避難所で困るもの&整えて欲しいもの1位は?
防災意識が高まる今、「避難所」は私たちにとって身近なものになりつつある。あなたは「避難所」と聞いてどんな場所を想像するだろう。
ネオマーケティングが5年以内に被災によって避難所に宿泊した人に、実際に宿泊した避難場所について聞いたところ、「小中学校・高校(246人:49.2%)」、「公民館(190人:38.0%)」、「社会福祉施設(42人:8.4%)」という結果になった。約半数が「小中学校・高校」に避難していることがわかる。
また、その他の回答では「ホテル」や「車」、「会社」があがった。
避難所に宿泊する原因になった災害は「台風(254人:50.8%)」が最も多く、「豪雨(153人:30.6%)」、「地震(92人:18.4%)」、「火山噴火(1人:0.2%)」と続いた。
避難所で過ごす中で困ったことの1位は「トイレ(297人:59.4%)」。どのようなことに困ったのか、詳しく見ていこう。
トイレで困ったことで一番回答が多かったのは「トイレの数が少ない(242人:48.4%)」だった。大勢の人を一度に受け入れる避難所では、数不足が最も深刻な問題のようだ。
他の困りごととしては「清潔ではない(186人:37.2%)」が二番目に多く挙がった。また、女性や高齢者への配慮がないことも大きな課題になっているようだ。
さらに避難所で整えて欲しいと思うものについて聞いた結果、1位「トイレ(344人:68.8%)」、2位「プライバシーの確保(257人:51.4%)」、3位「飲料水(240人:48.0%)」、4位「寒さや暑さ対策(225人:45.0%)」、5位「食料(218人:43.6%)」という結果になった。実際に避難所で困った人が多い「トイレ」が整えて欲しい設備の1位になるのは当然のことかもしれない。
一般社団法人(非営利型)福祉防災コミュニティ協会理事の石川淳哉氏は下記のようにコメントしている。
「トイレが汚い、狭い、音が気になると避難者はトイレに行く回数を極力少なくしたい心理が働きます。そのため水や食事の摂取を我慢してしまい体調を崩すことにつながります。季節によってはトイレが感染症の原因になったりすることもあります。
暗がりで犯罪の温床になることもあるのです。 避難生活を送った方々は、そのようなことを実体験から感じ取ったのだと思います。トイレを整備することは大変重要です。日本中に清潔で安全で明るいトイレを配備することは喫緊の課題だと思っています」
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、5年以内に被災によって避難所に宿泊された経験のある全国の20~69歳の男女を対象に実施
有効回答数:500名
調査実施日:2019年12月23日(月)~12月25日(水)
構成/ino.