都内在住で、自転車を日常的に使用している人は多いはず。人口密度が高い分、通行人や車に衝突しそうになるなどヒヤリとした経験がある人もまた、少なくないだろう。
そんな「東京都の自転車事故に関する調査」がこのほど行われたので、その結果を紹介していきたい。
なお本調査は、東京都在住で月に1回以上自転車を運転する人1,000名を対象にして、3月10日~3月12日の期間で行われた。
都内での自転車事故“未遂”、自転車事故経験者は全国平均より高い結果に
「Q1 あなたはご自身が自転車を運転中に自転車事故に遭いそうになったことはありますか?」という問いには、66.7%もの人が「ある」と答え、その数値は全国平均(60.9%)より高い結果になった。
また、自転車事故“未遂”の経験者(自身で運転中・歩行時に含む)に、事故に遭いそうになった時間帯(Q2)について尋ねる調査が行われたところ、「夕方(16時~18 時くらい)」が 41.5%で、「夜(19時~24 時くらい)」が 31.9%になった。
また、「Q3 あなたは過去にご自身で自転車運転中に自転車事故にあったことがありますか?」という問いでは、実際に 35.5%もの人が「ある」と答えた。全国平均(30.5%)より高い数値になっており、都内での自転車運転での事故は多いようだ。
さらに、自転車事故“未遂”および自転車事故経験者に「Q4 あなたが自転車事故に遭いそうになったもしくは遭った場所はどこですか?」と尋ねる調査が行われると、一番多いのは「歩道」(46.9%)、次いで「自転車専用レーンがない車道」(31.4%)という結果になった。
「自転車専用レーンがある車道」は 11.4%となるため、同じ車道でも自転車専用レーンの有無で事故率に差があることがわかった。「信号のない交差点」(22.0%)、「商店街、住宅街等狭い道路」(20.0%)にも数値が集まり、このような通りが多い東京都ならではの結果かもしれない。
加えて、「Q5 あなたは自転車事故に遭ってしまった場合の対処法を知っていますか?」という問いでは、7割近くが対処法を「知らない」と回答した。
自転車保険認知度は8割超えも、東京都の自転車保険義務化3週間前で加入率は半数程度
「Q6 あなたは自転車事故に備える保険(自転車保険)があることを知っていますか?」という問いでは、82.3%もの人が「知っている」と回答し、自転車保険の高い認知度が浮き彫りに。
また、「Q7 あなたは今、自転車事故に備える保険に加入していますか?」という問いでは、「自転車保険」に加入している人は全体の約3割程度(32.7%)で、「自転車保険には加入していないが、他の保険(自動車保険や火災保険等)でカバーしている」と答えた人は 19.9%だった。
この結果から、東京都では自転車保険加入義務化3週間前で、まだ約半数の人が自転車事故に備える保険に加入していないことがわかった。世代別に見ると、男性40代(54.4%)、女性20代(50.4%)、30代(53.6%)で半数以上の人が自転車保険に加入していないという結果になった。
また、「Q7 自転車事故に備える保険に加入していますか。」の問いで「自転車保険に加入している」と答えた327名を対象に、「Q8 あなたが自転車保険に加入したきっかけを教えてください。」と尋ねる調査が行われたところ、「自分(もしくは家族)が加害者になった時に備えて」が 85.0%になった。
この結果は全国を対象にした前回調査と比べて、8.7ポイント高い結果。自転車保険には、自分(もしくは家族)にケガがあった時に備えるより、万一自身(もしくは家族)が加害者になった時に備えて加入しているということが分かった。
義務化3週間前で、東京都での自転車保険加入義務化認知度半数を切る
この4月より自転車保険義務化を迎える中、本調査で東京都での自転車保険の加入が義務化されることを知っているか尋ねる調査が行われたところ、「知っている」と答えた人は47.2%に留まり、義務化1ヶ月前で半数を切っている状況が浮き彫りに。
この数値は、昨年10月にau損保が、当時義務化されていた兵庫県、大阪府、滋賀県、鹿児島県、埼玉県、京都府の6府県と、義務化を予定していた神奈川県、静岡県、長野県の方(380名)を対象に行った調査結果と比べても 13.6ポイントも低い数値となっている。
<調査概要>
調査名 :自転車運転に関する意識実態調査結果
手法 :インターネット調査
調査対象:東京都にお住まいの月に1回以上自転車を運転する20-50 代の男女
調査数 :1,000名
調査期間:2020年3月10日(火)~3月12日(木)
※小数点第1位以下四捨五入の関係上、SA の合計値が100 を超える可能性がある。
出典元:au損害保険株式会社
構成/こじへい