5月に入り、急に暑くなってきた。日中、エアコンなしでは、おうち時間を快適に過ごせないという人も多いことだろう。
そんな中、夏に向けて準備したいのが「エアコンの試運転」と「お手入れ」だ。暑くなってからエアコンを使おうとした時に急な故障や不具合などが起きるケースがある。
昨年からエアコンの試運転に対する意識が高まっており、空調専業メーカー・ダイキンの試運転説明サイトへの夏前の訪問者数は大幅に増え、試運転を実施した人も増加傾向に。そこで今回、家にいることが多い今だからこそできる、エアコンの試運転と掃除の方法を解説していきたい。
エアコン試運転の方法 ~故障・不具合の見つけ方~
(1)運転モードにして、
温度を最低温度(「冷房」16~18°C)に設定。10分程度運転しよう。
※機種によって最低温度は異なる。
※電源プラグはコンセントに差し込まれているか?
※リモコンの電池は切れているか?
(2)冷風がきちんと出ているか、異常を示すランプが点滅していないかご確認いただきたい。
(3)さらに30分程度(目安)運転し、室内機から水漏れがないかご確認いただきたい。
※念のため、室内機の下に物を置かないようにしよう。
(4)異臭や異音がしないか確認していただきたい。
■これがあったらエアコンメーカーに要連絡!
□運転ランプが点滅する
□冷房運転をしても冷風が出ていない(よく冷えない)
□室内機から水漏れしている
□異臭がする
□異常音がする
「試運転」と合わせてチェックしよう!家庭でできる節電方法をおさらい
■こまめにフィルター清掃を
フィルターは2週間に1度は清掃を。ホコリは水洗いか掃除機で吸い取る。汚れがひどい場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、汚れを落とした後、軽く水切りをして、日陰でよく乾かす。
※フィルターの汚れが落ちなければ、買い替えが必要な場合がある。また、エアコン内部の汚れについては、別途ご相談を。
■設定温度は28℃を目安に
冷房運転時は、設定温度を1℃上げると約10%の節電の効果がある。暑く感じた場合は、設定温度を下げる前に風量を強くしてみよう。お出かけ先からの帰宅の際は、部屋を換気して熱を逃がしてからエアコンの運転をさせると効率的。
■室外機から熱を逃がす
エアコンの運転中は、室内の暖気を外に排出するため、室外機は放熱している。室外機にはカバーをかけず、また、吹き出し口付近やその周辺には、障害になるものを置かないようにしよう。
専門家コメント
お客様からエアコンに関する問合せが集中するのは例年7月です。試運転をすることで『真夏にエアコン無し』という恐ろしい状態を極力回避していただきたい。エアコンのお手入れによって、エアコンの効き方が格段に変わります。家にいることの多い今、エアコン試運転と掃除のタイミングです。
真夏にもできるだけお待たせしないよう、修理受付窓口の人員を増やしたり、修理用部品を準備するなど、ヒト・モノの両面で対応を強化しています。しかしそれでも、ピーク時にはお問い合わせから対応まで通常よりもお待たせしてしまうのが現状です。また半年ほど使っていない状態から、気温の高い時期にいきなりエアコンを使うと、エアコン本体に大きな負荷がかかってしまうのも問題です。
さほど気温の高くない、5月といった早い時期に、一度、試運転しておくことで、エアコンへの負荷が抑えられ、エアコンの寿命を長く保つことにもつながります。またこの時期に、室内機・室外機の掃除をしておくと、エアコンの効きも格段によくなりますので節電効果につながります。
ダイキン工業
サービス本部 企画部
フィールド技術グループ
グループリーダー
水倉忠幸氏
Stay Homeの今こそ!空気のプロ・ダイキンが教える室内機のお掃除法
エアコンは、ご自身で掃除できる場所とプロにまかせた方が良い場所がある。機種によっても変わるため、取扱説明書にそってお手入れを行ってほしい。お手入れの前に必ず、運転を停止し、電源プラグを抜くか、エアコン専用ブレーカーを切って行っていただきたい。
■本体内部
エアフィルターをはずした本体内部(アルミフィン部分など)は、一般ユーザーはお手入れすることができない。熱交換器に汚れが溜まると湿度で細菌が繁殖し、ニオイの原因になる。たばこなどしつこい汚れが残る。汚れが気になる場合など内部洗浄が必要な場合は、お買い上げの販売店または業者にご依頼いただきたい。
また、市販の洗浄スプレーなどはご使用にならないでほしい。
■前面パネル
水または液体中性洗剤を含ませたやわらかい布で軽くふいていただきたい。取り外してお手入れすることもできる。
前面パネルを本体に取り付ける部分は、パネルの回転軸を本体内側に取り付けるタイプと本体外側に取り付けているタイプがあり、取り外し方が異なる。
■エアフィルター
フィルター自動おそうじ機能が搭載されている機種の場合
⇒基本的にエアフィルターのお手入れの必要はない。汚れが気になる時には取り外して洗うことができる。
自動おそうじの機能がない機種の場合
⇒掃除機または水洗いでお手入れしてほしい。
■ストリーマーユニット
空気をきれいにするための部品。 機種によりお手入れが必要だ。
■ダストボックス
ダストボックスのおそうじ時期をおしらせするサインがついた場合に、たまったホコリをすて、汚れている場合はお手入れをしていただきたい。
■吹き出し口
室内機の吹き出し口などエアコン内部は、お客様でお手入れすることができない。室内機の吹き出し口に物や手を入れての清掃は、重大なケガや部品の破損を引き起こすおそれがある。
「エアコン室外機のお手入れ」で、賢く節電できる
室内機と比べると、スポットライトの当たりにくい室外機だが、室外機の状態によって、エアコンの効き方に大きな差が出る。室外機正面にある風の吹き出し口と背面や側面にある吸い込み口、どちらかが障害物などでふさがれていると、熱が周辺に留まってしまい、熱を外に逃がすという室外機の役割を果たせなくなる。
邪魔なごみをなくし、「風通しを良くする」だけでも、エアコンにとってストレスがなくなるので、節電効果は高い。室外機は無理やり動かすと、ガス漏れが発生するなど故障の原因になるので、なるべくプロや業者に頼むのがおススメ。ここでは、最低限自宅でできる室外機のお手入れ方法を紹介していく。
(1)外側の汚れを落とす
外側の汚れをほうきでササっと落としていく。隙間に挟まった枯れ葉やクモの巣などをほうきで払い落してほしい。
とくに、プロペラをカバーしている正面の網状の吹き出しグリルは汚れが溜まりやすい場所。使い古した歯ブラシなどで汚れをかき出し、掃除機で吸い取るときれいに落とせる。
(2)室外機の周辺を片付ける
室外機の掃除ではないと思うかもしれないが、周りに鉢植えなどを置いてあると空気の流れを邪魔し、汚れが詰まった時と同じく無駄な電気を消費してしまう。室外機から半径20cmの範囲は物を置かないようにすれば電気料金の節約になる。
出典元:ダイキン工業株式会社
構成/こじへい