スマホ感覚で使える27mm画角でスナップ上級者に!FUJINONの高性能レンズ「XR18mmf2 R」の使い勝手を検証
2020.05.21■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所
馴染みのある画角で気兼ねなく撮影できる
散歩の途中に立ち止まらずに撮影して、そのまま歩き続ける。液晶モニターをチラ見しただけで、どれぐらいの範囲が写るか肌感覚で分かっていれば、造作もないことだ。我々が普段から親しんでいるスマホの画角ならどうだろう。28mm、画角は約75度になる。銀塩カメラ時代は標準が50mm、広角が35mmで、やや上級者になってから揃えるレンズが28mmだった。今回はその扱いやすいFUJINON「XR18mmf2 R」を使ったスナップ術について考察する。
重さ116g、厚さ33,7mmのスリムな高性能レンズ
「XR18mmf2 R」はFUJINONレンズの中で2番目にスリムで軽いパンケーキレンズである。単に薄いだけでなく7群8枚構成で非球面レンズを2枚使った高性能レンズ。焦点距離は27mm(35mm換算)になる。オンラインショップでの価格は7万950円(税込)となかなか高価なレンズなのだ。注目したいのは付属の角型フードでクラシックなデザインで遮光効果も良さそうに見える。フード専用のゴム蓋も付属する。実は16mmF1.4では別売で同様のフードが用意されているがその希望小売価格は1万340円もするのだ。
レンズには絞りリングも付いているのだが、被写界深度の指標はない。これは残念、8万円もする単焦点レンズなので、16mmF1.4と同様にピントリングに距離と被写界深度の指標を付けて欲しかった。
角型フードはアルミ切削で作られ樹脂製には真似の出来ない質感が魅力
X-E3の設定はAF-Cを使ってみよう
ここでカメラ側の設定をおさらいしてみよう。今回はAFレンズなので、パンフォーカスだけでなくAF-Cモードを使う。普段使っているのはAF-Sモードで、シャッター半押しでAFが働き、その状態でピントはロックされる。AF-Cはコンティニュアスモードなので、半押しから被写体が動くとピントも移動する。こちらの方が人間の目の動きに近く、使いやすいのだが、電池の消耗が早く、追従性に不満を持つ人もいるので、デフォルトではAF-Sになっているのだ。スナップはシャッターチャンス重視なので、AF-Cを選択して予備の電池を持参しよう。
それから「フォーカス設定」にある「レリーズ優先/フォーカス優先」という項目をレリーズ優先にしておく。これはピンボケ写真にならないようにメーカーの親切機能。ピントが合わなければシャッターを押しても写真が撮れないという設定なので、スナップには不要なのだ。普段の撮影もピンボケでも写真が撮れる方がいい人はレリーズ優先にしておこう。
最後に「画面のカスタマイズ」で、EVF内に表示される情報を整理して見やすくしておく。私はグリッドが好きなので「フレーミングガイド」はONにしている。それから「MF時の距離指標」もONにしておこう。これで被写界深度が分かるのだ。MFにフォーカスモードを切り替えると、画面下に距離の指標が現れ白い線が出る。これがレンズのピント位置である。その両側に青ラインが表示される。このラインが被写界深度でピントの合う範囲なのだ。例えばF16まで絞った場合、2mから10mの範囲にピントが合う。
「フォーカス設定」にある「レリーズ優先/フォーカス優先」でレリーズ優先を選択する
「画面のカスタマイズ」では「MF時の距離指標」にチェックを入れておこう
Mモードにすると画面下にMF距離指標が表示され、青ラインで被写界深度が現される