SkypeやMicrosoft Teamsなど、数あるビデオ会議ツールの中から最適なものを選ぶのは意外と難しい。特に、ビジネスシーンでの利用では、使い勝手や接続の安定性に加え、セキュリティ面も考慮しなくてはならない。
本記事では、特にビジネスシーンで利用されることの多いCiscoの「Webex」と「Zoom」、2つのツールの特徴を比較してみた。それぞれのメリット、デメリットを把握した上で、シーンに合わせて最適なツールを選ぼう。
Zoomの特徴
Zoomは、アメリカのZoom Video Communications社が提供しているWEB会議ツール。バーチャル背景の設定や、ホワイトボード機能、会議の録音・録画機能など、ビジネスに特化した機能が充実しており、コロナウイルス拡大によるテレワークの増加で一躍注目を集めたサービスの一つだ。一度利用すれば、誰しもその使いやすさに驚くだろう。
Zoomには、無料プランに加え3つの有料プランが用意されている。無料版の特徴は以下の通り。
【Zoom無料版の特徴】
・同時接続は100人まで
・1対1のミーティングは時間無制限
・3人以上のグループミーティングは1回40分までの制限あり
・PCブラウザでの利用に加え、PCデスクトップアプリ・iOSアプリ・Androidアプリあり
Zoomの一番のデメリットは、3人以上のミーティングに時間制限が設けられている点だ。1度会議を終え、再度招待URLを共有すれば継続が可能だが「相手がお客様」などの場合には、有料版へ切り替えるか他のツールを検討した方がいいかもしれない。
また、利用者が急増したことから、利用時間の多い昼間の時間帯には、通信が不安定となるケースもあるようだ。接続の安定性を重視したい方は、ピークタイムを避けて利用するようにしよう。
Webexの特徴
Webexは、「世界で最も利用されているWeb会議システム」と言われており、Zoomと並んで高い知名度を誇る。もちろんWeb会議での画面共有、ホワイトボード、録音録画も可能だ。
Zoomと同様、Webexにも無料プランと3つの有料プランが用意されている。無料版の特徴は、以下の通り。
【Webex無料版の特徴】
・同時接続は100人まで
・各ミーティングは最長50分まで、回数無制限
・画面共有、ホワイトボード機能、録音録画機能あり
・バーチャル背景はiPhone、iPadのみ利用可能
Zoomとの最大の違いは、1会議あたりの制限時間だ。Webexでは「各ミーティングは最長50分まで」の制限が設けれられている。また、通信の安定性についても高く評価する人も多い。
その他の機能もZoomと遜色ないが、「バーチャル背景」だけは注意が必要だ。Zoomでは、PC版からもバーチャル背景の設定が可能だが、WebexはiPhone/iPadのみ利用可能。パソコンからWebexで会議に参加する際には、事前に映り込む背景をチェックしておく必要がある。
ZoomもWebexも一長一短
どちらも無料で利用できる便利なWeb会議ツールだが、使い勝手や機能、制限などには細かい違いがある。
まとめると、「セキュリティ面」を優先するのであればWebexを、「PCでのバーチャル背景」を利用したい方はZoomを選ぶのが良さそうだ。
利用方法はどちらも簡単
どちらもゲストとしてミーティングに参加するには、「招待URLをクリックするだけ」と簡単。オンライン会議に不慣れな方でも使いこなせるはずだ。
ただし、画面の仕様や使い方には違いがある。特に、自分が主催者となる場合には、どちらも試した上で、自分が使いやすいと感じる方を活用するのもいいだろう。
セキュリティ面ではWebexが優位?
セキュリティ面ではZoomの脆弱性が話題になったことは記憶に新しい。現在では修正済みとされているが、個人・ビジネス利用を問わず目を光らせたい部分の一つだ。
その点、Webexでは、ユーザー情報の保護に力を入れており、メッセージやホワイトボードの内容まで、あらゆるデバイス間で”暗号化”をしている。Zoomも日々、セキュリティ面での強化が図られているが、「大切なWeb会議の時はWebexを利用する」など、使い分けをしてみてはどうだろうか。
文/oki