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知ってる?中国から伝わり日本特有の祭りへと進化した「七夕」の由来

2020.06.24

七夕の由来には、さまざまな伝説が関係しています。時代とともに風習や祭り方が変化し続けているのも、注目したいポイントです。お祭りに力を入れている地域もあれば、独自の風習が残っている地域もあります。

七夕の由来

七夕は中国から伝わった節句の一つで、由来となった伝説は耳にしたことがある人も多いでしょう。中国から伝わった伝説や祭りの影響を受けながらも、日本古来の風習などと合わさって、独自の七夕文化が誕生しました。

中国と日本の伝説が結びついて現在の形に

日本で親しまれている七夕は、中国から伝わった『七夕伝説』と『乞巧奠(きっこうでん)』に、日本古来の『棚機津女(たなばたつめ)』という伝説や、豊作を祖先に祈る風習などが結びついたものです。

七夕伝説は織姫と彦星とのラブストーリーとしても広く知られています。仲を引き裂かれた2人は毎年77日に会うことを許され、天の川を渡って再会するという物語です。乞巧奠は、織姫にあやかって機織りなどの上達を願って催されるようになった祭りを指します。

棚機津女は、棚機という機織り機で『神御衣(かんみそ)』を織る女性の話です。七夕と書いて『たなばた』と読むようになった由来でもあります。

元は技芸の上達を願う行事だった

七夕が中国から伝来して間もないころは、夜空に浮かぶ織姫星と彦星に美しい糸や金銀の針などを供えて、手芸の上達を祈願する祭事でした。しかし、全国に七夕が広まると同時に風習も変化を遂げていったのです。

室町時代以降は木に和歌を結び、季節の品々と一緒にすずり・墨・筆などを供えて技芸の上達を願っていたとされています。七夕の『7』という数にあやかって、蹴鞠(けまり)・歌合せ・碁・花・貝合わせ・香・楊弓(ようきゅう)といった7種の遊戯も楽しまれていました。

七夕の歴史

七夕は中国から伝わってもすぐに全国には広まらず、雅な行事として主に貴族の間で親しまれてきました。庶民の間に広まったのは、いくつもの時代を経てからのことです。風習の移り変わりにも注目してみましょう。

平安時代には宮中行事として開催

平安時代の七夕は今のような庶民的なイベントではなく、宮中行事の一つでした。桃・梨・ウリ・ナス・大豆などの野菜以外に、干し鯛やアワビといった海の幸も供えて星を眺めていたといいます。香をたいて、楽(がく)を奏でたり詩歌に吟じたりと、娯楽の要素が垣間見えるのも特徴です。

七夕飾りの元祖ともいえる『乞巧奠飾り』も平安時代に生まれたとされています。乞巧奠飾りは、五色(ごしき)の紙垂(しで)や梶(かじ)の葉を四方に巡らせたものです。梶は古くから神聖な木とされ、祭具として用いられてきた歴史があります。

江戸時代に庶民へ広がる

七夕は江戸時代に入ってから庶民の間にも広まり、全国各地で親しまれるようになりました。そのきっかけは、七夕が『五節句』の一つになったことです。

五節句には七夕の節句のほかに、17日の『人日(じんじつ)の節句』、33日の『上巳(じょうみ)の節句』、55日の『端午(たんご)の節句』、99日の『重陽(ちょうよう)の節句』があり、今も親しまれています。

梶の葉の代わりに願い事を書いた短冊を笹竹につるすようになったのも、江戸時代からです。願い事といっても今のように自由に書くのではなく、詩歌や習いごとの上達が中心でした。

七夕の風習と祝い方

七夕に欠かせない笹竹や七夕飾りは単なる装飾ではなく、特別な意味が込められています。七夕祭りや風習も地域ごとに独自の変化を遂げており、豪華絢爛なものからユニークなものまでさまざまです。

笹を短冊や七夕飾りで装飾

七夕ならではの風習として挙げられるのが、短冊や七夕飾りを笹竹に飾るというものです。笹竹に飾りものをつるすようになったのは、七夕の由来となった七夕伝説・乞巧奠・棚機津女などが関係しています。

いずれも祈りや願いがテーマになっており、それらを目に見える形として表したのが七夕飾りです。笹竹に飾るのは、笹竹が天の神様が依りつく『依り代(よりしろ)』として信じられきたことが関係しているとされています。

日本各地では七夕祭りが開かれる

今や七夕は国民的行事となり、全国で七夕祭りが催されています。旧暦の七夕に当たる87日前後に開催されるお祭りも少なくありません。

七夕祭りといえば、青森県青森市の『ねぶた祭り』が有名です。江戸時代には、人々がねぶたを持って歩いたり踊ったりしていたことが記録に残っています。時代とともにスケールも美しさもアップし、今や日本を代表する祭りの一つといっても過言ではないでしょう。

また、宮城県仙台市の『仙台七夕祭り』も大規模な七夕祭りの一つです。豪華な七夕飾りをひと目見ようと、遠方から訪れる観光客もたくさんいます。

地域固有の風習もある

一口に七夕といっても、一部の地域にしかない珍しい風習もあります。その代表ともいえるのが、北海道で77日もしくは87日に行なわれる『ローソクもらい』です。子どもたちが近所の家を回って「ローソク出せよ」と歌い、ローソクやお菓子をもらう風習があります。

長野県松本市の『七夕人形』も一風変わった風習です。家の軒先に紙や板で作った七夕人形をつるして、子どもの着物を着せて厄を払います。平たい麺にアンコをからめた『ほうとう』という郷土食を食べるのも、松本市ならではの習わしです。

構成/編集部

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