1億ストロークに耐える光学式キースイッチを初体験!
キーボードの心臓部、それはキースイッチである。ハイコスパで防水性の高いメンブレン式、薄型化が容易なパンタグラフ式、そしてタッチと耐久性にこだわったメカニカル式が存在する。さらにメカニカル式は接点接触型と静電容量無接点型に分かれる。ここに新たに加わったのが無接点光学式である。光学式と言えば「攻殻機動隊」の光学迷彩でもお馴染みのハイテクな響き、キースイッチの内部にLEDと感光センサーがあり、光を感じてキー入力を検知するという、実際にハイテクなキースイッチなのだ。無接点式なので耐久性は抜群、LK optical Switchは反応速度0.2msでスイッチの寿命は1億ストロークを誇る。静電容量型との違いは内部構造が通常のメカニカルキースイッチに近いため、青軸、茶軸、赤軸などのタッチを再現できること。弱点はややコストが高いことだろうか。
キーボード好きとしてはHHKBキーボードとのタッチが違いが気になる。今回、入手した光学式のKeychronの最新モデル「K6」のインプレをお届けしよう。
「K6」はKickstarterのクラウドファンディングから生まれた
Keychronは2017年に設立された若きキーボードメーカーで、デザインにこだわったメカニカルキーボードを生産歴20年以上のベテラン工場と提携し製造している。「K6」は Kickstarterプロジエクトして開始され、私もそれに参加したのだ。その時の価格は89ドルと日本までの送料だったが、現在は同社のサイトから注文できる。
64ドルのベースモデルから、カスタマイズが可能で、光学式の最低価格は74ドルだ。私はさらにRGBバックライトとアルミ合金ベゼルを選択したので、合計94ドルの構成と同じなる。キースイッチは赤軸、青軸、茶軸から選べる。MacとWindowsにスイッチの切り替えで対応してキーキャップも付属する。Bluetoothによるワイヤレス機能もあるが、技適がないので、この機能は封印して、USB-C接続の有線キーボードとして使用している。
マットブラックの紙ケースに入って「K6」が到着した。マニュアルもクールだ
Mac仕様でオーダーしたので、コマンドキーやオプションキー装着済み。Windows用のキーキャプとリムーバーに接続ケーブルが付属していた
キーキャップはCherryMX互換でしっかり固定できるように十字の周りにリブがある
左サイドにUSB端子、Mac/Windowsの切替、無線/有線/OFFの切替スイッチがある。キーキャップはHHKBキーボードと同じくシリンドリカルステップスカルプチャーを採用。キーキャップには高級素材PBTが使われている
最上段のキーはFnキーだけでなく、マルチメディアキーとしても使える
Mac用とWindows用のキーキャップが付属、付属工具で簡単に交換できる
18パターンあるRGBバックライトに癒される
「K6」にはゲーミング用キーボードに定番のRGBバックライトが選択できる。18パターンの点灯モードがあり、白色の点滅ナシにすれば文字だけが浮かび上がり暗い環境でも使いやすい。タイピングの能率には全く無関係のバックライト機能だが、ランダムに点滅する光を見ていると、なぜか気持ちが落ち着いてくる。より冷静さを求めるときは青などの寒色系、励まされたいときは赤などの暖色系が効果的に感じられた。明るさも調整できるので、部屋の照明に合わせて控え目な明るさにするのがポイントだ。キーキャップを交換する際は、文字の部分が透過光対応になっているタイプを選びたい。ゲーミング専用と思っていた機能だが、意外な効果が感じられた。皆さんはどうだろう?
光学式のキータッチはメカニカルと同等だった!
肝心のキータッチなのだが、わりとカッチリとした感じで、HHKBキーボードよりもキーキャップのあそびが少なくクリック感は全くない。これは赤軸なので当たり前だが、静電容量型では最後に軽いクリック感があるのだ。キーストロークは「K6」の方が浅い。キーキャップの表面がマット仕上げになっていて、これが独自のサラサラした乾いた感じである。ケースは適度な重量感がありアルミベゼルと相まって安定感はいい。キーの音は静音タイプのHHKBキーボードより大きいが、通常の赤軸と同じ、または若干大きいレベルでオフィスで使用可能な静穏性は保たれている。
65%キーボードは60%とほぼ同じサイズで独立した矢印キーがあり使いやすいと思った。Mac用とWindows用の切り替え専用スイッチが有り、ディップスイッチを使うHHKBキーボードより切り替えは容易だ。価格は送料込みで約1万2000円とかなりのハイコスパだ。バックライトが白色でよければ約9800円とU1万円で買える。この価格帯にはライバル満載が、自信を持ってオススメできるモデルだ。
写真・文/ゴン川野