外出自粛により、巣ごもり生活が続く中、気になるのが、運動不足やストレスなどからくるちょっとした体の不調。肩こりやむくみなどに悩まされている人は多いのではないだろうか。そんなとき、自分自身で何か、有意義なセルフケア方法を持っておくと、調整しながら生活を送ることができそうだ。
そこで今回は、自分で自宅で手軽にできるセルフケア方法の一つとして、「耳のセルフケア」の方法を紹介する。
耳のセルフケアがもたらすメリット
今回、耳のセルフケア方法をレクチャーしてくれたのは、イヤービューティセラピスト協会。イヤービューティセラピー®(耳つぼ施術)を活用し、日常生活におけるさまざまな不調、不定愁訴へアプローチする独自の施術を提案している。どれも手軽で安全にできるものだ。
協会所属のイヤービューティセラピストは、耳のセルフケアについて次のように解説する。
「耳は体全体を表しているといわれ、その箇所はお腹の中の胎児と同様に見立てられています。耳たぶは頭、中心の溝は内臓、上部は脚と見ていきます。耳は体とつながっているので、その人のそのときの状態が現れているといわれています。耳全体にアプローチすることで、体の状態を知り、不調個所の状態を改善することが可能であると、世界的に期待が高まっています」
「本来、耳はやわらかい状態のほうが良いといわれています。そこで、耳や耳周りのセルフケアをして柔らかい状態へ近づけてみましょう。かたさが出ているところは、不調の前兆が現れているといわれています。
耳の末梢神経が集中している場所は、体の臓器などの各器官や各部位につながっています。さらに、耳の周りには自律神経の繊維やリンパ管等の枝が張り巡らされています。そこを刺激すると、関連のある器官と生理機能が刺激を受けて血液循環が良くなり、日常生活における不定愁訴の軽減や、さまざまな不快な症状からの解放が期待できるといわれています」
実践!耳のセルフケア方法
耳のセルフケアは、手軽に自分で、自宅でできることから、巣ごもり生活には適している方法といえそうだ。そこで今回は、巣ごもり中に起きやすい「肩こり」と「むくみ」のケア方法をイヤービューティセラピストにレクチャーしてもらった。
●「肩こり」が気になるとき
・手と耳を清潔にしてから行いましょう。皮膚に爪が当たって傷つかないように注意してください。
【STEP1】
・片耳ずつ行います。
・親指でも人差し指でもやりやすい方法でOK。
1. 耳たぶから上部に向かって圧を加えながら徐々に押し進めます。
2. 耳全体を包み込むようにしっかり持って大きくゆっくり前後に3回ずつ3セット回します。
「痛くない程度で大丈夫です。痛みを感じる場合は無理をせず、痛くない強さの力でやりましょう。耳に硬さを感じるようなら少し時間をかけてアプローチしてみてください」
【STEP2】
「耳全体がやわらかくなってきたら、肩こりに効果があるツボ周辺にアプローチをします。○で囲われた部分周辺には、肩のツボが存在します。触れたときにところどころ、かたかったり、痛みが強かったりする場合は不調が出ていると考えられます。ここにアプローチして、血流を良くし肩周辺のコリをゆるめていきましょう」
1. 指の腹を使って前後から耳を挟んでゆるめます。
2. 下から上に向かって圧を加えながら徐々に押し進めます。
3. 3秒ずつ下から上に向かって順に圧迫します。これを片耳3セットずつ行いましょう。
「触っていくうちにゆるやかに肩や首の力が抜けていく感覚が得られれば成功です」
●「むくみ」が気になるとき
「むくみに対しては副腎と腎臓のツボにアプローチをしていきます」
・手と耳を清潔にしてから行いましょう。皮膚に爪が当たって傷つかないように注意して下さい。
【STEP1】
・片耳ずつ行います。
・親指でも人差し指でもやり易い方法でOK。
1. 耳たぶから上部に向かって圧を加えながら徐々に押し進めます。
2. 耳全体を包み込むようにしっかり持って大きくゆっくり前後に3回ずつ3セット回します。
「痛くない程度で大丈夫です。痛みを感じる場合は無理をせず、痛くない強さの力でやりましょう。硬さを感じるようなら少し時間をかけてアプローチしてみてください」
【STEP2】
「耳全体がやわらかくなってきたら、副腎というツボにアプローチをします。○で囲われた部分周辺には副腎のツボが存在します。副腎は代謝、血圧、血糖、水分と塩分の調整など、体内環境を常に一定に保つためのホルモンを作っている重要な臓器です。この臓器に働きかけるツボを利用して体内環境を整えましょう」
1. 親指を耳の穴側に添えて、人差し指の側面で耳の顔側の突起を挟んでみます。
2. 挟んだまま人差し指を後ろに優しく引きます。片耳3秒×3セットずつやります。
「厚みを感じたり、痛い場合はむくみやすくなっているかもしれません。またこの周辺は顔のむくみにも効果が期待できますので、しっかりケアしてみてください。鏡を見て耳を触ったほうの顔がスッキリしていれば成功です」
【STEP3】
「次に腎臓のツボを中心にアプローチをします。○で囲われた部分周辺には腎臓のツボが存在します。この周辺は泌尿器系や消化器系の臓器のツボが集まっています。疲労感や老化など、体が酸性に傾いた際に起こる症状が現れるといわれています。また、塩分や糖分の過剰摂取や水分摂取量の過不足、冷えなどによる不調に対応するツボといわれています。刺激をしてあげて、体内の毒素を出しやすい体を作りましょう。
皮膚が薄い部分でもあるので、爪が当たらないように特に注意しましょう」
1.耳の穴の上部にある狭い溝の部分に指の腹を当てます。
2.スペースを広げるようなイメージで溝を押し広げるように刺激します。片耳3秒×3セットずつやります。
「顔色に変化が出たり、だるさが軽くなる感覚を感じたら成功です。また尿の量や回数が増えることもあります」
耳のセルフケアはリラックスできる体勢で行おう
耳のセルフケアを行う際のタイミングや体勢なども確認しておこう。
「耳のケアはどのタイミングで行っても問題ありません。眠る前やお風呂に入って体が温まった後にするのも良いですし、朝起きて、動き出す前に行うのも良いと思います。
共通して言えるのは、座った状態でも寝た状態でも、ご自身がリラックスできる体勢で行うのがおすすめということです。また耳のケアをするときは、ご自身の手と耳を清潔にしてから行い、皮膚に爪が当たって傷などができないよう注意して行ってください」
イヤービューティセラピスト協会は、自宅で過ごす人が増えている状況を受け、自分自身で手軽にできる「耳のセルフケア」の動画コンテンツを無料配信している。自分のやり方が正しいかどうかのチェックもできる。ぜひ視聴しておこう。
1.基本編
手軽にできる耳のセルフケア イヤービューティセラピー®の基本を学ぼう
2.呼吸編
深い呼吸でストレスリリース 耳のセルフケアと深呼吸でストレスから解放されよう
3.睡眠編
睡眠の質をアップさせるには? 耳のセルフケアで睡眠を考える
4.むくみ編
運動不足によるむくみ解消!! 耳のセルフケアでむくみを手放そう
【取材協力】
イヤービューティセラピスト協会
https://ebta.jp/
取材・文/石原亜香利