4月1日から東京都で自転車保険の加入が条例により義務化された。そもそもなぜ加入しなければならないのか?その背景の一つには以下のような事情がある。
自転車保険 なぜ加入義務化へ?
近年、自転車事故による高額の損害賠償事例が増加。加害者が未成年でも多額の賠償金の支払いを命じられたケースもあり、被害者ともに人生が大きく狂ってしまうこともある。
2020年2月 高知市の損害賠償事例
出典:朝日新聞Digital https://www.asahi.com/articles/ASN274Q48N27PLPB001.html
■自転車保険とは
自転車事故での「ご自身のケガの補償」と「他人への賠償責任の補償」がセットされた、自転車利用時のリスクをカバーする保険を指すことが一般的。自転車事故の加害者になることによって生じる高額な賠償責任から住民の生活を守るため、自治体では個人賠償責任補償がついている保険への加入を義務化。
■義務化に備えられる保険の種類
自転車保険を考える際のポイントを、ファイナンシャルプランナーが解説
■auファイナンシャルパートナー株式会社 八木雅士氏
2020年2月の高知での事例のように、お子さんが自転車事故を起こしてしまったら1億円近く、場合によってはそれ以上の損害賠償を求められる恐れがあります。
自転車保険は得かどうかではなく、起こる可能性があるので、しっかり備えておくと良いという物です。まずは現在入っている保険内容を確認して、自転車保険が必要か必要でないかを精査してほしいと思います。
①すでに加入している保険の内容に、自転車事故も対象になっている
個人賠償責任補償が含まれていないか「ダブリ」を確認
・自動車保険の特約に自転車事故の個人賠償責任補償が付いている
・集合住宅用の火災保険に付帯している個人賠償責任補償に含まれている
・クレジットカードの保険に個人賠償責任補償が付帯している
②補償内容・補償範囲を確認
・個人賠償責任補償の保険金額……高額賠償に備えるなら1億円以上だと安心
・家族全員がカバーされているか……義務化は、未成年から高齢者まで自転車に乗る全ての方が対象
③自転車で長距離移動する方は、
車両トラブルに備え「ロードサービス」があると安心
⇒補償が足りない場合は、特約の追加や自転車保険の加入を検討する
■au損保「自転車向け保険 Bycle」の特長 ※au以外の方も契約可
昨年義務化した地域では8.6ポイント増加
■自転車保険への加入率は全国で57.3%
「あなた(家族も含む)は自転車の事故に備える保険(個人賠償責任保険等)に入っていますか」と尋ねる調査が行われたところ、「加入している」と「おそらく加入している」を合計した加入率は、全国で57.3%と、昨年度の調査より1.3ポイント増加した。
■義務化地域が非義務化地域より16.0ポイント高い結果に
自転車保険への加入状況を、条例で義務づけている自治体と義務づけていない自治体に分けて(※)見てみると、義務化地域で65.6%、非義務化地域で49.6%となり、義務化地域が非義務化地域を16ポイント上回った。
なお、加入率が最も高いのは2018年に義務化した京都府で73.6%となっており、最も低いのは鳥取県で31.1%だった。
■2019年度に義務化した地域の加入率8.6ポイント増加
2019年度に義務化した地域(宮城県、神奈川県、長野県、静岡県)の加入率は61.1%と、昨年度の調査から8.6ポイント増加した。静岡県は13.7ポイント増加。全国での増加は1.3ポイントとなっており、条例による義務化は、自転車保険の加入促進に一定の効果があるといえそうだ。
なお、2020年度新たに義務化が予定されている地域(東京都、奈良県、愛媛県)の加入率は51.1%と、現時点は義務化地域の平均より14.5ポイント低くなっている。
<都道府県別の加入率>
【調査概要】※au損保調べ
調査方法:インターネットによるアンケート調査
対象者:調査地域に居住している自転車利用者
対象地域:日本全国回答者数:20,503人(人口比率に配慮し選定)
実施時期:2020年1月6日~2020年1月11日
※「義務化地域」には、都道府県単位で義務化している
埼玉県、神奈川県、長野県、静岡県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、鹿児島県、および市単位で義務化している宮城県(仙台市)、石川県(金沢市)、愛知県(名古屋市)を含む。
※本調査では小数点第2位以下を四捨五入している。
出典元:auフィナンシャルホールディングス株式会社広報事務局
構成/こじへい