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加工肉、でんぷんの多い食品、甘いスナック類を中心とした食生活は認知症発症リスクが高い、仏ボルドー大学研究報告

2020.05.13

じゃがいもと加工肉の組み合わせが認知症を招く?

加工肉、でんぷんの多い食品、甘いスナック類などを中心とする食生活を送っている人は、認知症発症リスクが高いことを示唆する研究が、「Neurology」4月22日オンライン版に掲載された。論文の筆頭著者であるボルドー大学(フランス)のCecilia Samieri氏は、「認知症予防には特定の食品の摂取量だけでなく、摂取する食品の組み合わせも大切なようだ」と述べている。

発表された論文によると、認知症の人はハムやソーセージなどの加工肉、じゃがいもなどのでんぷん、クッキーやケーキなどの菓子類を中心に食べていることが多く、それに対して認知症でない人は果物、野菜、魚介類、鶏肉などの多様性に富んだ食事をしている割合が高かった。

この研究結果について米アルツハイマー病協会(AA)のKeith Fargo氏は、「因果関係を証明するものではない」としながらも、「アルツハイマー病を含む認知症による脳内の変化は、発症の数十年も前から始まっていると考えられており、食習慣の長期的な影響が関わっている可能性もある」と述べている。

この研究は、フランスで12年間続けられている大規模コホート研究における、コホート内症例対照研究として実施された。

認知症の高齢者と、年齢、性別、教育レベルなどをマッチさせた認知症でない高齢者を1対2に割り付け、過去に行われていた食事調査の結果との関連を検討した。対象者の平均年齢は78歳、認知症群は209人で食事調査からの追跡期間は5.0±2.5年、非認知症群は418人で追跡期間は4.9±2.6年だった。

検討の結果、認知症群では食事調査時点において、ソーセージや塩漬け肉、パテなどの加工肉を多く摂取していたことに加え、こうした肉類を、じゃがいも、アルコール、甘い菓子類と組み合わせて食べる傾向があることが分かった。

またSamieri氏によると、このような食品の摂取量が多いだけではなく、むしろ他の健康的な食品の摂取量が少ないことの方が問題と見られるという。

先行研究からは、緑黄色野菜、ベリー類、ナッツ類、全粒穀物、魚介類の豊富な食事は認知症リスクを低減させることが示されている。

今回の研究からは、認知症リスクを増大させる食品を具体的に特定することはできないが、「多様性に富む健康的な食習慣を維持することが、認知症リスクの低下につながると考えられる」とSamieri氏は述べている。

一方、Fargo氏は、認知症予防のために特定の栄養素や食品を排除する必要はなく、「たまにチーズバーガーを食べたからといって、それがすぐに害になるわけではない」と語る。ただし、「それを食事の中心にすべきではなく、ポテトやコーラとの組み合わせも避けた方がよい」と指摘している。

そして、「ある特定の栄養素を取れば良いとか、特定の食品を避ければ良いということではない。食事全般が健康的なものになるよう心掛け、幅広く栄養価の高い食品を取るようにしてほしい」と助言している。(HealthDay News 2020年4月22日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://n.neurology.org/content/early/2020/04/21/WNL.0000000000009399

構成/DIME編集部

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