を出力する。高音域や中音域の音の再現を得意とし、解像度が高く音の輪郭がはっきりする傾向がある。クラシック音楽などの繊細で入り組んだ音楽を聴くのに適しているだろう。また、ドライバー自体がコンパクトなため、1つのイヤホンに複数のドライバーを搭載できるというメリットがある。ダイナミック型と比べると音の幅は狭いが、低音域・中音域・高音域とそれぞれに対し専用のドライバーを搭載し、音域の狭さを補っている場合が多い。

イヤホンのドライバーの種類【ハイブリット型】

ダイナミック型とBA型の両方を搭載したモデル。そのほとんどは、低音域用にダイナミック型、中高音域用にBA型を採用している場合が多く、ダイナミック型のパワフルさとBA型の繊細さの両方を兼ね備えたタイプだ。

ドライバーによって分かれるイヤホンの選び方

ここまで解説してきた内容をまとめると、迫力ある音やドンドンと響く低音を楽しみたいという人にはダイナミック型、繊細な音をきれいに聴きたい、すべての音を感じたいという人にはBA型がそれぞれおすすめ。ハイブリット型は、どちらの良さも兼ね備えたバランスのいい製品なので、どちらもまんべんなく楽しみたいという人におすすめといえるだろう。

もちろん、冒頭でもふれたとおりイヤホンの選び方は人それぞれ。自分の用途に合わせたイヤホンを選択するのが、良い音楽ライフを送る上で最も重要なポイントだ。もしイヤホン購入の決め手に欠けた際には、一度ドライバーに注目してみてはいかがだろうか。

※データは2020年5月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/佐藤 文彦

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